雨虹みかん

19歳。

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夏が終わってからずっと苦しんでるこの子のこと。

夏休みの終わりを夏の終わりとするならば、夏が終わってから私はずっと苦しい。 PLAZAやロフトのフレグランスコーナーには金木犀の香りの香水が並び、夏が終わった事実を私に知らしめる。 昨日の帰り道に見たのは、しおれ、そしてほとんどの花弁が枯れた向日葵だったけど、その中にまだ黄色く瑞々しい花弁が残っていたこと、わたしは知っている。 夏に取り残された私は今日も大学を休んで眠りに落ちる。 それでも肺に入ってゆく空気の匂いは秋そのものだと感じてしまった。わたしは残された夏を見捨

    • 本や音楽や香水ってそのときの状況や思い出を鮮烈に残すものだから、大好きだったものが大嫌いに変わることも有り得るし、全く興味なかったのに好きになったりするもの。

      • 彼氏の手首の内側にシャドウのラメを塗った時 それはおまじないみたいだねって 微笑むホテル・モーニング

        • 初めてのデートの前に文通を

          はじめに今回書くのは、三嶋悠希(別名:俺僕私)についての記事である。 以前にも彼についてのエッセイは書いたことがあり、カクヨムに載せていた時期もあった。 そのときは少しコメディ要素を交えて書いていたのだが、今回は彼と彼の作品にしっかりと向き合ってみようと思う。 俺?僕?それとも私?まずは彼について。 プロフィール 【三嶋悠希】(みしまゆうき) 2004年生まれ。 あの夏の平行線のメンバー。 カクヨム甲子園2022ショートストーリー部門にて大賞を受賞。受賞作は『初デート

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        夏が終わってからずっと苦しんでるこの子のこと。

        • 本や音楽や香水ってそのときの状況や思い出を鮮烈に残すものだから、大好きだったものが大嫌いに変わることも有り得るし、全く興味なかったのに好きになったりするもの。

        • 彼氏の手首の内側にシャドウのラメを塗った時 それはおまじないみたいだねって 微笑むホテル・モーニング

        • 初めてのデートの前に文通を

          さよならサワークリーム味

           口に入れ、噛んだ瞬間にじゅわりと広がる酸味と旨味。  私は貴方のその味をずっと忘れない。 「期間限定」なんて、言ってほしくなかった。  これからも貴方の味を味わっていたかったよ。  今回のエッセイでは貴方との別れとその葛藤を記そうと思う。 ◇  え~っと。(笑)(笑)(笑)かっこわらかっこわらかっこわら。  なんでしょうこの冒頭は。これはまさに「かっこわら」である。  貴方とは、「ポテトデラックス サワークリーム味」のことである(長いので、これから冒頭に合わせて「貴方」

          さよならサワークリーム味

          放課後

          あの日の放課後の、 薬指の剥がれたトップコートも、 体育館倉庫の埃臭さも、 いつの間にか出来たプリーツのテカリも、 マスクの下の薬用色付きリップも、 更衣室に広がる制汗剤の匂いも、 プリ機のカーテンの質感も、 中途半端に残ったシャー芯も、 右手に付いた古いホルンの緑青も、 黒板消しクリーナーの粉っぽさも、 勝手に使った保健室の身長計も、 黒縁メガネに付いた指紋も、 学校の近くの公園のベンチの下の雑草も、 体育館の届かないバスケットゴールも、 少し緩

          告白について

          これは、私が高校生のときに書いた文章である。 今日、「告白」というテーマで連作短歌を詠んだ。そのテーマにちなんで、「告白」について自身の思いを綴ってみようと思う。 ずっと一緒にいたいから告白しない。私は思春期に入ってからの人生の大半をその考えで過ごしてきた。告白しちゃったされちゃった、付き合うことになった、そんな噂を聞く度に、「いつかは別れるのにどうして告白して付き合ってしまうの。付き合わなければずっと一緒に居られるのに。本当に好きなら告白しないべきだ。」と思っていた。幼

          告白について

          背の順X番目

          背の順X番目 それは、やわらかかった。 プリンアラモードの上に乗ったサクランボように主張していた。 つぶれてしまわないように、包んだ。 それは、かたかった。 引っ張っても切れない糸のように意志を感じた。 結び目がほどけないように、繋いだ。 それは、ちいさかった。 早朝の小鳥のさえずりのように耳をなでた。 見失わないように、瞬いた。 それは、おおきかった。 いつかの夏休みに見上げた大空のように広がっていた。 忘れないように、栞を挟んだ。 数十人、数百人。 背の順で並ん

