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続・黄色い悪魔

ーオレとアチキの西方漫遊記(47)

“黄色い悪魔”スズメバチに占拠された義父の別宅の風呂。このまま捨て置くわけにはいかない。アニメ『進撃の巨人』の主人公、エレン・イェーガーの台詞「駆逐してやる!この世から、一匹残らず!」を真似ておどけてみたものの、相手は殺傷能力も持つ黄色い悪魔。かなりの本気モードで戦いに臨む。そして、ほとんど動かない敵に圧勝。ところが、そこに再び落とし穴。先々まで不安が残る手痛いダメージを喰らう。

前回のお話:「黄色い悪魔」/これまでのお話:「INDEX

本気モード

風呂を占拠した黄色い悪魔を放置し、巣でも作られたら堪らない。それに、これまでの疲れを癒そうと、義父の別宅にある風呂を心待ちにしていた奥さんの思いにも応えたい。おどけこそしたが、「駆逐してやる!」という言葉に込めた気持ちは決して嘘ではない。

浴槽を洗う洗剤と髭剃り用のシェービングクリームなどを持って風呂場に入る。いるいる、黄色い悪魔があちこちに。ただ、どういうわけか、いずれも動かずじっとしている。千載一遇の好機。これを逃す手はない。一匹ずつ洗剤をかけ弱らせた上で、シェービングクリームの泡の中に閉じ込めた。

洗剤で弱った上に、泡で呼吸ができないという状態はさぞかし辛いだろう。良心が痛まないわけではない。ただ、手をこまねいているわけにもいかない。しばらくして、泡を熱湯で洗い流す。驚いたことに、依然黄色い悪魔は生きていた。ただ熱湯の勢いに流され、排水溝に次々と落ちた。完勝だ。

落とし穴

勝利を伝えると、奥さんは飛び上がって喜び、いそいそと浴槽を洗ったりお湯を入れたりと入浴の準備を始めた。湯気の立ち込めた浴室。並々とお湯が張られた浴槽。楽園だ。奥さんに続いて風呂に入る排水溝に流されることを免れた黄色い悪魔の残党が、そこに一匹いたことも知らずに。

この後に起こった事件は、以下のページで詳しくお伝えしたい:

この事件以来、スズメバチを黄色い悪魔と呼んでいる。(続く)

(トップ写真:スズメバチには要注意=りす撮影の写真などでりす作成)

関連リンク(前回の話):

「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:


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