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逆境が企業を成長させる転機となる #101 レジリエンス

企業が目的や目標を達成させるための機能がマネジメントであるといえます。
しかしながら、現代は、その時は、最善策と考えられたことが、一瞬で、陳腐化してしまう程の激動の時代です。

その様な現代環境を、VUCA(ブーカ)と表現される場合があります。
それ故に、企業だけではなく、個人単位でも、その環境への対応するマネジメント力が求められる時代でもあります。

それだけに、大局的な長期戦略だけでは、先行きの見えにくい環境の変化に臨機応変な対応が困難です。
そこで、現状と短期的な将来を分析して、局所的な自助対応により、この事態を耐え、躍進に結びつける中期あるいは短期の戦略を講じて行く以外にないと考えます。
そのために求められるようになったのがレジリエンスです。

レジリエンス(resilience)とは、外的な衝撃に対する靭性、あるいは回復力であると言えます。
靭性(じんせい)とは、柳の枝であったり、釣り竿などの撓り具合だったりの粘り強さです。
また、回復力であれば、この場合は、干あがった大地から、新芽を出す植物にも例えられるかもしれません。

不測の事態によって、業績が悪化するなどの緊急事態、逆境に陥る場合があります。
その様な事態に対するリスクマネジメントとして一般的なのが、BCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)への取り組みです。
事前に不測の事態を想定して対策と訓練を行い、事態が起きてから通常の事業へ復旧するスピードを短縮します。

但し、当然ながら不測の事態である以上、これも完璧である訳がないことも想定しなければなりません。
故に企業には、最善のBCPを行った上で、レジリエンスを高めることが必要となります。

企業ですが、人材の集合体です。
そうなると、まずは、個々のレジリデンスを高める取り組みが必要となります。
具体的に、レジリエンスの高い人材とは、次の様な要素があげられるのではないかと考えます。

1.柔軟な対応力がある
不測の事態でも既成概念や固定概念に惑わされて閉鎖的になることなく、柔軟な思考と発想で対応できる能力です。

2.感情のコントロールができる
感情をコントロールして常に平常心を保つことは、レジリエンスを発揮する上で非常に大切な要素となります。
逆に、感情の起伏が激しい人は、自分の感情に振り回されてしまい、そのこと自体が大きなストレスとなってしまいます。

3.現実的なポジティブ思考を持つ
根拠のない楽観性は問題です。
しかし、論理的な仮説を元に、ポジティブに捉え、必要以上に深刻に考えて無意味に不安感を高めないことです。

4.決めたことを やり抜く力がある
決めた以上は、自分の可能性を信じて、決して諦めることなく、徹底してチャレンジし続ける、やり抜く力(GRIT)が必要です。

5.コミュニケーション力がある
個人が発揮できる能力には限界があります。
その意味でも、協力してくれる人たちの存在が欠かせません。
その意味でも、日頃から、人間関係を良好に構築しておくことが大切です。

ここにあげたのは、あくまでは、個人的な考えです。
実際には、様々な要素があるのかと思います。

企業がレジリデンスを高めることが出来たら、その逆境を躍進するためのビジネスチャンスに転換することも可能になると考えます。

2020年に発生した新型コロナウィルスの感染拡大は多くの企業にとって不測の事態でした。
そもそも私が経営する企業は、3年計画で生産性を高めるプロジェクトを立てていました。
ところが、コロナ禍の影響から社員一人一人が個々のレジリエンスを最大限に発揮してくれました。
結果、3年計画をたった3ヶ月で、ある程度のカタチにして、危機を乗り越えることができました。

また、レジリデンスの高い組織からは、自然とレジリデンスの高い人材が育成されます。
結果的にレジリエンスが宿ることで、逆境を転機に成長し続ける不撓不屈の企業になることができるのかと思います。

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