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犬猫の飼養頭数と動物病院数と人の病院数

日本ペットフード協会では定期的に日本国内でどのくらいの犬猫が飼育されているか調べる全国犬猫飼育実態調査を行っています。

昨年2019年12月末に結果が出ているので振り返ってみたいと思います。

2019年(令和元年)全国犬猫飼育実態調査 結果では20~79歳を調査対象者とし、2015~2018年の過去5年間の調査結果との比較を行っています。報告書では2019年の推計飼育頭数は

犬:879万7千頭

猫:977万8千頭

でした。1994年より調査が開始されて以来ずっと犬の飼育頭数が多い状態が続いていましたが、2017年の調査で初めて猫の飼育頭数が犬を上回りました。2019年の調査でもその傾向は続いており、猫の飼育頭数の方が多い状態です。残念ながら犬の飼育頭数は減少傾向が継続しています。

犬はどうしても散歩が必要な犬種が多かったり鳴き声がうるさかったりするため、都会の集合住宅で生活を営む現代人のライフスタイルにはそぐわなくなってきているのかもしれません。

一方動物病院の数については農林水産省が開設届状況を調査しており、診療施設数についても公表しています。

令和元年12月31日の時点では小動物診療施設、つまりペットの動物病院の数は全国で6,905施設となっています。単純計算で犬1,274頭あたりにつき1施設、猫なら1,416頭に1施設ですね。

総務省統計局による日本の人口が2020年4月20日公表資料では1億2596万人で、厚労省による2018年の病院数が17万9千29施設だそうなので、単純計算で703人に1施設ですね。

計算が適当なので申し訳ないのですが、単純に比較すると2倍くらい潜在的な患者(動物なら患畜)の差があるんですね。動物では皆保険制度もありませんし、治療を受けさせる飼い主さんとそうでない飼い主さんもいらっしゃるのでこの差が出てくるのかもしれません。

現在新型コロナウイルスが流行しており、いまだ研究途中で犬や猫などのペットに対する知見は少ないものの、"犬や猫を飼う"ことに関して意識の変化が出てくるかと思います。ただでさえ犬の頭数は減少していく中で我々小動物臨床医に何ができるのか考え中です。

犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。