面河渓

限りなく澄んだブルー

ーオレとアチキの西方漫遊記(20)

高知県仁淀川町にある居心地良い民宿にサヨナラを告げたわが夫婦。クルマで面河渓(おもごけい、愛媛県久万高原町)に向かう。ひっそりとしながらも人の営みを感じさせる小さな村落、黄金色の稲穂が実る田んぼなどを横目に1時間ほど走り、緑に囲まれた山間の隘路を抜けると、やがて切り立った崖とアーチ型の橋が見えてきた。ここが"仁淀ブルー"のルーツとも言える面河渓の入り口だ。橋から見下ろした川は、やはり限りなく澄んだ青だった。

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ナンセンス

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四国山地の山々に囲まれた面河渓。これまで巡ったにこ淵(高知県いの町)、水晶淵(同仁淀川町)のうち、仁淀川の最も上流にある。どこが最も仁淀ブルーにふさわしいかという問いはナンセンスだ。いずれも底が透けてはっきり見えるほど透明な青。甲乙つけられるはずがない。

それぞれ独特の魅力もある。水晶淵を基準にすると、面河渓は水の色はほぼ同じに見えるが、川の流れが急だ。周囲に巨大な岩もたくさんある。最も上流にあるためだろう。一方、にこ淵は水がよりグリーンに近い印象。どこか淀んだ気配も強く、それが半端ない秘境感を生み出している。

面河渓の急な流れ_

いざ出陣

面河渓の入り口付近にあった看板によると、アーチ型の橋は「五色橋」と呼ぶらしい。そこから遊歩道に沿って歩くと、「虎が滝」という場所まで行けるようだ。奥さんと相談し、そこまで行くことにする。もちろん、目的は面河渓の仁淀ブルーに浮かび漂うこと。

いざ出陣よろしく、マスクとシュノーケルを背負って遊歩道に向かった。

(写真〈上から順に〉:橋の向こう側にある五色河原の眺め=りす、四国山地の山々に囲まれた面河渓=りす、水晶淵がある安居渓谷に比べて流れが急な面河渓=奥さん)

関連リンク(前回の話):

「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:


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