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主張に論拠を持たせる #99 ロジックの構築

人は一人で成せる目的には限界があります。
それ故に、より大きな目的を達成させるために、同じ意志を持った個人が集って組織を形成します。

組織においては、その目的を果たすために、互いに価値観を共有することが大切になります。
ところが、実際には、何を伝えたいのか言っていることが支離滅裂な人、あるいは考えの収拾が着かずに上手く伝えられない人、更には、そもそもの伝えたいことを見出すことができない人も少なくありません。

自分の主張を他者に受け入れてもらうには、まず、ロジックを理解してもらう必要があります。
その上で、それが、他者にとって必要なものであることを納得してもらわなければなりません。
ロジックとは、論証の筋道、あるいは、議論の筋道・筋立てとされています。
故にロジカルであるとは、主張に対しての説明の道筋が正しく通っていることです。

また、特定の人だけがロジカルでも意味はありません。
よって、如何に、その組織の中で、ロジカルシンキング(logical thinking:論理的思考)を浸透させるかも重要になってこようかと思います。

そもそも、人が主張を受け入れるか否かは、「本当にそうなの?」あるいは、「それだけなの?」の2つの観点で判断されます。

その主張が「本当にそうなの?」と論拠を求めることを「縦の論理」あるいは「垂直思考(Vertical thinking)」と言います。
これによって、曖昧であったり、理解し難い考えをシンプルにし、組織内で共有させ易くする(構造化)することが可能です。

しかしながら「縦の論理」ですが、一方で、斬新な発想は生まれ難い欠点もあります。
そこで、これに対して多様な視点から物事を見ることで直感的な発想を生み出す「横の論理」があります。
「水平思考(Lateral thinking)」とも呼ばれ、「それだけなの?」と漏れなく、ダブリなく(MECE:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)を求めます。

「縦の論理」が問題解決のために既成の理論や概念を深堀りすることに適しているとしたら、「横の論理」は問題解決のために既成の理論や概念にとらわれず、新しいアイデアを創造するものです。

更に、そもそもの主張を導き出さないことには、ロジックの構築もありえません。
この何を主張すべきかを考えることをイシュー(issue)といったりします。
まず、前提は、ロジックの言語化であると考えます。
どんなに優れた主張であり論拠であっても、自分の中で言語化(会話・文章)できなければ、なかなか他者には伝わりません。

その意味でも、サポートするスキルは、多岐に渡ります。
ロジックツリー、ホールパート法、ブレインストーミング、ランダム発想法、刺激的発想法、挑戦的発想法、概念拡散発想法、反証的発想法など様々です。
しかし、どれも万能ではありませんので、その状況によって、組み合わせて活用することが重要となります。

そして、スキルを身に着けて満足することではなく、それを如何に発揮してロジック構築するかです。

ロジック構築とは、一部のロジカルシンキングによる思考法を取り立てるものではなく、様々な角度から検証して、それらを論理を組み上げ、伝えることです。

参考:ロジック構築の技術 倉島保美

また、構築されたロジックであったとしても、人間である以上、主張を受け入れてもらうには感情は大切な要素です。
故に、この人間らしさを損なうことなく、筋の通ったロジック構築による主張が大切であることも忘れてはなりません。

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