かいしゅー

ジャグリング、映画、たまに本  最近エッセイを書いてます

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マガジン

  • エッセイ 2021年7月

  • エッセイ その1

    エッセイを書きました。2020/07/20~2021/01/18

  • 映画記録その1

    映画を観ます。 2019/12/08〜2019/12/27

  • イギリス旅行記

    2019/08/02〜2019/08/14までのEJCを中心としたイギリス旅行記。

最近の記事

SHIZUKU PROJECT vol.1「そこにある、ここにいる。」 演者インタビュー

――まずは自己紹介ということで、普段どんなことをやっているのかというところをお聞きしたいと思います。まずはなっちさんから。 黒木:黒木なつみです。なっちって呼ばれてます。普段はマイムをやっていて、でもパントマイム、いわゆる壁とか綱引きとかもやるけれど、無言劇みたいなことをやってます。舞台で身体を使って表現をするということをやっています。時々歌を歌ったりすることもあります。 ――無言劇ってどんなものでしょうか。 黒木:難しいですよね。マイムにもいろんなジャンルがあって、ダ

    • 『私と世界と、人間たちの話』パンフレット

      1.物々交換  コーヒーをハンドドリップで淹れるときには「蒸らし」という重要な工程がある。これは、初めに少量のお湯を注いで一旦待つ、という簡単なものだ。しかし、この「蒸らし」をするとしないとではコーヒーの味が大きく変わる。コーヒーを淹れるにあたってとても大事な作業なのだ。舞台や映画、小説、漫画などにおいて鑑賞者が最初に目にするシーンというのは、いわば「蒸らし」だと思う。  このシーンを作るきっかけの一つとなったのが、ゼロコの『Silent Scene』である。『Silen

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      • 電車の窓を流れる謎のチョンマゲ、の話

         以前、電車に乗るとそれだけで疲れるのであまり乗りたくない、という話をしたが、実は電車の窓から景色を眺めるのは好きだったりする。  一瞬で通り過ぎる、僕には何の関係もない世界の景色は面白い。ヨドバシカメラのテレビコーナーに映る、どこの国のものかもわからないひたすらに綺麗な景色を眺めている感覚に近い。延々と流れる自分の外側の世界をただ見続ける感じ。  電車のドアの端にもたれかかって画面の端から端へ、スライドショーのように変わっていく景色を見ている間は少しだけ、居心地の悪い電

        • 置き換え炭酸水と空腹、の話

           最近炭酸水を飲んでいる。健康のため、とか急に意識が高くなったというわけでもなく、ただ「コーラやエナジードリンクばかり飲んでいるのは何となくヤバい気がする」という感覚が突然降ってきたからだ。  歯医者に行くのがめちゃくちゃ怖いという話を以前にしたけれど、未だその恐怖心は克服できていない。だからというのもある。糖分そのもののような蛍光色の液体を飲んで自ら死地に赴くよりは、少し好物を我慢して処刑宣告を延ばす方がマシだと思った。  置き換えダイエットのようなものだ。体重を減らす

        SHIZUKU PROJECT vol.1「そこにある、ここにいる。」 演者インタビュー

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        • エッセイ 2021年7月
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        • エッセイ その1
          17本
        • 映画記録その1
          20本
        • イギリス旅行記
          7本

        記事

          自分の好きなものを語る時、の話

           自分のことは自分が一番よくわかる、なんて言ったりするけれど実はそうでもなかったりする。  最近「僕はこういうのが好きなんですよ」という話をすることが多い。大学を卒業してコミュニティが変わり、新たな交友関係が増えたからだと思う。  好きなもの。例えばエヴァとかヒップホップとかガンプラとか、そういったものだ。こういったことについて人に話すことで改めて「僕はこんなにもこのコンテンツが好きなのだな」と気が付くのだ。  僕は昔から、一人で何かにのめりこむことが多いタイプだった。

          自分の好きなものを語る時、の話

          成人式の思い出、の話

           1月18日、これを投稿するちょうど1週間前が成人の日だ。    せっかくなので成人式の思い出でも書いてみようと思う。僕が住んでいる地域の成人式は、成人の日の前日に行われた。毎年のことなのかは知らないけれど、とりあえず僕の代ではそうだった。  実は、僕は高校生の途中くらいで今の地域に引っ越してきている。本来なら成人式で集まるであろう「小学校・中学校の懐かしい面々」などがいるはずもない。成人式に行くつもりなど毛頭なかった。  地元の友達はいないのだけれど運がいいのか悪いの

          成人式の思い出、の話

          Atelier'85+Circus Laboratory CouCou『Cocoon』 セルフアフタートーク

           数ヶ月前になりますが、新座にある現代サーカスのクリエーションスタジオCouCouと、その奥にあるAtelier'85さんのコラボ企画、『Cocoon』に出演させていただきました。  この企画は「演出する人と演出される人がタッグを組んで作品を作る」というものです。僕はジャグラーで演出家の目黒陽介さんに演出していただくことになりました。  作品はどこかで全編観れるものではないので軽くしか言わないのですが「繰り返し」を一つのテーマとして動きが拡張されていったり、大きな塊へと変

          Atelier'85+Circus Laboratory CouCou『Cocoon』 セルフアフタートーク

          口内の爆弾と処刑人、の話

           歯医者で処置をしてもらう時、絶対言われるのが「痛かったら手を挙げてくださいね」だ。  この世であれほど意味のない言葉があるだろうか。挙げたところで「ちょっと我慢してくださいね〜」と流されるに決まっているだから。それに「痛かったら」と言われてもどこからが「痛い」なのかわからない。口の中をかき回されているのだから、痛くない時なんか存在しないのだ。  あまりの痛さに体が反応して動いてしまうと「危ないので動かないでくださいね〜」と言われる始末である。歯医者さんはドSしかいないと

