Rob Morrisonの幻影
「Sorry, I'm late」
聞き取れたのはそれだけだった。
遅れてきたお袋は、いつもと同じ顔で、急に流暢な英語を話し始めたのだ。
それだけじゃない。お袋の声は、なんだか合成みたいだった。Siriみたいな声でペラペラと英語を喋るお袋の顔をしたもの。俺は英語がからきしだから、何を言ってるのか全然わからない。
「おい、親父、お袋どうしたんだよ」
「何だお前、覚えてないのか?」
なんのことだ? さっぱり心当たりがない。いや、あるわけないだろ、急に母親が人工的な声になる