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北海道に行ったら、何はなくともジンギスカン

前の職場では年に一度か二度は札幌に赴く用があり、その都度10日間ほど滞在したので、夜はジンギスカン三昧だった。

なぜ北海道がジンギスカンなのかについては諸説あり、仙台が牛タンなのと同じくらいのミステリーだ。
いちばん確からしいと聞いたことあるのが、旧日本軍の制服の原料に羊毛を供給するため、広大で冷涼な北海道で羊の飼育が奨励され、戦争の終結とともに出番のなくなった羊を食用にしたという説。

大学生の頃、スキーで北海道を度々訪れて、ペンションや民宿でジンギスカンを供されたが、いつもロール肉ばかりだった。
ロール肉とは羊肉を円柱形に巻いて冷凍したものを薄くスライスしたもの。
この他、生ラム、生マトンなどがある。
調理法は、焼いてからタレにつける後付けタイプ、タレにあらかじめ漬け込んだ味付けタイプに大別される。

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後付けタイプの店を代表するのが〈成吉思汗だるま〉。
すすきのの本店はいつも満員ですぐには入れず、冬はことのほかキツい。
氷点下10℃で1時間待つなどザラだ。

着席すると、問答無用で生マトンが目の前にドンと置かれ、ネギ、タマネギが鍋の上に置かれる。
こんもり盛り上がった鍋の頂で肉を焼き、流れおちる肉汁で野菜を焼く。
肉は焼きすぎず、まだ赤みが残る程度で特製のタレにつけていただく。
臭みはなく、噛みごたえ十分のマトンは、ただただうまい。

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メニューはこれだけ。
あとは食欲に任せ、肉を頼めば小皿で出され、野菜を頼めば鍋に置かれる。

この店の〆は裏メニューともいうべき、お茶漬け。
肉・野菜のうまみが溶けだしたタレをライスにかけ、お店の人に声をかけるとお茶を注いでくれるのだが、もうこれだけで幸せになれる。

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味付けタイプの雄、〈松尾ジンギスカン〉。
いくつか店舗があるうち、いつも行くのはすすきの店だが、この店は松尾ジンギスカンの公式サイトにはなぜか載っておらず、店の雰囲気も他の店と違って家族経営的で、ナゾは深まるばかり。

肉はラム、マトンがあり、それぞれ上と並が選べる。
鍋の頂に肉を、周縁に野菜を置くのはこちらも同じだが、肉汁だけでなくタレも流れおちるため、野菜は煮る感じ。
タレにあらかじめ漬け込まれた肉は、とにかく柔らかく、うまい。

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こちらの〆はラーメン。
周縁部にたまったタレに麺を放ち、溶けだした肉・野菜のうまみをたっぷり吸わせてからすすると、もうこれだけで幸せになれる。

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朝からヤバい。
記事を書きながら、自分で飯テロの波状攻撃にあい、筆が進まなくなった。

(2021/7/26記)

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