記事一覧
漫画原作『奪われてもいい、君になら。』第3話
◇第3話◇
◆ベッドルーム(朝)
2話の翌日。
キングサイズのベッドの上で目を覚ます椿。
椿「ここ……どこ」
目をこすると、ぼやけた視界にいつもとは違う風景が映る。
目の前にははだけたバスローブから覗く栢の胸板。
椿「……⁉」
驚いた椿は飛び起きる。
隣には紺色のバスローブを着て眠る栢の姿があった。
美しい寝顔に見惚れて数秒。昨日のできごとを思い出す。
椿(そ、そうだった。私
漫画原作『奪われてもいい、君になら。』第2話
◇第2話◇
◆学校・正門の前(夕方)
椿の肩から手を離し向き合うような形で立つ栢。
栢「昨日はどうも」
椿「と、どうしてここに」
栢「血の匂いをたどった」
椿「そういうことを聞いてるんじゃなくて!」
自分から出た大きな声にはっとする椿。
周りの生徒たちは栢と椿の会話を聞いてコソコソと話す。
女子生徒「あの人、今、血の匂いって言わなかった?」
女子生徒「吸血鬼ってこと?」
女子
漫画原作『奪われてもいい、君になら。』第1話
あらすじ
人と吸血鬼が共存する世界で椿は雪平家の長女として生まれた。
雪平家に生まれた人間は吸血鬼にとって最も価値のある赤蜜(しゃくみつ)という血をもつが、椿の体に流れる血は赤蜜ではなく飢餓状態の吸血鬼でさえも拒むFランクだった。
それにより家族から虐げられてきた椿。
ある日、椿は道端で倒れていた吸血鬼・栢を助ける。
栢は自分を助けた椿に楔学園への転入とパートナーとしての入寮を提案する。