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直感的機能解剖のすすめ

今日は私の尊敬する先生でもある、大山卞圭吾先生の著書から。

冒頭のChapter0部分を一部だけ抜粋します(以下の背景色が変わっている部分が引用です)。
私が機能解剖学や解剖学について、現場でどう考えているのか、あるいは選手にどう伝えているのかを模索していた時に、ハッとさせられた部分でもあります。

スポーツに携わる方、指導者の方、トレーナーの方は必読と言っていいほど、オススメしたい本です。

●堅いことを言わずに、「何のために?」を前面に

われわれの身体、とくに運動器は実に200余りの骨と600を超える骨格筋(筋肉)によって構成されています。
〜(中略)〜
われわれの身体は、ヒトという動物が現在の種に至るまでの間に経た環境とのやりとりや、それによって生じた機能的な欲求をみたす過程で獲得した形質ということができるでしょう。
〜(中略)〜
しかし、機能解剖学的な視点で物事を考えるときには、堅いことを言わずに、「何のために?」「何で?」を前面に出して理由づけをしてみるのがよいと考えます。
そのような視点で、われわれの身体の構造がうまくできていることを実感し、自分なりの説明をつけたときに、その構造をもっとうまく使う方法についてのアイデアが生まれたり、その構造に宿る機能をうまく組み合わせてみたり、その構造を守る工夫が生まれるのではないでしょうか。

上記の抜粋部分が大山先生の指導や教育の中にも表れていて、以前に課題研究のご指導をいただいたときにも同様のことをおっしゃっていたな、と思っておりました。

ヒトの身体は非常にうまくできています。
ヒトの進化の過程で、どうパワー伝達がいい構造になるのかが変化してきており、力発揮が得意な部位や筋繊維の比率が異なるようなこともあります。

それを、頭の知識だけでなく、「なぜ?」を「実感」「体感」として身体を動かす中で感じることが大事だなと常々思っています。

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●観察から得た事実が機能的な洞察に

特に、「大山先生らしい」と思ったのが、以下の部分です。

このような構造や働きは、複雑すぎてとっつきにくいと感じるひともいらっしゃるようですが、当然ながらその営みはわれわれの身体の中、ときには手で触れられるものです。
解剖学の知識を確認するときに、難しい本を読まなければならないのではないかと思われがちですが、実際にその疑問の答えは直接触れられるものが多いのです。
「答えは身体の中にある」のです。
ちょっと興味を持って触れ、事象をよく観察・分析し、工夫してみることで非常にたくさんの情報が得られるものです。

よく、大山先生がおっしゃっていたのは、「自分で動かして、感じてみること」「どうなっているのかを触れながら確かめること」だったかと思います。
これを書籍で丁寧に紐解くと、上記のような記載になるのだな、と改めて体育専門学群のときに大山先生のご指導を受けることができて大変よかったと振り返っています。

頭でっかちにならずに、自分の身体で試してみる、感じてみる。
その上で、知識をつけて、また身体を動かして、感じてみる。
この繰り返しで、身体への理解が深まり、そして指導する上での「指導語」や知識の応用部分ができていくのだと思っています。

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●「答えは身体の中にある」

解剖学のことを言われたら、まず教科書を持ち出すのではなくて、自分の身体で試す、考える。
その際たる例が、大山先生の書籍のChapter0の最後にあった文章です(下記引用部分参照)。
これには、凝り固まった頭を解してもらった実感があります。

「椅子から立ち上がるときに働くのは、大腿前面の筋群ですか?後面の筋群ですか?」という質問に答えるにはどうすればよいでしょうか。
この質問を受けて、あわてて運動学の教科書のページを繰った人は勉強のし過ぎですよ。答えは簡単です。両手で大腿を前後からつかんで立ち上がってみればよいのです。

立ち上がり方を変えれば、触れる筋の緊張の状態も変わります。あるいは、椅子の高さや目線、上体の変化でも、筋の緊張具合は全く異なることでしょう。

これが「答えは身体の中にある」由縁ですね。

繰り返しになるかもしれませんが、基礎知識として書籍から学ぶことはとても大事です。
しかしながら、運動やスポーツをする上で大切になるのは、自分の身体を動かす内観や実感といった、「生の情報」です。
これを自身がどう感じるか、あるいは選手に指導するのであれば、選手にどう感じてもらうのか。

このような点を、理論と実践を行き来する中で習得し、獲得することがスポーツの現場では求められるのだと思います。
どちらかだけに比重を置くのではなく、どちらもうまく活用すること。

筑波大学で学んだことは、この両輪が伴うことで、現場での指導がスムーズに進み、より質の高い指導ができるのだということでした。

今後も、桐の葉の心を持って、精進していきます。

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今日はここまで。

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●藁科 侑希(わらしな ゆうき)
 大学教員として、教育・研究現場で活動中。また、スポーツ現場でもトレーナーやコーチとして活動。選手や学びたい人にとって、最良のアドバイザーであることをモットーに、肩書きにとらわれない現場目線のサポートを模索中。 #西野亮廣エンタメ研究所 サロンメンバー

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博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
NSCA認定パーソナルトレーナー
高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
赤十字救急法救急員

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