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Web Novel Labo【小説Tips】

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noteで出逢った小説・創作に役立つ記事をまとめているマガジンです。
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記事一覧

【短編は「ワザ」で勝負する!】トリッキーで効果的な技が冴える短編(2014年6月号特集)

短編は手品に似ている 文章を読むという行為にはご褒美が必要です。共感、感動、新しい知識、新しい発見など、何かを読者に与える必要がありますが、ご褒美は長編と短編では少し違います。長編はそれなりに重い読後感がないと、読んだ労力に見合わないところがあります。重いというか、真面目というか、テーマと真正面から向き合っているというか。  一方、短編では落語のようなオチのある作品やコメディーもOKです。  たとえば、吉行淳之介の「あいびき」という小品。ある男女が『あいびき』というホテル

考えるのは3つだけ〜簡単な物語のつくり方(1)

崖っぷち作家のニジマルカです。 今回から何回かにわたって、簡単な物語のつくり方をご紹介していきます。 まったく話を作ったことがない人向けの内容です。 初回は「物語をつくる上で考えることは3つしかない」という話です。 はじめに想定しているのはこんな感じのお話です。↓ ・ジャンル : 一般的なエンタメ ・ボリューム: 小説1冊分、映画1本90分〜120分 一般的なエンタメとは、老若男女が楽しめるハリウッド映画みたいな感じだと考えればいいです。 デートに行ったときに二

小説コンクール🎖もろもろ選考基準ばなし

こんにちわ。 児童書作家のみずのまいです。 まずは簡単な履歴を。 2009年、P社の児童書コンクールで大賞は逃したけど 2010年にデビュー。 その後それがヒットシリーズになり(ヘッダー画像を参照)途中別の版元の児童書文庫Mレーベルでシリーズをだし、そのご褒美みたいな形で審査員長を経験。 その時に知ったこと、思ったこと、今までの作家人生で耳にした話、などを自分の今後のためにもまとめてみました。 (来年、作家15周年なんです) 作家はボールを投げ続ける職業。 でも、投げる先が

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【#創作大賞2024 説明会レポート】クリエイターから寄せられた質問に回答します!

4月23日にスタートした、日本最大級の創作コンテスト「創作大賞」。第3回となる今回は、前回を大きく上回る21のメディアに参加いただき、新設された4つの部門を含む12部門と過去最大規模で開催をします。 この記事では、4月25日に行った「創作大賞2024 説明会」で、クリエイターから寄せられた質問に回答をしていきます。 ▼ 配信のアーカイブはこちらから視聴できます。 応募要項についての質問Q1. 過去の受賞者は参加できますか? A. 参加できます。あたらしいジャンルに挑戦

「印税」っていくら貰えるの? 【改めて出版業界の知識を学ぶ】

 こんにちは、マイストリート岡田です。 「本を出す」となるとなったら、気になるのが「印税」はいくら貰えるのか、ということですよね。  自分が書いたものを1冊の本にまとめ、それを商業出版する、というのは誰もができるわけではない、すばらしいことです。  しかし「本が出たら印税をたんまり貰える」というわけでは決してありません。夢見がちになりすぎると、現実をみてがっかりしてしまうこともあります。  今回はこの「印税」ってなんなのかを解説していきます。 ■「刷部数印税」は、価

受賞から小説家デビューへの軌跡。せやま南天さん・秋谷りんこさんインタビュー #創作大賞2023

創作大賞2023で朝日新聞出版賞を受賞し、4月5日に『クリームイエローの海と春キャベツのある家』が刊行されたせやま南天さん。同コンテストで別冊文藝春秋賞を受賞し、5月8日に『ナースの卯月に視えるもの』が刊行される秋谷りんこさん。今作でプロ作家としてデビューとなるお二人にインタビューをしました。 もともとnote上で相互フォローをしていたというお二人。それぞれの作品に対する感想や、受賞してから刊行に至るまで、今後の展望などをじっくりおうかがいしました。 創作大賞2024に応

創作大賞2023年受賞者が、書くときに心がけた10個のこと!

