三島由紀夫のことば (1)

二十九歳まで童貞でゐられるとはすばらしい才能だ。世界の半分を無瑕でとつておく。それまで女をドアの外に待たして、ゆつくり煙草を吹かしたり、国家財政を研究したりしてゐたのだ。
三島由紀夫

私はこの言葉がとても好きだ。私に置き換えるならば、

二十一歳まで処女でゐられるとはすばらしい才能だ。若さの半分を無瑕でとつておく。それまで男をドアの外に待たして、ゆつくり物書きをしたり、宗教哲学を研究したりしてゐたのだ。

になるだろうか。もう一つ好きな言葉がある。

童貞処女のおわりは、おわりというよりは何かのはじまりであって、煙草ののみはじめとか、酒ののみはじめとかいうのと等しい。それをはじめから美味いと思う者もいるし、はじめは案外美味くないと思う者もいるし、ほろ苦いと思う者もいるだろう。
三島由紀夫

私はまだ終わっても始まってもいない。しかし、私はきっとそれをほろ苦いと思う者に違いない。

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