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『和華』(日中文化交流誌)
2020年4月22日 18:52
文・写真:田中昭三洞門 中国の古典園林は、皇家園林、私家園林、寺観園林に大別できる。蘇州の古典園林は多くが私家園林である。 私家園林では限られた敷地をいくつかの景区に分け、庭に変化をつける。各景区は壁で区切られることが多く、壁には円形の「洞門」が開けられる。この洞門は中国の故事「壺中(こちゅう)の天」を連想させ、洞門を潜るごとにどんな景観が展開するのかとわくわくさせる。 洞門の技法は亭
2020年4月13日 16:49
(構成・文:田中昭三)三尊石組日本庭園は自然石を組み上げて景観を造る。石組の基本は「三尊石組」である。大小3つの石をバランスよく組む。『作庭記』には、まず「おも石(中心石)をひとつ立て」、次に「その石の乞はんに従ひて」立てるべきだと説く。まるで石に「意思」があるかのようだ。「雪舟が組んだ三尊石組が普賢寺(山口県光市)にあります。中心石を見るとそれ自体北宋山水画を連想させます。雪舟は中国明から
2020年4月13日 16:06
(構成・文:田中昭三)曲線の池庭園に大きな池を造り、島を築く。この庭の定型は中国古代の秦・漢時代に始まり、そのまま日本に伝わった。ここでは池の形に注目したい。日本庭園の池はほとんどが曲線状である。曲線化はすでに飛鳥・奈良時代に始まり、時代とともに複雑になった。出島(池に突き出した半島)が多く、庭全体に遠近感をもたらしている。曲線は柔らかな印象を与える。絵画にたとえれば大和絵風ともいえる。な