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#179 VCでお金を稼ぐ方法は?

我が家の近くにOpenAIの本社があります。よく行くStableというカフェの向かいにあるのですが、建物があまりにも普通で小さいので、何十回とその前を通ったのに、長い間知らなかったのです。あのような場所でChatGPTのような技術革新が起きていると思うと胸が熱くなり、とにかくそのような変化が起きている中心地に住んでいる以上、これからもそのような変化を追いかけるのではなく、リードすることに引き続き貢献して行きたいと思いました! 


初期段階の投資にフォーカスしたベンチャーキャピタルファンドを組成する際に、とにかく大きな規模のファンドを募集しようとするGPの方々をよく見かけます。なぜそんなに大きなファンドを追いかけるのでしょうか?正直なところ、私の考えでは、多くがプライドの戦いだと思います。競合他社が多額の資金を募集したから、より大きなファンドを管理する方が何かがあるように見えるから、あるいは単に金銭的いより魅力的になりそうに見えるからなど、動機は様々です。

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しかし、ファンドの規模が大きくなればなるほど、管理も複雑になります。より多くのLPを管理する必要があり、スタッフを雇用して管理する必要があり、その他の管理業務やコンプライアンス関連の業務量も増えます。最も重要なことは、ファンドの規模が大きくなればなるほど、魅力的なリターンを達成することが難しくなることです。小規模なファンドの方が大規模なファンドより優れたパフォーマンスを出しやすいです。

初期段階の投資が本当に好きで、億万長者レベルまではいかなくても、かなりの富を生み出すことに満足できるGPの場合、小規模なファンドを組成し、可能な限り最大のリターンを得ることに集中するのが賢明な戦略です。例えば、2千万ドル(約30億円)のファンドで十分です。

2千万ドルのファンドで3年間に25~30件の投資を目標とするGPがいるとします。これはおおよそ投資1件当たり約50万ドルの投資規模を意味し、投資サイクルは1~2ヶ月に1件ずつとなります。この程度の規模とサイクルは、競争力のある投資を行うことができる現実的な投資戦略です。

GPの金銭的な観点からも、この戦略はGPにかなり魅力的です。投資期間中に2.5%の管理報酬と20%の成功報酬が発生すると仮定すると、2千万ドル規模のファンドで年間50万ドルの管理報酬が発生します。GPがこの管理報酬の70%を取るとすると、年間収入は35万ドル (約5,500万円程度)になります。ファンドが3倍の収益を達成した場合、GPの成功報酬は800万ドル((2千万ドル×3倍-2千万ドル)×20%)になります。なんと約12億円相当です!

ここで重要なのは、これは1号ファンドに過ぎず、GPは同じ規模の2号ファンド、3号ファンドを作り続けることができるということです。1号ファンドを立ち上げてから約6年後、3号ファンドが組成される頃には、GPの年収は100万ドル(約1.5億円)に近づく可能性があります。3つのファンドがすべて3倍の純収益を生み出した場合、キャピタルゲインは合計2,400万ドルになります。約36億円です。一人の人生を大きく変えるのに十分な金額です。4号、5号ファンドもあれば、もちろんこれはさらに増えます。

もちろん、このアプローチはすべての人に適しているわけではありません。 一部のGPは、特定の戦略を実行するために、より多くの管理報酬を必要としたりします。しかし、そうでない人にとっては、小さなファンドを組成することで、初期段階での投資という好きなことをやりながら十分に大きな富を築くことができます。

この傾向はますます注目を集めています。前回の記事「#176 トップティアVCを離れる人々」でも述べたように、米国では多くの有名な投資家が比較的小さなVCファンドを立ち上げています。私が運営しているファンド・オブ・ファンズであるGREE LP Fundのように、こうした小規模ファンドに積極的に投資するLPも増えています。これからもより多くの小規模ファンドが次から次へと登場すると思います。

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