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曖昧な状態の考えを因数分解する #104 ロジックツリー

考えてばかりで、行動できない人には、いくつかの特徴があると考えます。
その一つが、行動意欲はあるものの、考えが整理できずに、結果、何をして良いか分からずに行動できない人です。

曖昧な考えは、ロジックを構築する必要があります。
ロジックとは、論証の筋道、あるいは、議論の筋道・筋立てとされています。

考えが曖昧な場合、物事を大きく捉え過ぎている場合があります。
マネジメントの手法に、PDCAサイクルがありますが、大きすぎると、PDCAは回せませんし、仮に回せても非常にゆっくりとなってしまいます。

そこで、必要なのが、数学でいうところの因数分解です。
その手法の代表的なものが、ロジックツリーです。

ロジックツリーは、問題を解決しようとする際に、本質的な問題がどこにあるのかを絞り込む場面や本質的な課題に対して解決策を考える場面で上位概念を下位の概念に因数分解していくための思考ツールです。

ロジックツリーには、いくつかの機能があるとされています。

まず、一つ目が目標と課題の解決策を探るためのHow機能(How?ツリー)です。
戦略と戦術の関係など、組織の方向性を可視化、共有させることができます。

例えば、目標を達成させるためならば、最初から大きな目標そのものを掲げても対策を講じることは困難です。
そこで、ロジックツリーを活用して、大きな目標を論理的に小さな課題に分解し、「How?(どうやって?)」で、より具体的な行動に落とし込みます。

まず、目標をKGI(Key Goal Indicator)に指数化します。
KGIとは、「重要目標達成指標」のことであり、目標を達成するための具体的な計画です。

次にKGIを、KSF(Key Success Factor)に分解します。
KSFとは、「重要成功要因」のことであり、KGIを達成するための方向性であり、戦略と捉えることができるかと思います。

さらに、KSFをKPI(Key Performance Indicator)に分解します。
KPIとは、「重要業績評価指標」のことです。
営業であれば、KGIを達成するための商談件数などの活動指標のことです。
つまり、KPIは、仮説として、それをやり切ることで、KGIを達成できるものでなければなりません。

また、ここで大切になってくるのがロジックが構築された思考として重要な縦の論理と横の論理です。
縦の論理では、KGIから分解されたはずのKPIが、そもそものKGIを達成するため値するものなのかを追求する必要があります。
また、横の論理では、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:ミッシー)とも言われる通り、すべきことに漏れや重複する事項はないのかを確認します。

ロジックツリーのもう一つの機能は、複数の問題の根本原因を分析したり、逆に一つの問題を構成する複数の原因を漏れなく分析するためのWhy機能(Why?ツリー)です。
製造業の現場におけるカイゼン活動で活用されることが多い手法です。

そもそも、KPIをやり切ることで、KGIを達成するはずでした。
KPIをやり切らずに、KGIを達成しなかったのであれば、それは、ロジックツリー以前の問題かもしれません。
ところが、KPIをやり切ったにも関わらずKGIを達成することが出来なかった場合の原因は、KSFに中にあると考えられます。

問題を解決するには、KSFの中にある問題の原因を具体化させることが重要となります。
ところが多くの場合、問題原因ではなく、問題の事象だけを揚げて終わってしまう場合が少なくありません。
結果、表面上の事象に対して、場当たり的な対策を講じたところで解決には繋がらない上、逆に新たな問題が生じる可能性すらあります。

そのため問題の原因を具体化させるためにロジックツリーを用いてWhy?(なぜ?)で追求して行きます。
問題原因は、1つである場合もありますし、複数である場合もあります。
また、問題原因を見落としてしまうと、その効果が半減するどころか、まったく効果を得られなかったり、逆効果になる場合もあります。
それ故に横の論理であるMECE(漏れなく・ダブりなく)を特に重要視しなければなりません。

この他、散乱した情報を分類整理してアクセスし易くまとめる手法としてWhatツリーがあります。

ロジックツリーによるロジックの構築は、もちろん、一人で行って構いません。
しかし、様々な切り口の発想を引き出したり、MECEを考えると、複数の関係者で、ブレインストーミングしてみることもお勧めします。

ブレインストーミング(Brain Storming)とは、アイデアを出すための手法の一つです。
参加者がそれぞれの切り口でアイデアを出し合うことで、その相乗効果から発想の幅と発展を高める効果があります。

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