「自由」は誰にとっても"いいもの"ではない時がある
どうも。藁科侑希(わらしなゆうき)です。
普段は大学教員やスポーツ現場でコーチやトレーナーをしております。
今日が343日目のnote投稿です。
本日のタイトルは取り方によってはとても過激な思想になるかもしれませんが、そんな大層なことではなく。
授業の中で、「自由時間」を設けたのですが。
それに対しての反応が学生ごとに異なって。
やはり「自由」が不自由もしくは満足感の低下につながることがある人もいる、という気づきのようなものです。
今日はそんな、自由やルールについてのお話。
●自由が生む"不自由さ"とは
私は大学の体育の教員をしておりますので、実際によくある場面を書きますと。
わらし「じゃあ今から20分間自由にやっていいよ」
学生A「えー、自由って言っても何やったらいいかわかんないです」
学生B「自由になると、気を遣わなきゃいけないんですよね…次は自由は無しでお願いしますね!」
こんなやりとりがあります。
この会話から読み取ることがあるとすれば、2つで。
1. そもそも自分が持ち合わせている(自由にできる)、スキルや動きのノウハウが備わっていない【初学者の特徴】
2. 仲があまり良くない人とも、少なくとも自分からアプローチするようなコミュニケーションが必要となる【他者との接触ストレス】
この2つが大きな理由なのだと感じています。
それでは、その2つをそれぞれ考えてみます。
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1. 「初学者の特徴」が自由を拒む
初学者、初心者とも言いますが、得てして"やり始め"や知識・経験が浅い段階では、『自由にできる範囲や質・量がとても狭く少ない』ことがあります。
そもそも自由にするための材料がない、と言い換えてもいいのだと思います。
基本となる技術の習得ができていない、楽しくなるためのベースの部分が身に付いていない。
すると、自分にできること、というのはとても限られてしまいます。
そのために、急に「自由」と言われても、困惑して何をしていいのかわからない。
応用として何がどう楽しめるものなのか、すぐにはわからないという人もいるのだと思います。
スポーツはこの特徴が特に顕著で。
基本ができていないと(ラケット系では「続ける」という基本概念)、そもそも楽しくないですし、そこから技術や戦術の派生といった、応用やルール設定での変化が望めません。
こうしたことから、体育・スポーツでは「試合形式」を繰り返すことで習得する技能もあるのですが。
このような「自由度」を自身が担保できるための、『基本技能』の習熟が不可欠なのだと思っています。
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2. 「他者との接触ストレス」が自由での満足度を下げる
また、体育やスポーツは"自分ではない誰か"と半強制的に関わることが求められることが多いのも特徴ですよね。
そのために、”いつもの自分”では絶対に関わらない、口を交わさないような人ともコミュニケーションを取る必要がある、ということがあります。
これが強烈なストレスになるような学生もいますし、苦もなく行う学生もいます。
「コミュニケーション能力」といってしまえば一言で終わってしまいますが、こちらはそれで済ませない方がいいなと思っていることでもあります。
以前に体育嫌いの学生についての記事を書いたことがあります。
私はどちらかといえば、いやむしろ積極的な体育・スポーツ好きだったので、見えていても見えなかったように振る舞っていましたが、体育・スポーツ嫌いの人は比較的大勢いて。
その人たちも含めて、その空間・時間の満足度を調整するのか。
これが教育がわの責務なのだろうな、と最近では強く思うようになりました。
上記の記事のように、オンラインであると、1対1でとても雄弁にレポートで自身の考えを述べてくれていたりもします。
これは、これまでの教育体系では埋もれていた意見だと思いますし、引き出しえなかった部分なのだと思います。
スポーツの魅力は人との関わりであることもありますが、それ以外の部分も確かに存在します。
そのためにも、一人一人がどのような考えで取り組んでいるのか。
「自由」と言われた時に、ストレスに感じる側がどれくらいいるのか。
むしろ、こちらがうまく誘導するように、ルールや環境を用意した方がいい、という場面もとても多いのだと思います。
こうした、自身と学生たち一人一人、そしてスポーツや運動を、「どう繋ぐのか」をこれからも考え続けていきたいなと思います。
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今日はここまで。343日目おわり。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それではまた明日。
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【保有資格】
博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
NSCA認定パーソナルトレーナー
高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
赤十字救急法救急員
【現在の大学担当授業】於:東京経済大学・千葉大学・東洋大学
<体育実技>
●バドミントン ●卓球 ●バレーボール ●トレーニング理論実習 ●フィットネス
<ワークショップ科目>
●テーピング・マッサージ実習 ●スポーツ医学理論実践
<講義科目>
●健康の科学a ●健康の科学b ●スポーツとの出逢い
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