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Bob Dylan - Chimes Of Freedom / 自由の鐘 - 1964

ジョーン・バエズを出したのなら、やはり次はディランですね。※転載なので時期が前後してます

4年前にノーベル文学賞を取って話題になりましたので…
今の若い人で、その時に名前を知った人も多いのかもしれませんね。

本名はロバートですが、愛称としてのボブを名乗り、そのままこちらのアーティスト名を本名に改名していたり。

んでもって…ユダヤ系アメリカ人で、もともとはユダヤ教徒でしたが、キリスト教に改宗したことで、色んな方面から叩かれることになりました。

そのせいでジョン・レノンにも敵視されたりしてね。

ジョンはキリストにもケンカを売ったり
あちこち噛みつく人だったからなっっ汗

ジョージやリンゴとはものすごく仲良しなんだけどもっっ
(とくにジョージとは兄弟みたいな感じだった)

トラヴェリング・ウィルベリーズでは
5人兄弟の設定でしたね
次男と四男でしたっけ? 忘れたー

でも、今は再びユダヤ教徒に改宗したとのことです。

なので、キリスト教に傾倒したというか~ 
そっち方面、聖書に基づいた哲学的な歌詞が多いんです。
いちおうプロテスト・ソングの旗手と言われているけど、
ジョーン・バエズやピート・シーガーほど、熱心だったわけではない。

ジョーンとは恋人同士の関係でした
別れちゃったけど

どちらかと言うと、聖書の福音的な世界観で歌詞を書いてた人って感じ。だから彼の詩を理解するためには、まず聖書を理解しないとってとこ。

あと、18世紀の叙事詩や古典文学なんかもね…
ようするに読書家で、たくさんの文学作品や芸術、映画から
歌詞やモチーフを引用しているんですよ、彼は。

だから盗作野郎だって批判されちゃうし、
同時に文学賞としての受賞につながるわけね。
歌詞の大半の元ネタが、文学と聖書と叙事詩だから。

して、
ディランが影響を受けたのは、まずウディ・ガスリー。

Woody Guthrie「This Land is Your Land / 我が祖国」1940

私はPPMのカバーから聞いたかな、この歌は。
アーヴィン・バーリーの「God bless America」に、
インスパイアされて生まれた歌だったりする。

Irving Berlin 「God Bless America」1918

あと、ロバート・ジョンソンも好きな歌手とのこと。

「Crossroad / クロスロード」1936

音源ほとんど残ってないとのことですが、YouTubeで聞けるのってすごいです。ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストにおいて、2003年は第5位、2011年の改訂版では第71位。
で、「十字路で悪魔に魂を売り渡して、その引き換えにテクニックを身につけた」という伝説があったりするww

「Blowing In The Wind / 風に吹かれて」1963

この曲も、たくさんの人がカバーしていますね。
彼を代表する一曲でもあるし、永遠のスタンダードになっている曲です。

PPMカバー

「Mr. Tambourine Man / ミスター・タンバリン・マン」1964

ザ・バーズがカバーしたバージョンの方が、日本ではおなじみかもですね。

ザ・バーズ カバー

「Like A Rolling Stone」1965

「If Not For You 」1970

オリビア・ニュートン・ジョンがカバーしています。
仲良しジョージとの、こういうのってイイナ。

オリビア・ニュートン・ジョン カバー

「Knockin' on Heaven's Door / 天国への扉」1973

この曲もまた、色んな人がカバーしていますよね。
映画「ビリー・ザ・キッド/21歳の生涯」のテーマ曲でした。

「All Along The Watchtower / 見張塔からずっと」1967

これ検索すると、ジミヘンの方が上に出てきちゃうww
これまた、たくさんのミュージシャンがカバーしている名曲です。

とにもかくにも、たくさん曲がありすぎるし~
私も全部は聞いたことなくて、
有名な曲くらいしか知らないってのはあるっっ汗

とはいうものの…
カバー曲で、実はオリジナルはディランが作った曲ってのを、たくさん耳にしてはいるのですがね。

んで、私が一番好きなのはこれかなあ…

「自由の鐘」1964

やっぱ、たくさんの人たちがカバーしています。

歌詞がね、好きなんですよ。
ディランの詩集の中で見つけて心惹かれました。

ジョン・レノンのシンプルな歌詞も好きだけど…
ディランのひねりが聞いた、たくさんの含みを持たせた詩の世界観、やっぱり好きですね。
時代や人に対する風刺がめちゃくちゃ利いていて…
曲もそんな歌詞を心に届けてくれるから、だからこそ、彼から様々なインスパイアや影響を受けた人は多いのでしょう。

