看護師はなぜ辞めてしまうのか? 看護師1000人以上の採用サポートをした担当が語る、看護師離職の実情
こんにちは!
WELLNOVA編集部です!
今回は看護師の離職理由について
看護師1000人以上のキャリアサポートをした担当が解説していきます!
看護師の離職は事業所運営に大きな影響を与えます。
大病院でも小規模施設でも離職はいずれ確実に発生します。
特にコロナ禍で多かったのが、同僚や先輩が辞めるから自分も辞めるという最悪の循環です。
これは大病院に多く見られ、大学病院の大量離職は大きくニュースになりました。
退職が止まらない、今後の離職防止につなげたいという方はぜひご覧いただけますと嬉しいです!
1.看護師の離職が止まらない理由とは・・?
看護師が離職をしてしまう理由はいくつか存在しますが、
本記事では2つの構成に分けて解説していきます。
前半に業界構造という大きな課題を解説、
後半にそれぞれの看護師がどういう理由で転職をしたかという詳細を解説していきます。
業界全体としての課題は、
1.圧倒的に売り手市場であること
2.価値観・働き方の多様化に対応できていないこと
があげられます。
まずは売り手市場から解説していきます。
・売り手市場について
医療・福祉業界は深刻な人手不足に陥っています。
看護師に関しては2025年までに最大で27万人足りなくなると言われており、売り手市場は継続、または激化していくでしょう。
売り手市場ということは、看護師を求める事業所(求人)数が求職中の看護師数を上回ることを意味します。
つまり、看護師の転職ハードルが下がり、転職が多発してしまう現状を生んでいます。
看護師の方々とお話していると、1週間や1か月という早期で離職してしまうケースも珍しくありません。
背景を聞いてみると、資格さえ持っていればどこでも採ってくれるから、と話される方が一定数いらっしゃり、実際に採用される実情があります。
下記の図は働き方別での有効求人倍率を示しています。
コロナの影響で落ち込んではいますが、コロナ前は常時2倍以上あり、
2021年度でも常勤は2倍近くの倍率があります。
・価値観、働き方の多様化について
近年、美容クリニックや一般企業に就業希望をする方が増えております。
これは以前よりも顕著で、若い世代を中心にSNSなどを通じて魅力を感じ、多くの方が実際に就業されております。
病院で長く働くといった価値観はすでに壊れてきているのです。
働き方についても同様で、昔は病棟で夜勤をしながら働くことがメインだったのが、日勤常勤が一番人気な働き方になるなど、働き方の多様化も進んでいます。
特にワークライフバランスという言葉が浸透し、
プライベートを重視したいという方の割合が増えている実感があります。
その中で、従来の採用方法、従来の働き方、従来の組織マネジメントを踏襲している組織では、価値観の変化に対応できず、看護師が離職してしまいます。
打てる手だてとしては、若い世代に対するコミュニケーションの工夫や、
ライフステージに合わせた働き方の調整など、対策は多数存在します。
しかし従来のやり方を変えると、短期的にデメリットが発生したり、
そもそも変化を嫌う傾向がある方もいるので、なかなか全てを完璧にすることは難しく、理由が分からず離職してしまうといったお悩みを事業所様からいただくケースが多いのが実情です。
2.看護師1000人以上と面談して分かった看護師の離職理由
細かい看護師の離職理由について、ここでは書いていきます。
・ライフステージの変化:結婚、妊娠、出産、転居
女性は特に結婚や出産で働き方ががらっと変わります。
それまでは普通に残業や夜勤をしていた方が、
時短や日勤のみに切り替わったりします。
その際に時短が使えない、夜勤免除の期間が短いなどを背景に転職をしてしまいます。
加えてそれまでの勤務の過酷さが強くイメージに残り、
子育てとの両立に不安から転職を決断される方も多くいらっしゃいます。
人材紹介大手株式会社エス・エム・エスが看護師1.9万人を対象に行った調査では、約6割の看護師が日勤常勤を希望していました。
若い女性が多い職場ではライフステージの変化による働き方の変化が多く発生します。
日勤常勤、非常勤など働き方にパターンが生まれると、
シフト調整などで負担がかかりますが、軸となるメンバーが抜けてしまい
新しく採用が必要になるよりかは良いと思います。
