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獣医さんとやってみよう自由研究

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2020年5月の記事一覧

犬の体温調節 夏バージョン

犬の体温調節 夏バージョン



人間は周りが暑くなると、自分の体が暑くなりすぎないように汗をかきます(発汗)。水分は蒸発する時に周囲の熱を奪うという性質があるので、汗をかくことで体の表面の温度も下げられるのです(気化熱)。

犬の場合は、汗をかくところ(汗腺)が足の裏にしかないので体温調節に人間のように発汗を体温を下げる目的では使えません。
ではどのように暑い夏を乗り切るでしょうか?

犬の場合はパンティングという浅く速い呼

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動物病院の診察に必要なもの(普段編)

動物病院の診察に必要なもの(普段編)

動物病院の診察に必要なもの

基本的にお薬や注射器、手術器具、検査機器などは病院のものを使います。

私はスクラブという動きやすい手術着を着ていました。動物病院ではわんちゃん猫ちゃんのうんちから吐物、肛門腺液、時には血液などなどさまざまなものが飛び散るので汚れたら頻繁に着替えます。靴もその都度変えています。体液は感染性危険物なので。まれに一日に何回も着替えないといけない時があり、洗濯が間に合わ

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犬猫の飼養頭数と動物病院数と人の病院数

犬猫の飼養頭数と動物病院数と人の病院数

日本ペットフード協会では定期的に日本国内でどのくらいの犬猫が飼育されているか調べる全国犬猫飼育実態調査を行っています。

昨年2019年12月末に結果が出ているので振り返ってみたいと思います。

2019年(令和元年)全国犬猫飼育実態調査 結果では20~79歳を調査対象者とし、2015~2018年の過去5年間の調査結果との比較を行っています。報告書では2019年の推計飼育頭数は

犬:879万7千

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犬を飼った時にすることは?〜狂犬病予防接種について

犬を飼った時にすることは?〜狂犬病予防接種について



自由研究のヒント:鑑札は自治体ごとに異なります。自分の住んでるところのデザインを調べてみると面白いかも!

犬を飼い始めた時に飼い主が行うことに狂犬病予防関連の手続きと予防接種があります。これは「狂犬病予防法」という法律で飼い主の義務となっています。
獣医師は農林水産省の管理のもと動物の治療を行なっていますが、この狂犬病予防法は厚生労働省の管理となっています。なぜでしょうか?実はかつて狂犬病は

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犬と猫の体温を測ってみよう!

犬と猫の体温を測ってみよう!

自由研究のヒント:日頃からそけい部を触って体温をチェックしよう。

動物を触るとあたたかいのは人と平熱が違うから。

いろいろな動物の平熱を調べてみよう。

体温は生き物にとってとても大切な指標のひとつです。

犬や猫やうさぎなど、ペットを撫でると暖かいですよね。毛のふわふわな触感と、そのぬくもりは私たち人間を癒してくれます。

犬と猫の正常な体温は
・38.0度から39.2度

人間

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犬を飼った時にすることは?〜②狂犬病予防接種について続き

犬を飼った時にすることは?〜②狂犬病予防接種について続き

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自由研究のヒント:犬のワクチンには狂犬病以外にどんな病気があるかな?**

狂犬病予防法では、犬を飼い始めてから30日以内にお住まいの自治体で登録をし、毎年4月から6月末までに1回の狂犬病予防接種をする必要があります。

しかし、子犬の場合は注意が必要です。生後90日以内の犬を飼った際は、生後90日を過ぎてから30日以内に登録をします。生後2ヶ月の子犬を家にお迎えした際は、生後3ヶ月にな

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