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ブランドは、事業の成長と正面から向き合うことで生まれる

ブランドに、近道はない。
ブランディングは、やろうと思ってすぐにできるものではない。

実感を込めて、言い切れます。

WithGreenの場合なら、生産者の想いを届けて、お客さんにおいしいサラダをつくる。そのための工夫を一つひとつ積み重ねていく過程で、ブランドは生まれていく。

事業の成長と正面から向き合うことこそが、きっとブランドになるのだと。

このnoteでは私たちの現在地と、未来について。

来年2024年には、全国で30店舗を超えます。日本を代表するサラダボウル専門店を目指すなかで、私たちの描く未来図について書きたいと思います。

コロナ禍の決断が花開き始めている

2016年の創業時からいまも、10年で1つの形にすることを目標にしています。

創業第1フェーズ(2016-2021:前半の5年間)としては、私たちの考えるサラダボウル専門店を、商品から店舗設計まで一つひとつ形にする。試行錯誤しながらWithGreenの基礎をつくることに力を入れました。創業期ですね。

創業第2フェーズ(2022-2026:後半の5年間)として成長期と位置づける”いま”は、全国に店舗展開しながら、WithGreenを世の中に出している途上です。

創業時に描いたイメージが、現実になってきました。

第2フェーズの途上にいるいまの時期に注力すべきは、出店とマーケティングだと考えています。

サラダボウルは日常食ですから、わざわざ足を運ぶのではない多くの人の生活導線上となる場所へ、店を出す。そんな人がたくさん集まる場所で、私たちの想いが伝わる商品を出す、というわけです。

事業のフェーズによって、どこに注力するかは移り変わります。

創業から25年となる2041年まで、創業期、成長期、安定期、成熟期、再成長期と5年で区切り、その道筋となるグラフを描き、テーマを決めているんですよね。

WithGreenが描く成長曲線

第2フェーズを振り返ると、コロナ下でピンチをチャンスに変えられたのが大きなターニングポイントでした。

世の中が外出を控え、飲食店全体の売上が落ち我慢を強いられるときに私たちは出店を増やしたことで、人気の場所への出店が叶いました。

休業したり、来店してくれるお客さんが減ったことで余った時間を、自分たちの足元を見直すことに費やし、コンセプトやデザインを考え直しました。

苦しかったコロナ期間のありようから芽が育ち、花をつけ始めています。

「志、高く。」毎朝視覚で認識する

志、高く。

この孫正義さんの言葉を、朝起きたら毎日、目に入れるんですよ。

「志、高く。」とタイトルのように掲げたnotion画面の下には、年間計画やいま何をやらないといけないかをまとめています。それを毎朝、すべて見ています。

自分たちの思い描く未来や理想を繰り返し見ることは、一番のパワーになるんですよね。

そこには、WithGreenの長期目標としての、定量目標と定性目標も書いています。

定量目標は、創業10年・15年の店舗数と売上、利益、来客数などの具体的な数量や数値を入れています。「2026年、日本を代表するサラダ専門店になる」「日本中によい影響を与える存在になる」などが定性目標です。

信じることをやり続けることが企業の色気に

「WithGreenは、色気が出始めている」と、経営者の知人からの何気ない言葉が、ものすごくうれしかったんですよ。

企業がブランドとなり醸す色気とは、自分たちの目指すことをやり続けていて、それがコンセプトやデザイン等細部まで落とし込まれている状態で初めて、出てくるものだと思うんです。

たとえば、「人生に、野遊びを。」と掲げるキャンプ用品のsnow peakさんにはありますし、スターバックスさんやBLUE BOTTLE COFFEEさんもありますよね、色気。

素敵で、なんだかかっこいい!と 心が動く企業に共通するのは、自分たちの信じることに真摯に向き合っていることです。

私たちに置き換えるなら、店に来てくれたお客さんに満足してもらうには、どうするといいだろう? 生産者の想いをサラダを通して伝えるには、何ができるだろう? 店舗をどう工夫すればより自分たちの想いが伝わる場所になるだろうーー。

真剣に取り組んでいれば自然と出てくる問いに試行錯誤するなかで、色気やかっこいいが生まれてくる。

冒頭にも書きましたが、ブランディングはしようと思ってすぐにできるものではないんです。

2ヶ月ごとに、生産者と開発するシーズナルメニュー(2023年秋)

内側を見つめ、毎日改良を積み重ねていく

ライバルは誰か? この問いにも通じます。

事業をするうえで、周囲の同業態や同カテゴリー、その動向を認識しておくマーケティングの観点は、もちろん大切です。

でもその何倍も重要なことは、周囲に振りまわされず、自分たちの内側を見ること。自分たちの信じることをしっかりやっていく。それこそが、5年先、10年先には圧倒的な結果の差になっている。そう考えています。

WithGreenも、自分たちの理想を真摯に追求することに、誠実でい続けたい。結局のところ、敵は、自分たち自身なんですよね。

たとえば、サラダを食べるフォークについて。テイクアウト用のサラダフォークは、何が良いかをいろいろ考えるなかで、現在はコーヒーを淹れるときに出てしまうコーヒーかす原料を使ったものを提供しています。

店内で使うフォークは、日本の燕三条の金属加工会社とともに、サラダを食べやすい形を研究中。2024年にはリリースできる予定です。

サラダ容器については、石川県の山中塗と呼ばれる1枚1枚日本の職人さんが塗装しているものを、2019年から使っています。実際に器の制作現場を訪れて制作過程を見て、私たちの想いと共鳴するところがあったからです。

サラダのおいしさと環境へ、よりよいものにとことんこだわるのは、私たちらしいところです。

法人格は、創業者の感覚とずれると育たない

ブランドを考えるのは、WithGreenという法人の人格を考えることにもつながりますよね。法人格は、創業者の人格と遠いと育まれないと考えているところがあります。

たとえば、WithGreenという名前にも表れている通り、自然環境を大事にしたいと法人として考えますが、「環境を守る」との表現は、私個人の感情にフィットしないんです。樹を切って、そこに畑を耕し、生きるために土地を整えて作物を育てる人間の営みは、ありのままの自然の姿とは離れています。

私たちは自然を借りて生きています。

「守る」とはおこがましい。一方で、「自然と調和する・一緒に生きていく」、というニュアンスだと私はとてもしっくりきます。「With」という言葉には、寄り添う、一緒に生きていくという意味があるので、この「WithGreen」という名前が好きなんです。

食材のフードロスはなるべく少なくしたいし、輸送にかかるフードマイレージについても考えたい。

つまり、そういう私自身の感覚や納得感と、企業として目指すところが重なってはじめて、創り出したサービスが社会に根づいていくと思うんですよね。

だから、自分の価値観と、WithGreenの価値観を一体にするところは、気をつけています。

まだまだ私たちは成長途中です。

自分たちの人格やコンセプトを見つめ、日々改善を積み重ねていく。そのなかで、「WithGreen」という法人格とブランドが出来上がっていくと信じて、毎日模索しながら歩いています。

農家の方と共に体験することを大事に(玄米の田植え体験)

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編集協力/コルクラボギルド(文・平山ゆりの、編集・頼母木俊輔)

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