もし直近でご結婚された方や、子供が欲しいと考えている方がいらっしゃれば、今後の働き方について話し合いを設けても良いかもしれません。
これからの働き方に不安を抱えていれば、
不安解消に向けて一緒に動くことが長期就業には大切です。
・人間関係
人間関係の悩みはどこも尽きませんが、一番多くご相談をいただきます。
具体的には、上司との関係性が一番多いご相談です。
医療機関であれば先輩看護師や主任、師長、院長との関係、
介護施設であれば施設長や他職種との関係が悪く転職に至ってしまうケースが多いです。
若手看護師からは特に所謂お局さんの悩みをいただきます。
どちらかの配属を変える、しっかりと上席が厳重注意を促すなど対策が必要です。
人間関係が改善されて、転職活動をやめる方も多くいらっしゃいます。
働きやすい職場というのは、大部分が人間関係で構成されているので、ぜひ現在の就業環境に問題が無いか、アンケートや個別面談で調査してみてください。
実際に職場が人間関係改善に動いてくれると、
それだけで働く人は安心感をもち長く働く自信にもつながります。
・残業
コロナ禍で特に多くあがったのが、残業での転職です。
コロナの流行とともに、医療機関や保健所では対応に追われ、
介護施設でも業務増加が騒がれました。
それに加えてワークライフバランスやリモートワークなどの働き方の変化が広がり、さらに残業への忌避感が広がっております。
特に若い世代では働くことへの価値観が激しく変化しているので、
残業が一時的に多く発生している場合には、個々人へのフォローが大切です。
残業が慢性的に続いている場合は、改善に向けた動きがないと、
看護師は嫌気がさしてしまい転職活動を始めます。
それだけではなく、自分の職場をおすすめすることは無いので、
悪い評判が広がりやすいというデメリットがあります。
もちろん医療機関、介護施設で救急対応や急変対応で残業が発生してしまうことは仕方のないことですし、その対応のおかげで救われた命も多数あります。
売り手市場で情報にあふれている状況だからこそ、
現場で働く看護師が前向きに働けるよう、残業を減らす取り組みや個々人へのフォローは欠かせない時代となっています。
・やりがい
業務内容にやりがいを持てない場合でも転職を選ぶ方がいます。
例えば、外来希望で入職したにも関わらず病棟へ異動してしまったなどの理由で、やりがいを失い転職を選ばれる方も多くいらっしゃいます。
工数はかかりますが、異動や転勤などが発生する場合は、本人の希望があるか否か、異動した先でなじめているか、などフォロー体制を整備しておくことが良いでしょう。
働く上でやりがいというのはとても大切です。
やりがいをもっているか否かで、目の前の仕事がつまらないものか楽しいものかに変わってしまいます。
組織の制度上、ジョブローテーションがある場合でも、希望を聞き
上手く配置をする、もしくはしっかりと個々人の未来と異動を紐づける
ことができれば、やりがいをすべて失ってしまうことは無いと思われます。
・キャリアアップ
キャリアアップは前向きな転職背景になります。
もちろん事業所に負担がかかることは間違いないですが、もっと診療科目の専門性を高めたい、違い事業所形態で経験をしてみたいなど若い方や子育てが終わった方によく見られる転職理由です。
その際気を付けたいのが、
背中を押す役割としっかりとアドバイスをする役割を上司が担ってあげることです。
そこで無理な引き止めを行ったり、悪い印象で退職してしまった場合は大きなリスクを伴います。
医療、介護業界で働く人は横のつながりが強いため、
ネガティブな情報が広がりやすい傾向があります。
看護師や介護士の方のお話を聞くと、過去お勤めであった事業所の悪いところを色々お話されるケースが多く、逆に周りから良い情報を得た場合、その事業所に入る可能性が高まります。
またキャリアアップのため転職をした後に、実際に成長し帰ってくる方もいます。
長期的な目線で、しっかりとアドバイスを行いスキルアップをサポートすることは、とても大切なことなのです。
3.まとめ
今回は看護師がなぜ辞めてしまうのか。。。?という疑問に、
業界全体の課題から、個別の転職理由について解説していきました。
人がやめるだけでも大きな影響がありますが、人を採用するにも
大きな時間、労力、お金がかかります。
それぞれの事業者が採用力の強化が必須となっています。
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