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初めてのデートの前に文通を




はじめに

今回書くのは、三嶋悠希(別名:俺僕私)についての記事である。
以前にも彼についてのエッセイは書いたことがあり、カクヨムに載せていた時期もあった。
そのときは少しコメディ要素を交えて書いていたのだが、今回は彼と彼の作品にしっかりと向き合ってみようと思う。

俺?僕?それとも私?

まずは彼について。

プロフィール

【三嶋悠希】(みしまゆうき)
2004年生まれ。
あの夏の平行線のメンバー。
カクヨム甲子園2022ショートストーリー部門にて大賞を受賞。受賞作は『初デート前レター』。
かなりの読書家で、小説の他にも詩やエッセイなど様々なジャンルで創作をしている。
Twitterでは「俺僕私」という名義で活動中。

 ↓あの夏の平行線についての記事はこちら


高3冬の深夜のこと

2022年12月。カクヨム甲子園2022の結果が発表された。
私雨虹みかんはありがたいことに『文房具コーナーから始まる文通』という作品でショートストーリー部門奨励賞を受賞した。
奨励賞の上には大賞があった。

実際のページ


大賞を取ったのは『初デート前レター』という作品らしかった。
私は少し悔しかった。
しかし私はその作品を読んで、実力で黙らせられたのだ。
文句なしの大賞だと思った。

カクヨムで感想を送ろうと思ったのだが、物語の結末に圧倒され語彙力を失った私は感想を送ることをやめた。
だけれども「三嶋悠希」という存在が気になってしまい、私はTwitterでペンネームを検索したのだ。
すると出てきたのがFF1人の鍵垢だった。
プロフには小説関連のことが書かれており、人目であの三嶋悠希だと分かった。
フォロリクを送ると承認された。
そして数日後、三嶋悠希から深夜にDMが来たのだ。
DMはかなりの長文で、内容は私の受賞作『文房具コーナーから始まる文通』の感想だった。
そこから私たちの交流が始まる。
そしてそこから3ヶ月経って、私はようやく『初デート前レター』のレビューを書けるようになった。


彼と出会ってから1年半以上経った今なら、彼の作品についてもっと色々書けるのではないだろうか。
そう思った私は今回の記事を書き始めたのだった。

キャラクターが生きている

彼の書く小説の強み。
それは、キャラクターが生きているということ。
彼はキャラクター作りが上手だ。
個性溢れるキャラクターたちが物語に色を与えている。



『初デート前レター』

カクヨム甲子園2022 ショートストーリー部門大賞受賞作。

(以下、ネタバレあり。飛ばしたい方は目次から次の章に飛んでください。)





この物語は、最初から最後まで全て手紙というユニークな構成をとられている。
まず私はその構成に感心した。
そして始まる、甘酸っぱい恋愛劇。
古知真貴から成瀬に送るラブレターとでも言おうか。
カクヨムでこの作品のジャンルは「恋愛」に設定しているのだから、それは正しい解釈だろう。

そう、思っていたのに。

手紙を読み進めていくうちに、だんだん雲行きが怪しくなっていくのだ。
手紙という一方通行のツールであるのに、双方向なのではないかと錯覚を覚えた。

物語の後半にかけて、伏線が回収されていく。
カフェの店員が古知真貴、そして成瀬の彼女だという結末。
私は雷に打たれたような衝撃を受けた。

私は「恋愛」というジャンル設定にまんまと騙されていた。
それも、彼の計算通りだったのだろう。

この衝撃は初読でしか味わえないと思われるかもしれないが、そんなことはなかった。
何度読み返したことだろう。
結末を知っていても、読む度に衝撃を受けてしまう。
作品が生まれてから2年ほど経つらしい。
しかしこの作品は全く色褪せない。
きっとこれからも読者に衝撃を与え続けるのだろうと私は思う。







最近は

最近、彼はよく詩を書いており、書いた詩を私に読ませてくれる。
先程、彼の強みはキャラクター作りと述べた。
しかし彼には表現力もあるのだ。
詩になるとそれがより際立つように思える。
まだネット上に彼の詩は公開されていないが、公開されるときが来たらぜひ読んでみてほしい。

おわりに

初めて『初デート前レター』のレビューを書いてから1年以上経った今、その作品について前よりも深く述べられるようになったと思う。
彼の作品は他にも色々あり、どれも面白い。
いつかどこかで他の作品についても述べられるときが来たらいいと思う。

新作を書く度「新たな一面」を更新し続ける三嶋悠希。
次はどんな表情を見せてくれるのだろう。
良きライバルとして、これからも彼の活躍を見守っていきたい。

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