          口内の爆弾と処刑人、の話

          フェットチーネグミとホルモン、の話

           フェットチーネグミという商品がある。 「アルデンテな噛み心地!」というのがキャッチコピーの、絶妙な柔らかさをしたあのグミである。  アルデンテ、という言葉が周知され始めたのもフェットチーネグミが登場してからなのではないか、というぐらいのやつだと勝手に思っている。  アルデンテとは元々パスタの茹で方の一種で、ほんのちょっと芯を残して茹で上げることを言う。アルデンテの他には、ベンコッティという柔らかめの茹で方もあるらしい。  なんとなくだけれど、みんなアルデンテを「美味

          フェットチーネグミとホルモン、の話

          キムチ炒飯への拗らせた愛情、の話

           前置きとして、僕はキムチ炒飯が好きだ。  僕がキムチ炒飯好き、という事を改めて知ってもらった上で、今日はキムチ炒飯について考えていこうと思う。  まず初めに、炒飯という食べ物がある。僕はこのシンプルな炒飯も大好きだ。強火で炒められたパラパラのご飯、それと混ざり合って様々な表情を見せる具材達、味をまとめ上げる卵、食欲をそそるごま油の香り。考えた人は天才だと思う。  次に、キムチという食べ物がある。僕はキムチが好きだ。特にオイキムチが好きである。辛さの奥にある魚介の旨味や

          キムチ炒飯への拗らせた愛情、の話

          スマートフォンと映画泥棒、の話

           映画館には、上映中でもスマートフォンをいじる人がいる。  足繁く通っていると怒りの感情は湧かなくなるもので「またかぁ」と呆れる、くらいのものだ。知り合いの中でそういう人がいたら縁を切るとは思うけれど。  ただ単純に疑問である。映画の上映中、スマートフォンを開く理由がよく分からない。マナーとかの話ではなくて、今その場で開かないといけない訳はあるのだろうか、と考えてしまう。  インターネットでこの話題を調べてみるとマナーだとか、個人的な許容の話になりがちである。しかし『映

          スマートフォンと映画泥棒、の話

          続けるということ、の話

           尊敬している大学の後輩がいる。  尊敬と言うとちょっと重いかもしれない。すごいと思っている、くらいにしよう。その後輩は毎日、日記のようにnoteを書き続けている。  その子は3月くらいから今日までの6ヶ月間、noteを投稿し続けている。書いている内容は様々で、大学のことだとか、好きなバンドのことだとか、今現在の自粛のことだとかだ。  正直イカれていると思う。もちろん悪い意味では無い。しかし、毎日文章を書くというのはそれくらい大変なことだ。   執筆のための時間、書く

          続けるということ、の話

          救世主セルフレジ、の話

           noteでも何度か話しているが、僕は右耳が聞こえない。  22年間付き合ってきていることなので、流石に「毎日不便だなあ」みたいなことは少なかったのだけれど、最近生きづらさがちょっと増している。理由は他でもない、マスクとビニールシートである。  新型コロナウィルスが流行してから、人々のマスクの着用率が上がった。マスクはどうにも音をくぐもらせてくる。  響かない音が聞き取りづらいというのは、別に難聴者じゃなくても同じだと思う。加えてもう一つ、僕が普段、無意識のうちにやって

          救世主セルフレジ、の話

          バスに乗せてもらえなかった、の話

           バスに乗せてもらえなかった。  今日の話はこれで終わりだ。あとは本当に「バスに乗れなかったんですよ」ということを延々話すだけである。エッセイとは往々にして得るものの無いものだとは思うが、今日はいつにも増して、何も無い。  つい先日の稽古帰りのことである。稽古場から駅までは歩いて30分くらいで、さらに夜なのでバスは全然無い。いつもは仕方がないので、というか当たり前のように歩いて駅まで行っている。もう何度も通っている場所なので、案外歩けるものなのだ。  だからと言って、そ

          バスに乗せてもらえなかった、の話

          赤い開拓者トマト、の話

           トマトという野菜がある。  嫌いな野菜、でおそらくかなり上位に入るやつだ。給食で出たらクラスに5人くらいは残す人がいる。  傾向も似通っていてケチャップは食べられる、むしろ好きという人が多い。特にダメなのはプチトマトで、食感が大の苦手、というのがトマト嫌いにほぼ共通した特徴だろう。  この認識が当たっているかは別にして、最近少し考えていることがある。 「トマト、苦手な人の多さに対して採用されすぎではないか?」  トマトが苦手、という人が多いわりには、料理で出される

          赤い開拓者トマト、の話

          「B型なんだ」で拗らせちゃう人、の話

           血液型はB型だ。  僕は血液型の話があまり好きではない。理由は、B型であることを明かしたところでいいことが何もないからだ。非常識、自己中、飽きっぽい、など散々なイメージを受けているのがB型ではないだろうか。  幸い、と言って良いのかわからないけれど、僕は普段「B型っぽい」と思われることが少ない。よく言われるのはA型とAB型である。だから血液型を人に言うと、大体は意外そうな反応が返ってくる。しかしその反応が「意外」で終わることは無い。 「へえ、B型なんだ〜、ちょっと意外

          「B型なんだ」で拗らせちゃう人、の話