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心の豊かさを取り戻すための一手『伝統文化茶道』に学ぶ詫び寂びの教育観(前編)~わが国に根付く「おもてなしの心」とは?~ー『日本人のこころ』34ー

こんにちは。高杉です。

日本人に「和の心」を取り戻すというスローガンのもと
『和だちプロジェクト』の代表として活動しています。


8月も早くも9日が経ち、
毎日楽しく仕事に追われる毎日を過ごしております。

皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

8月8日には、
日向灘で大地震が起こり、
南海トラフ巨大地震の心配も高まっています。

宮崎県、鹿児島県をはじめとする九州地方や
四国地方の方々を心配しております。

我が国は、災害大国とも称されており、
その中でも地震や津波といったものは、
わたしたちにも暗い影を残しています。

先の不安な時代だからこそ、
先人の歩みに学ぶことはとても大切なことだと考えています。


今回から新しい主題で
我が国の先人たちの歩みを見つめなおし、
現代の教育にどのように活かすことが大切なのかを
考えていきたいと思います。


今回もよろしくお願いいたします。







1)我が国に根付く「おもてなしの心」とは?




皆様を私どもでしかできないお迎え方をいたします。

それは日本語ではたった一言で表現できます。

「おもてなし」

それは訪れる人を心から慈しみお迎えするという深い意味があります。

先祖代々受け継がれてまいりました。

以来、現代日本の先端文化にもしっかりと根付いているのです。

そのおもてなしの心があるからこそ、

日本人がこれほどまでに互いを思いやり、

客人に心配りをするのです。



2020年の東京オリンピック・パラリンピックが決定したIOC総会。

その最終投票直前に行われた東京のプレゼンテーションで、
滝川クリステルさんが行ったスピーチが話題となりました。

流暢なフランス語(IOCの第一公用語はフランス語)でスピーチした彼女は、
我が国の「おもてなし」の精神を説明し、
公共交通機関の充実度、街の清潔さ、治安の良さ、
ミシュランガイドの星の多さなどに代表される東京の優位性をアピール。

爽やかな笑顔を絶やさず、
原稿にまったく目を落とすことのない堂々としたスピーチは
多くの人の心を動かしました。




外国から来た人が来日して感動するのは、

「桜や紅葉、雪などの季節感あふれる自然の美しさ」

「食事の多様さとその美味しさ」

「歴史ある日本特有の美しい建造物や伝統文化」


などなどたくさんありますが、

その中でも一番感動するのが、


「日本人のおもてなしの心」


だと言います。

なぜ、
我が国のおもてなしの心が外国から来た人を感動させるのでしょうか?


それは、
期待を上回る細やかな心遣いである日本のおもてなし心に驚かされ、
感動するのだと思います。


この「おもてなし」は、
「もてなす」の丁寧語からきています。

その語源は、
「ものを持って成し遂げる」「表裏なし」
からきています。

これは、
表裏のない心でお客様をお迎えする
という意味です。

そして、
究極の「おもてなし」は「茶道」にありと言われています。



2)我が国の究極のおもてなしは「茶道」にあり




それは、
「茶道」ではお客様をおもてなしする際に、
何日も前からお客様を想いながら、
茶室の内外を整え、道具の取り合わせに心を配り、
お菓子を選び、お花を入れ、打ち水をして、
心を込めて丹念に準備をするからです。

お客様との「一期一会」を想い、
どのようにしたらお客様に喜んでいただけるのか?

満足していただくことができるのか?を考え、
道具やお菓子などでその心を表現することが、
「茶道のおもてなし」なのです。

「茶道のおもてなし」と聞くと、
茶室の中だけでしか使うことができない特別なものと
思う方も多いかもしれませんが、

何日も前から茶室や道具類を用意することは
「仕事での事前準備の大切さ」とつながり、
一人一人のお客様を大切に想う心は、
「お客様の思いを察するサービス精神」に現れます。

そして、
茶会で粗相がないようにお菓子などを余分に用意しておくことは
「準備万端」にもつながり、
万が一のことがあってもお客様の前で慌てない動じない心は
「仕事での臨機応変さ」につながるのではないでしょうか。

「茶道のおもてなしの心」は、
茶室や茶会のみで活かされるのではなく、
毎日の仕事や生活、人間関係など実生活で活かしてこそのものなのです。


3)なぜ、トップエリートは「茶道」に魅了されるのか?




