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読んでみました中国本(更新終了)

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※当マガジンは2017年12月末をもって更新を終了致しました。2018年1月からは「月刊『読んでみました中国本』」(http://bit.ly/2zZjM55 200円/月)をご…
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#中国語

【読んでみました中国本】「対岸の火事」と思う人こそ読むべきお話:温又柔「真ん中の子どもたち」

今年の芥川賞候補作となった作品ですね。以前も書いた通り、わたしはおとなになってから小説をほとんど読まなくなってしまったので、この本の存在に気づくのも遅かった。気づいたのは、何を隠そう、芥川賞が決定して日頃中国に関わる知り合いたちがフェイスブック上で残念がっていた時だった。

…遅すぎやろ。はい。

でも、その時初めて「温又柔」という作者の名前を見て、「ペンネーム? にしてはこれまた…」と印象に残っ

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【読んでみました中国本】川崎有三「東南アジアの中国人社会」

「東南アジアの中国人社会」川崎有三(山川出版社)

「海と陸のシルクロード」構想によって、西へ西へと歩を進める中国。昔から良くも悪くも付き合いの続く東南アジアでは、我々の目にはよく映らない動きをしているようだ。折しも南シナ海裁定では、それをきっかけに「法の支配」をASEANで主張する日本に対して、裁定当事国のフィリピンの協力を取り付けたという話も聞かない。独特の協調策を模索する東南アジア諸国と中国

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【読んでみました中国本】ハウ・カロライン/白石隆「中国は東アジアをどう変えるか」

【読んでみました中国本】ハウ・カロライン/白石隆「中国は東アジアをどう変えるか」

◎「中国は東アジアをどう変えるか 21世紀の新地域システム」ハウ・カロライン・著/白石隆・編(中公新書) 

習近平の「一帯一路」政策を理解するためにまず必要なのは、東南アジアに対する理解。華人・華僑と呼ばれる「アングロ・チャイニーズ」たちはいかに今の「中華人民共和国」を受け入れるのかも重要。日本利益のフィルターを通さずに読むアジアと中国の関係は貴重。

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