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心にしみた作品たち

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心を揺さぶられた作品を集めています。
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2021年1月の記事一覧

075.フランスの下宿先

私は子どもの頃からフランスに憧れていて、昭和60年(1985年)8月に、新卒で就職した会社を退職し、1年間滞在する目的でフランスへ向かいました。

パリに着いてから、滞在先は地方都市だったので、大きなスーツケースを持って鉄道の駅へ行き、いくつもあるテーブルの周りに置いてある椅子に腰掛けて列車の到着を待っていると、同じテーブルの七十代くらいの男性が「もしかして日本から来たのかね?」と尋ねてきました。

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ゴフスタインとの想い出

ゴフスタインとの想い出

M.B.ゴフスタインという作者の名前にピンとこなくても、子どもの頃、または読み聞かせで、『ブルッキーのひつじ』を手に取られた事のある方は多いのではないでしょうか?アメリカ、NYを拠点に画家として活躍、そして多くの絵本を著したゴフスタインは、2017年逝去。2000年の始め、大好きだった書店に入社し特に児童書に夢中だった私は先輩の影響で多くのゴフスタインの作品に出会い、”言葉にできない”衝撃と影響を

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【母の願い】 我々なき後に我が子を護ってくださるすべての皆さまへ

【母の願い】 我々なき後に我が子を護ってくださるすべての皆さまへ

 私は23年前、神さまから、いつか人の手に託さなければならない女の子を授かりました。
 アンジェルマン症候群という珍しい障害をもって生まれた娘。

 「あなたができる間はあなたが護りなさい」と。
 色が白くて茶色の目、茶色の髪、笑顔がとびきり可愛いけど一言も有意語は持たない重度重複障害を持つ娘。

 でも、神さまは、この子をどうやって置いて逝けばいいかは教えて下さらなかった。
 私たち夫婦、人生を

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