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人体を支配するしくみ「体に良い/悪い?効く/効かない?」⑧

毎週水曜日は、Newton「人体を支配するしくみ」を、見開き2ページずつ読み進めるシリーズです。

今回はP.118~119。
昨日までの自分より一歩だけ成長したいと思います。



育毛剤は本当に効果があるのか?

若いときは
「髪ぐらい・・・」
「薄くなったらスキンヘッドにしたらいい」
などと思っていても、加齢と伴にしくなってくる方は少なくないと思います。

そんな私も例外ではなく、2回目のコロナウィルスのワクチン接種後、薄毛で悩んだ時期がありました。

もちろん髪の悩みは女性も例外ではなく、最近ではウィッグなど女性用のヘアケアを扱ったサービスを当たり前のように見かけるようになりました。

さて、
薄毛対策といえば、ウィッグとともに外せないのが『育毛剤』ですが、割と高価なものなので、「本当に効果があるの?」と購入をためらっている方も多いのではないでしょうか?

本書は2006年の情報なので少し古いかもしれませんが、人の体はそれほど進化していないという前提で読み解いていこうと思います。

毛がなくなるのではない

20代・30代:男性型脱毛症
40代以降:|壮年《そうねん》性脱毛症

身体年齢により名称は異なりますが⇧、いずれも脱毛という言葉がついていることに対し、伊藤雅章先生(当時、新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学教授)は

「名前に脱毛とついていますが、脱毛が起きる訳ではありません。髪の毛が細く短い軟毛になることで、見た目に薄くなる状態です」

と説明されています。

毛は、「伸びては抜ける」という毛周期を繰り返します⇧。

毛根に「毛母細胞」がある限りは、生えてこなくなることはないということです。

男性ホルモンの影響で薄毛になる

毛根には毛母細胞の増殖を調整する「毛乳頭細胞」というものがあります。

男性ホルモンはこの毛乳頭細胞に作用して、毛母細胞の増殖を抑えるTGF-β1という物質を放出するようです。

また、TGF-β1は毛周期で抜け落ちるときにも放出されます。

そのため、毛周期の循環は年々早まるというわけです。

なぜ薄毛にならない部位があるのか?

ヒゲや胸毛などは、頭部とは逆転して「濃くなってくる」という減少が起こります。

伊藤教授は、
「濃くなる部位の毛乳頭細胞からは、毛母細胞の増殖を促進するIGF-1が放出されている」
と説明されていました。

同じような毛でありながら、なぜ逆転現象が起こるかは研究中とのことでしたが、頭部の中でも男性ホルモンの影響を受けない側頭部・後頭部からの植毛手術は行われているとありました。

毛母細胞にはたらく育毛剤

伊藤教授によると、「ミノキシジル」という成分は、毛乳頭細胞にはたらいて毛母細胞の増殖をうながすIGF-1を放出させ、効果を生み出すそうです。

また、男性ホルモンの効果を抑える薬として、「フィナステリド」が開発されています。

ちなみに、女性の薄毛の場合はミノキシジルは有効ですが、フィナステリドは効果がないと言われているそうです。

育毛剤は延命処置という理解が◯

毛の成長速度を考えると、育毛剤の効果があらわれるには、半年間くらいかかるそうです。

さらに、育毛剤の効果は使用している時だけで。止めると元の状態に戻ってしまうとのことでした。

そのことから、教授は育毛剤の使用について、「薄毛になるスピードが新幹線から各駅停車になるくらいの気持ちで使用するのが良い」と語っていました。


いかがでしたか?

次回(5/23予定)は、夏に向けて気になる方の多い「日焼け」です。

次回も新しい発見と出会えますように。
それではまた

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