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合唱曲『遅すぎないうちに』から学んだこと

合唱曲も、地域によって教わるものがちがうらしい。

そんなことをはじめて知ったのは、
突然、夫と合唱曲の話をしたからだった。

私は北海道出身だ。
習った合唱曲といえば、

【翼をくさださい】
【マイバラード】
【怪獣のバラード】
【Let's search for Tomorrow】

すくなくとも今思い出せるのはこのくらい。
もっとたくさん習ったかもしれないけれど、
私の記憶の中に残っているのは、中学校で習ったこの4曲ぐらいだ。

合唱曲の話題になんて、
そうそうなるもんじゃない。

社会人になってからも、
会社勤めをやめてからも、
誰とも合唱曲についてなんて話したことがなかった。

それにも関わらず、
夫が切り出した、合唱曲についてのひとことが、
私の中で実は大きなうねりとなってしまうのだから
人生は本当に何が起こるかわからない。

夫のひとことは、こうだった。

「『遅すぎないうちに』っていう合唱曲、
あの歌が人生のモットーかも」

合唱曲が人生のモットーになる?
偉人や成功者の言葉ならいざ知らず。
……合唱曲?

私はその日の夕飯を作りながら、
夫の言葉に「へぇ~」という相づちしか打つことができなかった。

夫はすぐに、『遅すぎないうちに』を
Youtubeで流してくれた。

なるほど、メロディはよかった。
だが、どんな歌詞なのかまでは意識がいかない。

シングルタスクの人間が料理を作っているのだ。
「メロディがいい」という感想を抱くだけでも、すごいことなのだ。

「あぁーだめだ。泣きそうだから止める」
突然夫が動画を止めた。


「合唱曲で泣けてくるのか」

そう思ったが、
ドラえもんの曲で泣けてくる自分のことを思い出し、口をつぐんだ。
人にはそれぞれの琴線があるのだ。

ーーその日の夜。
子どもが珍しく早く寝てくれた。

いつもは子どもを寝かしつけているあいだに、
自分も寝る時間……
なんてことがザラなので、突然与えられた”自由時間”に困惑した。

「あ、そうだ。歌詞調べてみよう」

待ちにまった自由時間。
やることなんてたくさんあったはずだ。
読書をしてもいい、ブログを書いてもいい。

そんな自由時間に私が選んだのは、
『遅すぎないうちに』の歌詞を調べることだった。

ところが、
その歌詞は、その合唱曲は、
確かに人の心を揺さぶる力があった。

なくしてしまってから その大切さに気づいて
悔やんだり 悲しんだりしても遅すぎるよ

もしかしたら 一番この世で大切なものは
ふだんあまり身近すぎて 気にもとめていないかも

今あるすべてのものは 当たり前なんかじゃなく
今あるすべてのものが 奇跡的にあるとしたら
君はどうやってそれを守るだろう

おそすぎないうちに まにあう今のうちに
できるかぎりのことをしよう
生まれてこられた お礼に


なくしてしまってから そのあたたかさに気づいて
悔やんだり 悲しんだりしても遅すぎるよ

もしかしたら 一番この世で大切な人は
当たり前と決めつけてて いると疑わないかも

生きているすべての人は なんとなくなんかじゃなく
生きているすべての人が ぎりぎり生きているとしたら
君はどうやってそれを愛すだろう

おそすぎないうちに まにあう今のうちに
できるかぎりのことをしよう
生まれてこられた お礼に

「 おそすぎないうちに 」 作詞・作曲 中山真理


「なくしてしまってから その大切さに気づいて」

一行目からもう泣かしにきている。
(歌をつくった人はそんなことは考えていないと思うが)
この一行目から、私は自分の心が揺り動かされたことを感じた。

そう。
私たちはいそがしい毎日に追われて忘れがちになる。

大切なものがすぐ近くにあること。
その大切なものはあって(いて)当たり前なことではなく、
いろいろな奇跡や縁が重なり、いま自分の目の前にあること。

ふと、後悔していたいろいろなことが脳裏をよぎった。
最期に立ち会えなかった、大好きだった愛猫。
ひとこと声をかければ何か変わったかもしれない、友人との関係。
自分の配慮が足りず、傷つけてしまっただろうたくさんの人々。

そんなことを思うと、
なぜだか突然、涙があふれてきた。

『遅すぎないうちに』
この歌詞を知っていたら、私の行動もすこしは変わっていたのだろうか。

しょせんは”タラレバ”。
いまさらそんなことを考えてもどうしようもないし、
当然過去が変わるわけではない。

でも、この日、この時、
『遅すぎないうちに』という合唱曲の存在を知ることができたのは
私にとって大きな収穫だった。

実は、私はたくさんの後悔を積み重ねてすでに知っていた。
大切なものは、失ってからはじめて気づくということに。
その後悔の積み重ねがあってこそ、今がある。
私自身もたくさん傷ついてきた。

何か選択を迫られた時、私はいつも過去の後悔を思い出し、
その古傷の痛みをしくしくと感じながら選ぶことがある。

だが、今後は古傷を思い出すのではなく、
まずは『遅すぎないうちに』を思い出せばいいのだ。

もっと昔からこの合唱曲を知ってさえいれば、
自分の傷は最小限に抑えられたのかもしれない。

きれいなメロディラインとやさしい歌詞。

この2つを思い出すだけで、
私はきっと今後も守っていける。
失いたくない大切なものや、大切なひとを。

おそすぎないうちに まにあう今のうちに
できるかぎりのことをしよう
生まれてこられた お礼に

「 おそすぎないうちに 」 作詞・作曲 中山真理

残りの人生が、あとどれくらいあるかわからない。
それは誰だって同じ。
だからこそ、今この時から行動は変えられる。

大切なもの、大切なひと。
自分の身近にある”大切”を、この手で守っていこう。

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