「茶道」は、
「書道」「華道」「香道」「楷書」「着物」「建築」「和食」などなど
日本の美意識がすべて入った総合伝統文化と言われています。

教養として「茶道」を学ぶことは、
幅広い我が国の伝統文化を学ぶことにもつながります。

日本人として、
我が国の伝統文化についての教養を身につけることができれば、
世界の中で生きる日本人として真の自信をもつことが
できるのではないでしょうか。

約500年もの間、
脈々と続いている「茶道」
その中には、生きていくために必要不可欠なものが多く隠されています。




「茶道」は、
栄西が中国から禅と一緒にお茶の種を持ち帰り、
禅院茶礼という、禅の修行の一環として誕生しました。

また、
「茶禅一味」という言葉があるように
茶道は禅から誕生し、
求めるところは禅と同一であるという意味があります。


「茶道」
「禅」も、


余計なものを捨てて、シンプルに生きるということ



を目指しています。

現在、茶道は女性のたしなみのように考えられがちですが、
元々、茶道は男性が行うものでした。

戦乱の世、明日をも知れぬ武将が、茶の湯によって、
己と向き合い、邪念を払って心を整えたのです。

今、私たちも日々の生活に追われて
先の見えない世の中で戦っています。

日々のストレスや重圧感、
不安な日々を過ごすこともあるかもしれません。

茶道には伝統文化としての価値だけではなく、
ビジネスや不安な世界を生き抜くための叡智も多く含まれています。


織田信長

豊臣秀吉

松下幸之助


名だたるトップエリートたちは
なぜ、茶道の精神に魅了され、
ビジネスや日常に取り入れ、大成功を収めたのでしょうか?




今回は、

日本人のこころ第9弾


「心の豊かさを取り戻すための一手伝統文化茶道に学ぶ詫び寂びの教育観」


という主題でお話をさせていただきます。


よろしくお願いいたします。



茶道はどのようにして我が国の伝統文化として根付いたのでしょう?


次回は、

歴史の視点「茶道」を見つめなおしていきます。



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国民一人一人が良心を持ち、
それを道標に自らが正直に、勤勉に、
かつお互いに思いやりをもって励めば、文化も経済も大いに発展し、
豊かで幸福な生活を実現できる。

極東の一小国が、明治・大正を通じて、
わずか半世紀で世界五大国の一角を担うという奇跡が実現したのは
この底力の結果です。

昭和の大東亜戦争では、
数十倍の経済力をもつ列強に対して何年も戦い抜きました。

その底力を恐れた列強は、
占領下において、教育勅語修身教育を廃止させたのです。

戦前の修身教育で育った世代は、
その底力をもって戦後の経済復興を実現してくれました。

しかし、
その世代が引退し、戦後教育で育った世代が社会の中核になると、
経済もバブルから「失われた30年」という迷走を続けました。

道徳力が落ちれば、底力を失い、国力が衰え、政治も混迷します。


「国家百年の計は教育にあり」
という言葉があります。

教育とは、
家庭や学校、地域、職場など
あらゆる場であらゆる立場の国民が何らかのかたちで貢献することができる分野です。

教育を学校や文科省に丸投げするのではなく、
国民一人一人の取り組むべき責任があると考えるべきだと思います。

教育とは国家戦略。

『国民の修身』に代表されるように、
今の時代だからこそ、道徳教育の再興が日本復活の一手になる。

「戦前の教育は軍国主義だった」
などという批判がありますが、
実情を知っている人はどれほどいるのでしょうか。

江戸時代以前からの家庭や寺子屋、地域などによる教育伝統に根ざし、
明治以降の近代化努力を注いで形成してきた
我が国固有の教育伝統を見つめなおすことにより、
令和時代の我が国に
『日本人のこころ(和の精神)』を取り戻すための教育の在り方について
皆様と一緒に考えていきたいと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。





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