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創作童話

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#ショートショート

【創作お話】私とちび坊

【創作お話】私とちび坊

ある日私の前にぽつんと小さい女の子が現れた
顔ははっきり見えないけど、緊張しているし不安そうだなと思った

私は唐突にこの子は私なんだなと理解した  私はこの子をちび坊と呼ぶことにした

一緒に行こうとちび坊の手を握ると、驚いたようにこちらを見上げて、そしてぎゅっと手を握り返した

その後はいつものように、学童保育へ子どもを迎えに行き、子どもたちに1日の様子をたずねる

「ふつう」そうか
宿題は?

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【創作童話】心がふれあう時

【創作童話】心がふれあう時

心は心臓のあたりにあると思いますか?でも、心臓とはちがうものです。
頭が心なんだと言う人もいますが、頭ともちがうものです。

心はからだの中のどこかにあるようで、体から飛び出してうーんと遠くまで飛んでいくような時もあるのです。

目に見えない心は、どこにもないようでいて、そっこらじゅうにあふれています。

あなたが心を小さく小さくしてしまうと、あなたの心は体のどこかにかくれてしまって、だれにもみえ

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【創作童話】ねこ田はるお オレはついてない

【創作童話】ねこ田はるお オレはついてない

オレはねこだはるお
オレはいっつもついてない。
朝食べたパンについていたシールがオレはノーマル
妹はレアシールだった

鼻をほじったらすぐ鼻血が出る。

1時間目からいきなりテスト
ふでばこを開けたら消しゴムがなかった。
昨日お母さんが新しい消しゴムを入れたはずなのに。

先週風邪をひいた。
熱は下がったのに咳が止まらない。
喘息って言うんだって。

オレは好き嫌いが多くて食べられない給食がある。

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【創作童話】ダイジョーブ電話とラビ

【創作童話】ダイジョーブ電話とラビ

ラビのお父さんは発明家でした。
今もラビの家にはお父さんが作った発明品が残っています。でもどれも変なものばかり。
 お父さんが亡くなってから、ラビは友だちと遊ぶのがおっくうになっていました。
今は、お父さんの残した発明品に囲まれて1人でのんびり暮らしています。
 ラビは自分は発明家ではありませんが、
色んな商売を思いつく天才だと考えていました。毎日新しい商売について頭を巡らせています。

 つい先

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【創作童話】つっこみねこみーこ あさからよるのひ

【創作童話】つっこみねこみーこ あさからよるのひ

つっこみねこみーこが
あさ、めをさますと
よるでした。
「それあさじゃないでしょ。
 よるでしょ。いや、あさか。」

あさなので、
みーこはおきることにしました。
おにいちゃんねこは
グーグーねむっています。

だれもおきてこないので、
みーこはじぶんで
したくをして、
よいこのこねこえんに
いくことにしました。

「よいこのってなに。
よいこねこえんでいいでしょう。
いや、よいこでもいいか。」

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【創作童話】ぼくん家のトラベルエレベーター

【創作童話】ぼくん家のトラベルエレベーター

①どうして僕の家は2階建てなんだろう。
3階建ての家の子もいるし、10階建ての子だっている。
10階建ての家の子は、エレベーターで登って、自分の家まで行くんだって。
いいなあ。僕の家にもエレベーターがあればいいのに。
今日学校で友だちと話したことを思い出しながら、お風呂に入った。

②お風呂から上がって、洗面所で歯をみがいてたら、いきおいよく妹が入って来て、ドアを閉めてこう言ったんだ。
「このエレ

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【創作童話】どうして坊やと迷惑の木

【創作童話】どうして坊やと迷惑の木

小さなネズミの男の子のちび坊は、4匹の兄と3匹の姉と暮らしています。
ちび坊には知りたいことがたくさんあります。
「どうして夏は暑くて冬は寒いの。
どうしてお金でものが買えるの。
どうして大人は働いて子どもは働けないの。」

知りたいことを思いつくと、ちび坊はすぐ、そばにいる家の人や、友だち、先生に聞いてしまいます。教えてくれる時もあるし、誰もわからない時もあります。

あんまりどうしてどうしてと

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【創作童話】カギ

【創作童話】カギ

①工場での仕事を終え、ボクはいつもの時間に、いつもの夕ご飯を食べていた。
いちいち考えることはめんどうだし、毎日同じものを食べてもちっともあきない。
これがボクのいいところだ。誰にもじまんできないけど。
チリンチリン

②めったになることのないドアのベルがなった。
「ラビンさんいますか。お届けものです。」
届け物は田舎の母さんからだ。
「そうか。今日はボクの誕生日だった。」
中には手紙とカギのかか

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【創作童話】おかしなギフトハガキ

【創作童話】おかしなギフトハガキ

学校が終わって、家に帰ると玄関に封筒が置いてあった。
封筒には、漢字でも英語でも無いような見たこともない言葉。どちらかと言うと記号みたいなものが書かれている。

これなんだろう。
だれのだろう。
兄ちゃんのだったら開けたら絶対に怒られるけど、どうしても僕は開けたくなった。

それに記号は何を書いてあるのか分からないはずなのに、なんだか僕宛ての手紙のような気がして仕方ない。
怒られたっていいや。開け

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