して、「自由の鐘」というと、解る人はすぐ思いつくと思いますが…ワシントン大行進でのキング牧師の演説の中で何度も出てくる言葉ですよね。

「自由の鐘を鳴らそう」と…

自由の鐘

日没の果てと真夜中の途切れた鐘の隙間
戸口の内側で 凄まじい雷鳴に首をすくめる
荘厳な稲妻の鐘は 響きの影を打つ
まるで自由の鐘が煌めいているように

煌めいている
争わぬ強さを持つ戦士のために
煌めいている
武器もなく逃げ出した路上の難民のために
そして あらゆる夜の負け犬の兵士のために
そして 僕らは煌めく自由の鐘を見つめた

街中の溶けた炉の中で思いがけず見つけた
顔を隠して硬直しつつある壁を
豪雨の前のウェディングベルの反響
稲妻の鐘に溶けゆく時に
鳴っている 反逆者のために
鳴っている 放蕩者のために
鳴っている 運に見放され見捨てられた者のために
鳴っている 火炙りにされ続ける追放者のために
そして 僕らは煌めく自由の鐘を見つめた

激しく引き裂くあられが狂気に神秘に叩きつける中
空はその言葉を無垢の驚異の中に割る
教会の鐘のもつれあいははるか波風に乗り
ただ雷鳴と稲妻の鐘のみが残される
打ち続ける 優しい人のため
打ち続ける 親切な人のため
打ち続ける 守護者と心の保護者のため
正当な時間のかなたの陰に囚われた画家のために
そして僕らは煌めく自由の鐘を見つめた
 
荒れ果てた大聖堂の夕べの中
雨は会話を解きほぐす
服を剥がれて顔もなく地位もない者のため
鳴っている
考えを伝える場所もない舌のために
すべての当然ととられる状況で
鳴っている 聴覚視覚障害者のために
鳴っている ろうあ者のために
虐待被害者や未亡人や捨てられた売春婦のために
追い立てられ騙された品のない追放者のために
そして僕らは煌めく自由の鐘を見つめた

彼方の雲の白いカーテンが煌めき
そして眠りを誘う水玉模様の霧がゆっくりと晴れ
そして眠りを誘う水玉模様の霧がゆっくりと晴れ
漂うように漂わぬように
運命づけられた者を除いて
鳴っている
言葉なく求める旅路を求める者たちのため
ひどく個人的で寂しい恋人達のため
無害な冤罪者の魂ひとつひとつのため
そして僕らは煌めく自由の鐘を見つめた

星のような目で笑っていた
僕らが掴んだ時を思い出すように
宙に浮いたままの 時間の軌跡ともつかない罠に囚われて
最後にもう一度聴き入っていた
最後にもう一度見入っていた
魔法にかけられて飲み込まれて
鐘が鳴り終わるまで

鳴っていた 癒されることなく傷ついた者のため
数えられないほどの
混乱し非難され虐待され騙されて
最悪に追い込まれた者たちのため
全世界のひとりひとりの心折れた者のために
そして僕らは煌めく自由の鐘を見つめた

https://hrecords.jp/entry/chimes_of_freedom/

ちなみにね、
ディランの地声ってものすごく綺麗な声なんですよ。
ボーイソプラノっていうのかな…クリアな声なの。

だけど、わざと潰れた声を出して歌っているのね。
つまりはどれも自分の声では歌っていない。
声優さんが、自分の役柄の声で歌っているみたいな…
そんな感じ。

だからみんな、地声で歌っているディランの声を聴いて、
「えっ、誰???」って驚いちゃうんですってww

そうやって、声で演技し続けることをしている。
それをもう60年以上続けているのって、
すごいなあって思ったりします。


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2021/01/28 掲載記事より転載

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