今年も始まりましたね!創作大賞2024! ありがたいことに去年の創作大賞で別冊文藝春秋賞を受賞させていただき、無事に書籍化デビューが決まっております!!文春文庫さまより「ナースの卯月に視えるもの」刊行されます。お読みいただけると嬉しいです。 まずは宣伝! 5月8日発売です。よろしくお願いします!! そんな私が、去年の創作大賞でいったい何を心がけて取り組んだのか、少しですがお知らせしていきたいと思います!もちろん、これをやっていれば受賞できる、というものではありません。これ

【5/7(火)】『異世界居酒屋「のぶ」』蝉川夏哉さんに聞く「小説のキホン」 #創作大賞イベント

5月7日(火)19:30から、小説家の蝉川夏哉さん(代表作:『異世界居酒屋「のぶ」』)に小説の書き方の基礎的なノウハウを教えていただく講座を開催します! ▼こんな方におすすめ 開催中のコンテスト「創作大賞2024」に応募したいと思っている方 小説家として商業デビューを目指している方 自己流で書いてきて、小説の書き方の基礎を経験豊富な作家に学びたい方 蝉川夏哉さんは小説投稿サイトからデビュー。『異世界居酒屋「のぶ」』が第2回「なろうコン大賞」(現・ネット小説大賞)を受

ポジティブに生きる心がけ

先週4/10に『ぜったいヒミツの両想い』の3巻が発売となりました📖 何かと自信のなかった主人公・中1のナナが、おつきあいを通してがんばったり自信をつけていったりと成長していくラブコメです。 自信を持ったり自己肯定感を高めたりというポジティブシンキングって、自分みたいなクリエイター業には本当にすごく必要なスキルだと常々思っていて。そういうことなんかを、ちょっと書いてみようかと思います。 ◆心臓に毛を生やすよくXでも言ってるんですが、作家業、繊細すぎるとやってけない。本当に

【一歩先を見据えた作品を】読者を楽しませるために意識すべきこと(2011年7月号特集)

小説と映像化商品としての小説  テレビもラジオもなく、流通も出版も今ほどは発達していなかった明治・大正の頃の文壇は、読者に向かってではなく身近な仲間に向かって書くサロン文学に近かった。  ところが、戦後は出版部数が多くなり、読者の反響が評価となる。すると、自分のためだけに書くことはできなくなり、「私小説は死んだ」(小林秀雄)ということになる。  その意味では、現在はすべての文学に商品性があるわけだが、その度合いを示せば、図3のようになる。商品性の少ない順に見ていくと、純

【専門知識はどこまで必要?】ミステリ・警察・医療・時代小説で役立つ情報を得る方法(2018年12月号特集)

 警察小説や医療小説などでは、ある程度の専門知識が必要になる。ここでは専門小説の入門編として、豆知識と参考資料を紹介する! 推理小説有名なトリックは押さえておこう  推理小説には、謎を解くことを主眼とした本格推理と、広義のミステリーの2つがある。  広義のミステリーは「作者と読者の知恵比べ」という趣旨ではないが、謎やトリックはあり、だから有名なものは押さえておきたい。  名作とまったく同じトリックをそのまま使ったら即落選となるだけでなく、無知を笑われる。  ただし、大

クリキャベの本が発売されました!発売前後のあれこれ

先日4月5日に無事、 創作大賞2023にて朝日新聞出版賞を受賞した小説、 『クリームイエローの海と春キャベツのある家』の書籍が発売されました!!! 創作大賞の主催者であるnoteから、プレスリリースを出していただいています。 実は、小説の内容のチェックを終え、校了したら、 「あとは発売日を待つばかり。もう私にできることはないだろう」 と思っていたのですが、 ありがたいことに、校了後もあれこれ動いておりました。 小説家の仕事は、 小説を書くだけにとどまらないんだなぁ…

小説同人誌の作り方を毎回忘れるのでまとめた

わたしが初めて同人誌を作ろうと思ったのは2019年末のことだ。齢30にして新たな挑戦である。 せっかく作るなら自分の満足するものを作りたい。それまで、作るどころか同人誌をほとんど読んだこともなかったので、いわゆる同人誌的な体裁(A5版、二段組、背幅2〜3mmの冊子)に馴染みがなく、自分がよく知っている本の体裁といえば、カバーつきの文庫本だった。 作った。 全くのゼロ知識から作った割にはなかなか良い出来なのではないかとかなり満足した。 その後、半年後くらいに二度目の同人誌を

文芸同人誌をつくろう!

先月「真夜中インター」という同人誌を作成、販売しました。noteで知り合った4人の小説・エッセイ・マンガを92ページの薄い冊子に詰め込んだものです。買ってくれた人が「私も自分の本作りたい」、「これまでのエッセイをまとめたいけど作り方がわからない」とTwitterでつぶやいてるのを見て、「よっしゃ私がnoteにまとめる! みんなで同人誌作ろう!」という流れになり、いまこれを書いています。 指折り数えてみると、過去7冊作ってました私。その中に自分だけのマンガ本が1冊もないのはど