VUCA時代だからこそ成長を目指す #42 成長戦略
作れば売れる時代、良いものを作れば売れる時代、バブル時代と、何かと企業は拡大路線に走る傾向がありました。
しかし、現在は、容易に事業拡大が出来る時代ではなくなりましたが、それでも成長戦略は非常に重要となります。
それは、VUCA時代とも称されるように、 先行きの予測が困難で不確実な状況にあるからです。
・Volatility:変動性
・Uncertainty:不確実性
・Complexity:複雑性
・Ambiguity:曖昧性
既存の事業における市場競争は激しくなる一方で、現在は需要のある製品やサービスでも、それこそ、明日になったら、消滅しまう可能性だってあるくらいです。
成長戦略とは、何も事業を拡大することだけが目的ではありません。
いつ目減りし、最悪、消滅するか分からない需要に対するリスクヘッジ目的からも先手先手で新規需要を創造することは非常に重要となります。
事業の成長戦略を分析する際に用いられるのが、アンゾフの成長マトリクスです。
このマトリクスでは、成長戦略を製品・サービスと市場の2軸におき、それをさらに既存と新規に分けられています。
①市場浸透戦略
既存市場×既存製品・サービス
成長戦略を推進する上で基盤となる需要です。
この需要が大きく、安定していれば、事業は安定していることになります。
逆に、ここが崩れたら事業は一気に衰退してしまいます。
故に、成長戦略で基軸となるのが、まずは、この部分の市場浸透策を徹底することにあります。
②製品・サービス開発戦略
既存市場×新規製品・新規サービス
既存市場のリソースを活用して、新製品・新サービスを開発することで、新規需要を創造する戦略です。
既存市場であることから、知名度もあり従来の商社や販路を活用した販促も可能となります。
反面、新製品や新サービスを開発するコストが必要となります。
③市場開拓戦略
新規市場×既存製品・既存サービス
既存製品・既存サービスを新規市場に提案することて需要を開拓します。
例えば、国内でしか販売して来なかったものを海外展開するのもここに当たります。
新たに製品やサービスを開発するわけではないためコストを抑えられる反面、販路開拓はゼロから行う必要があります。
④多角化戦略
新規市場×新規製品・新規サービス
他の戦略の様に既存のリソースを活用するわけではなく、全て新規で創造する必要があるので、リスクの高い戦略でもあります。
ある意味、起業したばかりの企業の多くは多角化戦略からスタートすると考えても良いのかもしれません。
以上、各企業の既存市場における既存製品・既存サービスの状態や今後の見通しによって、戦略のポートフォリオは違ってくると考えます。
しかし、漠然と事業拡大というのではなく、今後、予期することなく縮小を余儀なくされる市場があることも覚悟してのリスクヘッジ策としても成長戦略は重要であると考えます。
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