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カナダでお茶のワークショップやってみました

カナダ生活11年目に突入したWakei です。

ずっ~と悩みの種だった「お茶のワークショップ(The Chado Tea Ceremony - An Introduction to Japanese Culture)」が先日終わりました。

やった~!

市運営のカルチャークラスで、こちらの記事に前回の様子を書いています。こちらを読んでいただけると概要がよくわかると思います。

今回のポイントをお伝えしたいと思います。ご自分が茶道を紹介したいときの参考にしてください。

外せない”和敬清寂”

説明する内容については、どこをメインして、どこを言わないのかを毎回変えていますが、やはり外せないのが、「和敬静寂」の説明です。

「和敬清寂」には茶道の思想、利休の思いが凝縮されています。「異国風の珍しい道具を使ってお茶を点てるのを見る」だけでは、いくら綺麗なお点前であっても退屈になりそう。和敬清寂を知った上でお点前を見てお客様を体験するのでは、違うと思いますよ。

和敬清寂を説明すると、「お点前を見ることは自分の心も整えること」と「五感を使って楽しもう」と参加者に少しは思ってもらえます。

遠州流のお点前は私にとっても新鮮でした。綺麗です。


”拝見”(道具の鑑賞)もやってみました

今日の茶道のデモンストレーションは、茶道教授免状保持者で遠州流の友人Aki さんにお願いしました。

おかげでお道具の拝見(茶道の鑑賞)のデモンストレーションもAkiさんと私でやることができました。

Akiさんなら、拝見もスムーズにこなしてくれますし、Akiさんの茶道具は木箱入りの作家もので、拝見にふさわしい。

小さな茶道具を丁寧に鑑賞・拝見するところを見てもらうと、茶道で使われている道具が、いかに大切なものか、なぜ丁寧に扱わなければいけないのか、をより理解してもらえます。

皆さん真剣にお点前を見てます。


お客様をやってみましょう

参加者にはお客様の作法をお教えしますが、本番のお点前中に上手くできないものです。とりあえず、「丁寧にお茶碗を扱ってもらうこと、お茶の味を楽しんでもらうこと一番」でやってもらいます。

点てる側の注意点はやはりお湯の温度。お湯がぬる過ぎるのを気にして、熱すぎると綺麗にお茶は点ちますが、お客様はすぐに飲めません。今回はまさにそうでした。

利休七則の一番の「茶は服のよきように点て」は本当に一番大切で難しい。

抹茶アート体験

今回、初めて「抹茶アート体験」をプログラムに入れてみました。

やはり見てるだけよりも何か自分の作品を作くれるのは、楽しいもんです。

ここで参加者の皆さんに一言、

「たとえ茶道用の抹茶、茶道の茶筅を使ってお茶を点てたから、と言ってそれが茶道ではありません。抹茶アートはあくまで、遊び事ですよ。」

とお断りしました。

これについては、導入部分で茶道を説明してますので、皆さん、大きく頷いてくれました。

茶道の緊張した雰囲気から、気分を一新。皆さん、リラックスして楽しんでました。

こんな感じ

できあがったそれぞれの作品を嬉しそうに写真を撮っていたのが、印象的でした。抹茶アートを取入れたのは大成功でした。


茶道、着物、抹茶、日本、異文化に興味を持つきっかけに

私のワークショップが、少しでも茶道や着物、抹茶、日本、ひいては異文化に興味を持つきっかけになればいい、と私は思っています。

私は茶道を教えることもできませんし、ちゃんとしたお茶室も素晴らしいお道具もありません。ですが、茶道の楽しさや茶道の断片を紹介することはできます。

私がもし日本にいたら、私が紹介する必要もありませんが、カナダの私の町では、茶道に触れる機会がありません。
抹茶味、抹茶、抹茶ラテは身近になってきましたが、茶道を曲がりなりにも体験できる機会もなければ、茶道用の美味しい抹茶を知らない人が多いのです。

帛紗のだらしなさがと襟の乱れが気になります。(涙)

私のワークショップで、「茶道ってなんかいいな」、「茶道って堅苦しいばかりじゃないんだ」、「そんな意味があったのか」、とか「私も日本に行ったらお茶会に行ってみたい」、「異文化ってオモシロイ」、「美味しくて心と体にいい抹茶をもっと飲んでみたい」、「きょうは参加してなんかいい気分」と思ってもらえたら、すごく嬉しいのです。

抹茶の魅力も伝えたい

さらに今回を終えて、茶道の魅力、日本の文化の魅力を伝えることはもちろんですが、抹茶の魅力ももっと伝えたいと思いました。

なぜなら、海外で茶道を学ぶ機会を得ることはかなり難しいことで、ほぼ無理。でも美味しい茶道用抹茶を購入、頂くことはできます。

海外では茶道用抹茶の取扱いは少なく、現地でもネットでも結局2倍以上の価格になり、購入も気楽ではありませんが、海外でも飲むことは可能です。

「大切なお抹茶をそんなお気楽な遊びに使うなんて」と不謹慎に感じる方もいらっしゃるかもしれません。私は初めはそう感じました。でも、製菓用の抹茶では上手くできないのです。

抹茶は海外ではより高価なので、こうした遊びのために抹茶を使うことは、皆さん、実際しないと思います。

茶道のワークショップで、逆に「茶道用抹茶は茶道のためのもの」「私には関係ない」と思われるのは惜しい。今回の抹茶アートで参加者の皆さんには、抹茶に近づいてもらった気がします。

美味しい抹茶の手間暇や美味しさに感謝しつつ、抹茶をもっと身近に感じてもらえて、抹茶を自分で点てる、ストレートで飲む、なんとなく落ち着く、飲むと元気になる、そんな実践可能な抹茶の楽しさに関心を持ってもらえたらなぁ、と思います。


独り言

ワークショップ開催日が間近になると「準備に時間も掛かるし、ストレスフルだし、もう絶対次回はやらない。」と思うのですが、
終ると「また次回もやってみようかな?」なんて気もしたり。

一見、割が合わないと思えるワークショップですが、やっぱりお金では買えない、達成感や思い出をしっかり返してくれます。

次回は未定ですが、おもしいろいろアイディアがまとまってきたら、やりたくなってしまうのかもしれません。

どなたかの参考になれば幸いです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


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