          背の順X番目

          今日、青葉寄の本名を呼んだ。

          豆知識:青葉寄のXアイコンは私が描いた 前回の記事はこちら 青葉寄(以下「青葉ちゃん」)のXアカウントはこちら はじめに 2024年8月20日にガガガ文庫から青葉ちゃんのデビュー作『夏に溺れる』が発売される。 先程、『夏に溺れる』の表紙が公開された。 そのイラストを見たら私はぶくぶくぶくと泡のように色んな想いが込み上げてきて(それは全て綺麗な感情)気がつけばこの記事を書き始めていた。私は発売前にもかかわらず夏に溺れてしまったのかもしれない。 私と青葉ちゃんは「あの

          今日、青葉寄の本名を呼んだ。

          夏が始まった。私は終わった。

          noteを書くのはなんだか久しぶりな気がする。 文章を書くこと自体久しぶりだ。 夏至を区切りとするならば、夏が始まったらしい。 昨年の私は、夏休みの終わりを夏の終わりとするならば、夏の終わりからずっと苦しいとnoteで話した。 今は昨年のその頃ほどの苦しさは無くなった。 でも、ぼんやりと不安感は常にあって。 それが病気由来のものなのか、環境由来のものなのか、はたまた性格の問題なのか、それは分からないけれど。 今から少し、最近の自分が思うことを書いてみようと思う。 小説を

          夏が始まった。私は終わった。

          アイスティー

          わたしはアイスティー いちごミルクは似合わないから ラベンダーのアイシャドウ塗って 手の甲で涙を拭った たくさんのラメが涙に溶けて てのひらにもラベンダー アイスティーをひとくち飲むと 時計の針が動き出す すべてのものが嫌いになっても もしかしたらアイスティーだけは わたしのヒーローかもしれない いちごミルクになりたかった、ほんとうは わたしのその夢をアイスティーは知らない いちごミルクに明日からなれるなら ららら

          アイスティー

          円周率の迷路

          暗闇で光るスクリーン 見飽きてしまった予告編 見たいのはそこじゃないのにまた今日も 変わらない主人公 明日はきっときっときっときっときっと 心の中で叫んでも いつもいつもいつもいつもいつも 繰り返す物語 今日の言葉が明日には嘘になっちゃうのなんて そんなの嫌だよ カレンダー昨日までの罰印 できなかった白分許して 「ごめんね」言って仲直りしようよ 花を咲かせて大きな丸つけてさ 変わってないようできっと変わってるから 間違い探しの答えひとつ見つけた テレビの前でカウントダウ

          円周率の迷路

          ブランコの季節

          音楽室の壊れたメトロノーム アンダンテより速く動かない ああ、針の動きが止まってく もう一度巻き直さなきゃ ゼンマイ式の規則的な動きに飽きてしまった そうだ、いっそブランコにしてしまおう ブランコに乗って 風をきって 雲をつかんで 自由に飛ぼうよ 振り幅だって勝手に変えてやる 今すぐ走り出したい気分なんだ ブランコに乗って もっと風をきって 空を走り回って 自由に叫ぼうよ 振り幅だって勝手に変えてやる ずっとアンダンテではいられないから 音楽準備室のオルゴール アンダ

          ブランコの季節

          恋人のホワイトリリー

          恋人がつけているSHIROのホワイトリリーのオードパルファン。 この前お泊まりした時に私は間違えて自分のコスメポーチに入れて持ち帰ってしまったようだ。 というのも、私は同じデザイン同じブランドのサボンの香りのオードパルファンを持っていたから。 私と恋人は遠距離だから、次会えるのは数ヶ月先のこと。 郵送する手もあったけど、恋人は返すのは次会う時でいいと言ってくれて。 私は手首の内側に1プッシュ振った。 人は匂いで記憶する。 そんなことを聞いたことがある。 手首の内

          恋人のホワイトリリー

          青とキャラメリゼ

          砂糖水を透明な水飴にするのは至難の業で煮詰めすぎて焦がして苦くなるのが現実だ それが現実になる前の世界、それは例えるなら青色で どこまでも澄み渡ってたような気がする 恋心をラムネの泡に溶かして 執着を水飴の甘さに例えて 髪の毛を初めて茶髪に染めてみたり 似合わない色のネイルを塗ってみたり それはどれも綺麗で それはどれも青くて 青くて もう戻らない

          青とキャラメリゼ

          文学フリマ東京38 出店たのしかった!

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