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ポリーの静かな生活

なんとなく気になっていた友人ポリーに連絡してみたら、思いがけず連絡がとれて、さっそく彼女のところに遊びに行ってきました。
本土に行ったと思っていたのにバンクーバー島にいたとは。

3年ぶりの再会。
なんでも携帯を無くしてみんなの電話番号も失くし、連絡が取れなかったらしい。

相変わらず元気な70歳。
3年前よりもちょっと若くなった気がしたので聞いてみると

「タバコを辞めたし、お酒も一切飲まない、ジャンクフードもお菓子も食べていない。だから今はヘルシー」

だとか。なるほど。

差入れにドーナツを買っていたのに「私は食べない」って。

今は92歳のジョンのケアギバーとして彼の家で2人暮らし。
ジョンの食事や薬、お洗濯や家の管理も多少しているそうです。

カナダでは持ち家に一人暮らしのシニアも多く、家族は時々来ますが、食事やお洗濯といった日常の家事、薬の管理などは住込みのケアギバーを雇っているケースも珍しくありません。


この下が湖

しばらくポリーと2人でデッキで話をしてたら、ジョンが起きてきたのでポリーが軽食を準備しだしました。

ジョンはアルツハイマーで記憶が難しいようですが、トイレも食事も着替えも一人でできます。新聞を読んだり、お茶を飲んだり、テレビを観たり、あとはよく寝ているそうです。

穏やかなジョンは今のところは何も手が掛からないらしい。

背の高いジョンがシャツにベルト付きの半ズボンを履いて、きちんとした格好で現れたのにはびっくりしました。

私の休みの寝起きの朝の方がよっぽどひどい。

挨拶をして握手を求めるとすごく嬉しそうに笑ってくれます。

この右上の人形は丁度湖を見てる感じです。

ポリーが食べなかったドーナツをジョンと私で食べて、抹茶を点ててあげるとゆっくりと時間を掛けて全部飲んでくれました。

ポリーが

「ジョン、抹茶、全部飲んだの?」

と驚いていました。

ポリーの手作りのサンドイッチとチョコレートムースを美味しそうに食べるジョン

ジョンが食事を済ませ、経済新聞をおもむろに読みだしすとポリーが

「プラムを取りに行こう!」

と私を誘いました。

そしてポリーがガレージから熊手とバケツを持ち出してスタスタ歩いて行くので、ついていくと1ブロック下の一軒家に着きました。

前庭にはリンゴの木とプラムの木があり、リンゴは害虫にやられていましたが、プラムは今が食べごろです。

ポリーが高い枝に熊手を引っかけて枝を下に引っ張って低くなったところを私が枝に付いたプラムをもぎ取ります。

ご近所プラム狩り!

楽しい!

なんでもこの家の中国人の若い夫婦はこのプラムに興味がないらしく、ポリーが、「取ってもいいか?」と聞いたところ「どうぞ」と言われたらしい。

プラムをもぎ取りながら食べたら、すごく美味しくてびっくりしました。

プラムってお店で買っても酸っぱくて、美味しいと思ったことがなく、このプラム狩りもあまり乗り気ではなかったんですが、旬に食べるとこんなに甘いんだ、と初めて知りました。

道端で歩きながら食べるブラックベリーもブルーベリーファームのブルーベリーもお店で買うものより断然美味しいのです。

お店の果物も野菜も旬にタイミングよく食べるのは難しいんでしょうね。
本来の旬の美味しい味を知らずに嫌いになっていましたよ。

いつの間にかバケツの中のプラムも十分な量になりました。

欲張りすぎないのがいいところ。

ポリーを知ってからもう9年。

出逢った当時はまだリタイヤ前でポリーは仕事が忙しくて、結構な確率で不機嫌気味でした。

ですが長年働いていた職場をリタイヤしてから、独り身のポリーは適度に働くというスタンツで4回も引っ越ししています。

鮭の大量にあがってくる川辺の家だったり、クマがリンゴを食べにくる農場のようなところだったり、ご近所もいないような山奥だったり、引っ越しの度に仕事も新たに見つけてきます。

そして今回は湖を見下ろすお家です。

デッキで花の面倒を見たり、野菜作りをしたり、時間を掛けて料理をしたり、今まで以上にすっかり穏やかに静かに暮らしています。


変わったなぁ、ポリー・・・・

ポリーが世話しているプランターがたくさんありました

と思ったら、

この仕事が一段落したら、もっとアクティブな仕事をするんだって。

今の状況もだんだん退屈になってきたらしい。

やっぱりそうか・・・

充分休息してすっかりヘルシーになって英気も溜まってきて、そろそろムズムズしてきたかぁ。

70歳独身のポリーの静かな生活はまだまだ先のようです。

眼下には湖、そして山並み、景色最高!




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