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同じ道ではつまらない

ーオレとアチキの西方漫遊記(42)

今回の旅行も、残りの行程はあとわずか。京都・嵐山を発った後、亡くなった義父の別宅がある静岡県伊東市に寄り、東京都内の自宅に戻るだけだ。次の目的地である伊東市まで、すぐに高速道路を使わず、途中まで一般道を使うことにする。旅行を楽しみ尽くすのに、行きと帰りが同じ道では、どこか物足りないー。そう感じていた。

前回のお話:「足りない位がちょうど良い」/これまでのお話:「INDEX

気分高揚

高速道路が目的地に最も早く着く。道にも迷わない。ついでにクルマの燃費も上がる。これ以上、効率的な手段はない。それでも尚、"下道"にこだわったのは、道中の風景が変化に富み、飽きが来なそうだからだ。

日本最大の湖である琵琶湖(滋賀県)を間近で見たかった。四国に向かう往路(※)では高速のサービスエリア(SA)からこの湖を眺めたが、復路では下道で水際まで近寄り見てみようと考えた。奥さんも諸手を挙げて賛成。

実際は、クルマが渋滞に巻き込まれ、道すがら、ビルの隙間から琵琶湖の端っこを覗き見るという寂しい結果。ただ、それでも満足感がある。行き帰りに違う風景を見ようとする挑戦そのものが、気分を高めてくれていた。

"一人連想ゲーム"

琵琶湖を過ぎ、しばらくしてガソリンスタンド(GS)で給油。スマートフォンのカーナビアプリを頼りに、さらにクルマを走らせる。いつの間にか、「甲賀」という看板が目に付くようになった。

道の駅「あいの土山」002

ハンドルを握りながら"一人連想ゲーム"。「甲賀市」「忍者の里」「ケガによく効く秘湯」まで思い浮かべたところで、時計を見やる。このままでは到着は深夜。先に温泉にでも浸かっておこうと考えた。

最寄りの銭湯などを探すため、道の駅でクルマを止めた。(続く)

(写真〈上から順に〉:四国に向かう途中、立ち寄った名神高速道路の大津SA〈滋賀県大津市〉から眺めた琵琶湖の風景=りす、通りすがりの「道の駅」で最寄りの温泉チェック=同)

関連リンク(前回の話):

「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:


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