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わたしの『住み開き』との出会い

2012年の7月下旬。
3年以上もの全国旅となった、あの冒険の途中、わたしは神戸に滞在していました。

そして、神戸のコワーキングスペースで出会ったひとに見せてもらったのが『住み開き』という題名の本でした。


住み開き-住まいを無理のない範囲で開放し、ひとの集う場とする考え方。

書籍になるくらい、2012年にはすでに住み開きを実践している方々がいて、しかもいろんな開放の仕方があるんだなあ、と思いました。

車庫を画廊としたり、家の本棚を私設図書館として開放したり...。

それも日曜日だけだったり、イベントを開催するときだけとか。

みんな、じぶんのライフスタイルに合わせて無理のない範囲で自宅を開放しているようでした。

まるで芸術のように自由だと感じました。

そういえば2013年の9月、京都で「住み開きサミット」というイベントがあり、参加したことがありました。そこでも多くの実践者とお会いでき、いろんな知見を交換させてもらいました。とてもありがたかったですね。


もともとわたしは働き方を変えたくて全国のコワーキングスペースをめぐる旅をしていました。

そうしたらコワーキングスペースつながりでいろんな形態の場を体験することになりました。

住み開きも、そのひとつでした。

いろんな場に集うひとたちの働き方だけでなく、多様な価値観や生き方に触れるうちに、いつしかわたしも自らの場を持ちたくなりました。

のちに「ギルドハウス十日町」となるコンセプトの種が生まれたのです。


それからというもの、旅の途中で知り合ったひとの紹介で空き家を訪ねることが増えました。

そうしてたどり着いたのが、新潟県の十日町市の、津池という集落の空き家。それがギルドハウス十日町となったわけです。


ギルドハウス十日町のコンセプトは、住み開きの古民家。

コワーキングスペースやシェアハウス、ゲストハウスでもありません。

ですが、それらの良い要素を取り入れています。

とにかく全国のいろんな場の要素(わたしは場の遺伝子と呼んでいますが)を、ギルドハウス十日町に注ぎ込んでいます。

まさにじぶんの全国旅の集大成です。

そうした多くの要素を受け入れる、広いお盆のようなコンセプトとして、じぶんが最適だと思ったのが《住み開き》でした。

わざわざ通勤したりして運営するのではなく、自らの住まいを無理なく開放するという考え方。それが「死ぬまで楽しく暮らす」というじぶんの目的を実現するための、最も持続可能な答えに思えました。


結果、ギルドハウス十日町は住み開きという基本コンセプトのうえに、たくさんの場の遺伝子をどんどん重ねていくことで、全国各地・海外からも見えるほど高い《この指とまれ》な旗印を掲げることができました。

そしてこの5年間で延べ8,200人を迎えるほどになりました。

お店でも宿でもない、山奥の限界集落にある一軒家に、です。

いまでも変わらず10名前後と共同生活を営み、来月からは6~7名が新たに住み始めます。


そんな『住み開き』の増補版が2020年3月11日に発売されます。

わたしが立ち上げた住み開きの古民家「ギルドハウス十日町」をはじめとする7軒が書き加えられ、全40軒の事例が載っているそうです。


それにしても、まさかこの『住み開き』の表紙を飾ることになるとは。

なんだか感慨深いです。


ちなみに著者であるアサダワタルさんと実際にお会いしたのは2016年の5月。初版との出会いから4年後なんですね。その2年後の2018年に再会しましたが、その出会いから2020年の増補版でこのような形に展開するなんて。

アサダワタルさんに感謝です。

そして、多くの場の遺伝子を与えてくださったみなさんに感謝の気持ちをこめて...

ありがとうございます。

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