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犬を飼った時にすることは?〜②狂犬病予防接種について続き

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自由研究のヒント:犬のワクチンには狂犬病以外にどんな病気があるかな?**

狂犬病予防法では、犬を飼い始めてから30日以内にお住まいの自治体で登録をし、毎年4月から6月末までに1回の狂犬病予防接種をする必要があります。

しかし、子犬の場合は注意が必要です。生後90日以内の犬を飼った際は、生後90日を過ぎてから30日以内に登録をします。生後2ヶ月の子犬を家にお迎えした際は、生後3ヶ月になってから1ヶ月以内に自治体に登録するイメージです。

お迎えするタイミングは春のこともあれば、夏のことも秋や冬のこともありますよね。その際は狂犬病予防接種はいつ打てばいいのでしょうか?次の年の4月から6月まで打たなくていいのでしょうか?

答えはNoです。狂犬病予防法は法律で1年に1回接種、とはっきり決められているので、犬を飼い始めたら調子の良い時に動物病院を受診してその年の狂犬病予防接種を受けさせなければなりません。動物病院には常に狂犬病のワクチンが備蓄してありますし、飼い犬登録と注射済標の両方を発行する手続きを代行してくれることもあります。

例えば2020年7月に生後2ヶ月の子犬をお迎えしたとして、その子が生後3ヶ月になった8月の元気が良い際に動物病院で登録と狂犬病予防接種を受けます。これで2020年の注射済標が発行されます。
2021年3月頃になると、今度は2021年の狂犬病予防接種のお知らせがくるので、今度は4月から6月の間に接種をします。翌年度以降も同じタイミングで接種していきます。

間隔が短くなってしまうけど大丈夫?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ワクチンには2種類あります。
・生ワクチン:病原体の毒性を弱めたもの。体内で毒性が弱められた病原体が増殖して免疫反応を起こすので接種回数が少なくなります。次のワクチンを打てるまで4週間以上あけます。

・不活化ワクチン:病原体の感染能力をなくしたものからできています。体内で増殖するわけではない分、免疫反応も生ワクチンよりは弱くなります。その分接種回数が多くなります。
次のワクチンを受てるまで1週間あけます。

狂犬病ワクチンは不活化ワクチンなので、1週間以上間隔が空いていれば次のワクチンを打てるので数ヶ月間があけば次の年のワクチン や混合ワクチン などを受けることができるのです。

参考文献
ワクチンについて: https://www.wakuchin.net/about/type.html
飼い犬登録について: http://www.town.sakae.chiba.jp/index.php?code=2637

犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。