わかおの日記118
整骨院へ行くためにバスに乗った。西武柳沢から吉祥寺へと向かうバスは主に運転免許証を返納した後期高齢者の移動手段となっているので、うかつに席に座ると高齢者の座席カツアゲに見舞われる羽目になる。
だいたいバス内にはほぼジジババしかいないのだから、ぼくがここで席をたって、任意の老人に席を譲ることは不公平を産むのではないか。不公平を産むくらいなら、ぼくが座っていた方がいいのではないか。
いやそもそも最大多数の最大幸福の原理に基づくならば、ぼくが席を立つことで感じる不幸は、席を譲られない老人のそれに比べて上回るのだから、この場合席を譲らないことが正義にもとる行為なのではないか。そんなことを考えながら寝たフリをして目的地までやり過ごした。精神的に非常に疲れた。
整骨院では褒められて気分が良くなった。投球に関する話を聞くのは非常に楽しい。5回くらい通ってようやく整骨院の人が言っていることの意味が分かるようになったので、嬉しかった。こんなに勉強していて楽しいことはないので、本当なら投球フォームについて大学で勉強したいくらいだ。早稲田のスポ科を受ければよかった。
家庭教師に行った。家庭教師では最近、作文を教えている。今日は「1番つまらないと思う授業について」「先週あった面白いこと3つ」「スポーツを通じてよりよい人間をつくるという考えについてどう思うか」という三本立てでやった。作文はやはり自分が本当に思っていることでないとなかなか気が乗らないので、本題に入る前に助走をつけてやることが大切である。「1番つまらないと思う授業」は傑作で、非常に論理的に先生の悪口が書けていたので感心した。こんなことでお金をもらっていいのだろうか。
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