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一面の水田を見ると、なぜかほっとする/旅の風景

千葉県の海辺にいる。海岸まで自転車を走らせていると、突然一面の田んぼに出会った。海まではあと10分も漕げばつくだろう、ラストスパート。一直線の道路の両側は、水を張った水田だった。こんな海辺でも稲が育つことをはじめて知った。

田んぼをみると、なんだかほっとする。視界いっぱいの田んぼなんて見たら、それは透き通った海や絨毯のような花畑を見つけたのと同じくらいの、感動に近い感情になる。

この自分の習性が食い意地の張った根性からなのか、前世の農民の血が騒ぐからなのかは分からない。もしかすると、斜面だらけの地元、富士宮にはない平地を象徴する風景が、ただ物珍しいのかもしれない。

鏡のように風景を写す水を張った田んぼ、刈り取られた稲が小人の家のように干してある田んぼ、整列した若草色が愛らしい田んぼ、深呼吸したくなるほど青々した稲が育つ田んぼ、風が吹くたびにきらめくように見える稲刈り直前の田んぼ。どの田んぼも情景であり、心を落ち着かせてくれる。

いつか定住するなら、田んぼが身近にあるまちがいい。


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