背の順X番目
背の順X番目
それは、やわらかかった。
プリンアラモードの上に乗ったサクランボように主張していた。
つぶれてしまわないように、包んだ。
それは、かたかった。
引っ張っても切れない糸のように意志を感じた。
結び目がほどけないように、繋いだ。
それは、ちいさかった。
早朝の小鳥のさえずりのように耳をなでた。
見失わないように、瞬いた。
それは、おおきかった。
いつかの夏休みに見上げた大空のように広がっていた。
忘れないように、栞を挟んだ。
数十人、数百人。
背の順で並んだら離れてしまうような僕らは今日も歌う。
それは、ひとつの絵本のようだった。
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