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田舎のゲストハウスは最強のパワースポット
最近気持ちがささくれだっていたので、
遂に「現実逃避行」を決行した。
本日のお宿は、前々から気になっていた近場のゲストハウス。
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緑豊かな風景に、入る前から癒される。
古びた建物の外観も趣深い。
中に入ってみるとびっくり。
一泊1万円する旅館のような高級感。
(実際は朝食付き4500円)
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よくJAZZライブが開催されるらしい。
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珈琲は飲み放題。
川のせせらぎを聴きながら読書を楽しめる。
小川糸さんの「食堂かたつむり」があって思わず手に取った。大好きな作品。
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ふわっと包み込まれるような
あたたかな木の香り。
外には池があり鯉が泳いでいた。
自然が生き生きとしている宿は素敵。
入った瞬間から、「当たり。」と思う宿なんて滅多に無い。
でも、ここはそう思わされた。
客室に案内されて更に「当たりだ…。」という思いが深まった。
え??こんな広い客室を一人で使っていいんですか?????なんて贅沢な…。
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美味しくて止まらない。
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頭の中の重たいものがさらさらと流れ出すような感覚。
*
畳に久々に寝転がると、い草の香りがした。
父方の祖父母の家を思い出す。
父と母がまだ仲が良かった幼い頃によく行っていた。
おばあちゃんは料理上手で色々な料理の作り方を教えてくれた。
台所に立つのは大人になったみたいで、誇らしく、張り切っていたのを覚えている。
お味噌汁におこわ飯、ハンバーグ、餃子…etc
中でもおばあちゃんのお味噌汁が好きだった。
お出汁は煮干し。
煮干しは下処理が面倒。
まず、頭を取って、体を半分に割り腸を取り出す。この作業はなんだかグロテスクで好きではなかった。上手にできないし。
でもおばあちゃんに
「いい所取りするんじゃない!」
と叱られるから渋々やっていた。
その後、煮干しをカラカラと音が鳴るまで乾煎りする。この作業は好きだった。
お箸に煮干しが軽くなる感触が伝わってくる。
芳ばしい香りが漂ってくる。
「分量も時間も計らんでいい。体で覚えればいい。」
がおばあちゃんの口癖。
目で見て音を聞いて感触を確かめ香りや味を感じるのが大切なのだと。
そして、たっぷりの水に暫くつけた後煮出していく。アクを取りながら弱火でフツフツと煮ていく。
ここからはお鍋とにらめっこしながら火加減に細心の注意を払う。
煮えばなで火をとめられた時の達成感たるや。
だし汁が完成したら火を止めてお味噌を少しづつ溶かし入れる。
そうして手間をかけてできた一杯をそうっとちゃぶ台へ運ぶ。
畳の上に座って、やっと口にするお味噌汁は体に染み渡るように美味しかったなぁ。
今はインスタント出汁に頼りきりだけど。―――
*
なんて考えていたら夜。
お腹空いた。
ふらりとゲストハウスを出る。
煌々と輝く夜の温泉街もまた美しい。
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近くに居酒屋があったので入ってみた。
店内は人が入れないほど賑わっていたが、
「詰めたらなんとか入れるよ!おいで!」
と言ってくれるこの土地の方々の優しさがやっぱり好きだ。
お隣の男性はオスの鹿を狩るのが好きらしい。これまでにとったおびただしい量の角の写真を見せてくれた。
マスターはお若い方で、田舎での楽しみ方(釣り、一人でも入りやすいお店)を教えてくれた。
料理が美味しくお酒もどんどん進んだ。
地酒が安く、一杯300円で呑める。
料理もお手頃でだいたい500円以下。
都会では考えられない値段設定。
一見さんにも温かな雰囲気、美味しくリーズナブルな料理とお酒。
田舎の一人呑み、最高!!
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お行儀は悪いが、酔っ払ってそのまま寝てしまったので次の日は朝から貸切風呂へ。
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なぜここが一泊4500円で泊まれるんだ??
と思うほど広い貸切風呂。
お湯の温度も熱いので、体の芯から温まる。
日頃の疲れが溶けだしていくのが分かる。
思う存分手足を伸ばして、人目も気にせず入るお風呂は気持ちいい。
滝が流れ出ていて岩肌に当たる音も趣がある。
*
火照る体で朝食会場へ。
セルフサービス式の朝食。
コーヒー、トースト、ヨーグルト、梅ジャム、バター、スイカを取って、お部屋で食べることにした。
カリッと焼いたトーストにたっぷりとバターをのせる。
バターがじゅわっと溶けて柔らかくなった所を一口。ふわふわしたパンの甘さが口に広がる。
二口目は梅ジャムを付けて、程よい酸味と砂糖で漬け込んである梅の甘みがトーストに合う。
スイカをしゃくりと音を立てて齧る。
旬の果物の瑞々しさを堪能。
カップヨーグルト。似たものが給食に出ていたな。懐かしさを感じる。
少し表面が泡立ったまろやかな珈琲でほっと一息。
苦味とコクに舌鼓を打つ。
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*
お腹もいっぱいになり、体もほぐれ存分に癒された2日間。
一人で週末にプチ旅行、趣味になりそう。
この先1ヶ月は頑張れる!
(来月も来よう。)
全力で人様におすすめできるお宿でした。
田舎のゲストハウス、最高です。
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