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Suzanne Vega - Luka / ルカ - 1987

スザンヌ・ヴェガと言うと…
こちらのCMで初めて知ったかなあ…

マリームCM

このCMの雰囲気がとても好きでした。朴訥でシンプルな彼女の歌声。それがまたこのCMにとても合っていて、淡々としながら、とっても印象的で耳に残りましたよ。

「Toms Diner」1984

彼女は、ジャンルとしてはフォークとかソフトロック。インダストリアルのシンガーソングライターとのことで、ちょっと異色な人かなあ…

社会派とはよく言われますが、アメリカ人だけど、イギリス人ちっくな歌詞を書く人。内省的で社会に対する批判、問題提起や風刺の視点。そこって聖書の影響を抜いた、女版ボブ・ディランと言えるかも? 

して、ジャニス・イアンに少し通じるとこもあるかなー

でも、幼少期を社会問題を抱えた地域(ニューヨーク)で過ごしたこと。お母さんが再婚した相手(義父)が小説家だったことなどが、彼女の世界観に影響しているのかも知れないなとも思ったり。

ちなみに詩を書き始めたのは9歳の時で、14歳の時に作詞を始めたそうです。

あの有名なラガーディア高校(音楽&アートや舞台芸術に特化した学校で、映画「フェーム」の学校のモデル)を出て…

「Fame」ドラマOP

コロンビア大学に進んで、英文学を学んだインテリでもある。

「Left Of Center」1986

「Solitude Standing」1990

「 99.9 F」1996

「No Cheap Thrill」1996

「 Book And A Cover」1998

「Last Year's Troubles」2001

ガンガンにライブやって、アルバムを意欲的に出すタイプではなく、コンスタンスかつ、マイペースにアルバムを出しているので、創作活動主体の生活をして、発表出来る段階形に出来る時を見計らいな商業ベースで発表する…って人なのでしょう。

この辺りはアデルと同じ。無理に絞り出して創ってはないというか、完成度の高いアルバムを出しているミュージシャン。というよりは、まさにアーティストかなん。

ちなみに2013年にはフジロックフェスにも出てますね。YouTubeにもofficialありますので、曲はそちらでも聞くことが出来ます。

して、「トムズ・ダイナー」が最初に聞いた曲ってことで、好きな曲って言うか思い出の曲はそっちなんだけど、彼女の代表作と言うとやっぱ「ルカ」になっちゃいますね。

「Luka」1987

セカンドアルバムからシングルカットされて、ヒットしました。これは児童虐待を受けている虐待児童の視点から書かれた詩で、それまでにはない作風の曲として話題になりました。
内容はそんな感じで深刻なんですけど、彼女の水彩画の筆のように空間を綴るウィスパーボイスが陰鬱さをクールダウンして、淡々とした一人語り。まるでモノトーンの独り芝居を見させてくれるような、そんな世界に誘ってくれるので、ジメジメはしない。

そこはギルバート・オサリバンの「ハロー・アゲイン」みたいに、自殺して死んでしまった男の語り歌を彷彿とさせてくれます。

そうですね…彼女の歌はさりげないBGMのごとく、まるで空間に溶け込むエリック・サティのピアノ音楽のように…

内容に反して決して重くはなく、羽のような軽やかさで詩を朗読するかのように語り掛けてくれる。そんな音楽だなあと思ったりします。


他blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2021/09/29 掲載記事より転載


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