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怒りが暴走してしまわないように #83 アンガーマネジメント

心の健康状態であるメンタルヘルスの不調が問題視されています。
そのメンタルを不安定にする要素の一つに怒り、あるいは苛立ちがあります。
そもそも怒りとは、喜怒哀楽という言葉がある通り、人間が本来もっている自然な感情表現のひとつです。
故に、怒りの感情がない人はいないでしょうし、それをなくすことも不可能なのかと思います。

怒りの対象は様々です。
例えば、災害などのやり場のない怒りがあります。
また、思うような成果の出せない不甲斐ない自分自身への怒りもあるかと思います。
しかし、現代社会で最も多いとされるのが、人間関係によるストレスが原因と言われています。

それでは、なぜ、怒りの感情が湧くのかです。
それは、自分が抱く価値基準に対して、対象が応えてくれない場合に出てしまうと言えます。
つまり、自分の理想と現実のギャップに対する不満が怒りとして出てしまうのです。

しかし、前述の通り、人間は怒りを無くすことはできません。
対して、近年は「キレる」で象徴される通り、怒りが暴走しての行為が社会問題にもなっています。

それらは、その行為に至った主張に論理性も道徳性もなく、感情任せな利己的な怒りであるラジカルフィードバックと呼ばれる傾向のものです。

このような怒りが暴走しないように、感情を適切にコントロールすることで問題解決を図るスキルとして、アンガーマネジメントがあります。
アンガー(Anger)とは、怒りや苛立ちといった感情のことです。
もともとはDV加害者や軽犯罪者に対する矯正プログラムとして、1970年代にアメリカで開発されたと言われており、今では広く一般的に使われています。

アンガーマネジメントは、怒りの感情をなくするためのものではありません。
翻せば、怒るべきときは、適切に怒る必要があります。
この際の怒るとは、自己満足の感情任せではなく、論理的に感情をコントロールして説きながら諭すことで、当事者を良い方向に導いてあげることが大切です。
さらに、その状況で当事者以外の周囲にストレスを誘発させないことも大切です。

また、怒りの感情を表に出すべきではないときに、頭ごなしに抑えつけると、よりストレスが溜まることになります。
よって、その場合も、論理的に、怒らないことを納得させることが大切となります。

感情任せに怒りを露わにする人は、その捌け口を周囲の人に向けることになります。
例えば、会社組織の中に、こうした人が一人いると周囲の人たちが強いストレスに晒されて、結果、パワーハラスメントの温床、コミュニケーションの低下、業績の悪化につながります。

このような傾向から企業においても、アンガーマネジメントを導入事例が多くなっています。
特に改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)
が、2022年4月より企業に対して全面施行されています。
これによって、企業は職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが義務となっております。
パワーハラスメントは、上司から部下に対するものばかりではなく、昨今では、部下から上司に対する事例も報告されており、より複雑化しているとも言えます。

アンガーマネジメントですが、私は、1度、セミナーを受講しました。
その際、まずは、自身の怒りの感情が、どの様なものかを知るためのセルフチェックを行いました。
それを理解した上で、自分の感情に支配されない様に、怒りの量をコントロールするスキルの習得に取り組みました。
その後、ステップアップとして、他者が怒りの量をコントロールできるようなフィードバック方法も学びました。
また、仮に怒りの感情を出してしまった場合でも、周囲の方々がストレスを誘発させないようにするための論理的な対象法を実践できるようなワークなども行いました。
結果的に職場のコミュニケーションを円滑にし、働きやすい職場をつくることが目的のセミナーでした。

多くの関連するセミナーが開催されていますし、多くの書籍も出版されていますので、学ばれてみることをお薦め致します。

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