Atelier'85+Circus Laboratory CouCou『Cocoon』 セルフアフタートーク

 数ヶ月前になりますが、新座にある現代サーカスのクリエーションスタジオCouCouと、その奥にあるAtelier'85さんのコラボ企画、『Cocoon』に出演させていただきました。

 この企画は「演出する人と演出される人がタッグを組んで作品を作る」というものです。僕はジャグラーで演出家の目黒陽介さんに演出していただくことになりました。

 作品はどこかで全編観れるものではないので軽くしか言わないのですが「繰り返し」を一つのテーマとして動きが拡張されていったり、大きな塊へと変化していくボディーロールとボールの演技です。

ダイジェスト版はこちらです↓

https://youtu.be/IakPTuxDWxU

 まず大前提として、とても楽しかったです。どこかのタイミングで何か形にしたいと思っていたボールの演技と、自分の中でマンネリを感じていたコンタクトジャグリングの演技、どちらとも偉大な大先輩(と言って良いのかわかりませんが)に演出をしていただけたのは幸運なことだと思いますし、学ぶ事ばかりでした。

 演技の内容どうこうとか、僕個人の感想を他の人に長々語っても仕方がないので、今回は「演出を受けることで得るもの」について話します。

 僕は今年、ジャグリングを始めて4年目になります。舞台に立つようになってからは2年くらい。この短い期間の間に、表に出ているもの出ていないもの含めて5人の方の演出作品に参加しています。

 その中でも『Cocoon』は、僕個人への演出という事でかなり演出家側とも話す機会が多く、その思考に触れる頻度も高かったと思っています。これがとても楽しくて、一つ一つが僕の中には無いものだったし、理解できたのはほんの少しですがそれによって自分の考え方もやはり変化します。

 演出されると言う事は舞台に立つ人全員、一度は体験した方が良いと思います。それもできるだけ早いうちに。ジャグリング以外の舞台芸術ってそっちが一般的だと思うのですがそれは置いておいて。

 僕が今まで関わってきた演出家の人たちは皆、多かれ少なかれ演者を活かしてくれます。

「君はこういうイメージだから、こんな風にやってみてよ」

「君みたいな人がこういうことしたら面白いと思うんだよね」

「うーん、ちょっと君の雰囲気と違うな」

 もちろんジャンルが変われば演者が与えられた「役」に徹することが最重要なこともありますし演出家全員がこうでは無いかもしれませんが、僕はこれしか経験していないのでその前提で進めます。

 演出家の人から見えている僕たちのキャラクターとは、要するに「他者から見た自分」です。舞台に立つ上で「他者から自分がどう見えているか」ということを知っておくのはとても大事だと思います。

「自分はこうだから」と思っていても他人から見ると実は違っていたり、新たな一面を気づかさせてくれたりします。

 あとこれは個人的に思うことですが、演出家の人たちは自己の感覚を言語化してアウトプットするのが上手いです。演者やスタッフに自分の思考を伝える必要があるので当たり前と言われればそれはそうですが。

 ただこれは演出家でなくとも必要なスキルだと思います。自分で作品を作るにしても思考の整理は必要ですし、思い描くステージへ近づけるためには、一緒に作ってくれるスタッフ陣に向けてそのイメージを伝える必要があります。

 演出家の話し方や言葉の選び方、何を言葉で伝えて何処を相手に委ねるのか、そういったところまで見ていると段々自分も変化していくのではないでしょうか。

 長々書きましたがとりあえずまとめると「演出を受けると自分のキャラクターをより知れるしより深まるよ」って事と「演出家の人は考えてる事をアウトプットすることが上手い気がするから真似すると良いかもね」って事です。

 そうでなくとも自分以外の人の思考に触れていくことは楽しいですし、自分の中のものも変化していくので面白いと思います。新しい発見があるかもしれないですよ。

「いつか自分でもやってみたいなあ」なんて考えています、と言うところで今日の話は終わりです。 

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