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【海外生活】海外の名門大学に進学。自分は他人よりも優秀で特別だと思っていた。でも、そうではなかった【カナダ】

自分が長年目標としていた大学の最難関学部に英語力ゼロから進学できたので天狗になっていたのですが、やはりなかなか大学の授業では発言できないしグループワークでは思ったように貢献できない。クラスで最低点も取りました。本当に情けなかったのですが、僕のいけなかったことはそれを英語力や文化の差などといった環境のせいにしていたことです。

インタビュー本文より抜粋

無事に海外名門大学に入学し順風満帆に思われた大学生活ですが、そこにはたくさんの葛藤や苦悩がありました。

いろんな業界のプロフェッショナルにインタビューさせていただく「カナダ・バンクーバーの今を生きる日本人」ですが、この第20回目は新しい試みとして2023年の春にバンクーバーにあるブリティッシュ・コロンビア大学を卒業した日本人の方に大学生活のリアルなお話を伺いました。匿名でのお届けとなりますのでここではAさんとお呼びすることにします。人の数だけ物語がありますが、その1つとしてリアルな23歳海外留学生の生き方や想いを少しおすそ分けしてもらった記事がこちらです。

さまざまなバックグラウンドやキャリアを持つ人々が集まる町、カナダ・バンクーバー。そこで活躍する日本人の方々とこれまでのステップや将来への展望を語り合う「カナダ・バンクーバーの今を生きる日本人」。それではどうぞ!

※この記事は幻冬舎GGOに寄稿した記事になります


カナダ・バンクーバーの名門大学へ進学

UBC図書館の写真提供@Aさん

──海外進学の理由は何でしたか?

高校三年生の当時は気がついていませんでしたが、今振り返ってみれば日本で大学受験をするのが怖かったからだと思います。

というのも中学時代にいじめに遭っていて、その頃からいじめっ子達に対して「勉強を頑張ってお前らには絶対に届かないところまで行って、絶対に将来見返してやる」と高校受験に向けて猛勉強したにも関わらず、受験には失敗。その結果、彼らのうちの何人かと同じ高校に進学することになってしまって、その頃から自分の努力が報われないことに対して恐れを感じていました。

そんなことがあった影響でとても懐疑的な人生観を持っていて、大学受験という制度自体も批判的に捉えていました。

「高校2、3年生でどれだけ勉強ができたかで大学名が決まる。その大学名で就職先が決まる。そして、その就職先で自分の人生のポテンシャルまで決まってしまう。ってことは高校の勉強が得意かどうかで人生決まってしまうんじゃないか。」

そんなことを思うと余計に大学受験に対して萎縮してしまって、だったら高校一年生の時の短期留学で初めて自分自身をさらけ出せたバンクーバーにある一番トップの大学に行こう、と思い海外大学進学を決意したんだと思います。海外大進学には日本のような受験制度が無いですし、在学中の学び・研究環境も充実しているのも理由の1つです。

──進学に対する親御さんの反応はどんなものでしたか?

やはり初めは大反対でした。わざわざ海外に行く意味がわからない、交換留学で良いじゃないか、危なくないのか、就職は出来るのか、など質問責めに合いました。ただ、それでも僕の将来の夢や大学に求めることについて真正面から向き合ってくれ、数ヶ月間話し合いをした後、最終的には背中を押してくれました。

高校生ということもあり家族の前で正直になることが難しかったのですが、その時に初めて本音で話すことができ、自分の人生にとって大きな転換期だったと思います。

──バンクーバーはどんな街でしょうか?

大自然の中に街を作ったような場所で、山、海、川、ビーチなど大都会にいながら大自然を感じてのびのびと生活できる街だと思います。また、いい意味で他人に興味がない人が多いです。集団の利益よりも自分の信念に沿って生きることが良しとされる社会な(気がしてる)ので、自分は自分、他人は他人という境界線が日本よりも明らかに濃いです。

また、人間が人間らしく幸せになれるよう努力している人が多い街だと思います。夏の気候は最高なんですが、冬は寒い×毎日雨のダブルパンチなので、気を抜くとメンタルがやられます。そんなこともあり、日頃からバンクーバーの自然環境を生かしたアクティビティやヨガ、筋トレ等に取り組み健康な食生活を心がけることで、能動的に自分の一日を良いものにしようと努力している人が多い印象があります。

ただ、そんなサステナブルな印象とは裏腹に、住宅価格の高騰、スラム・ホームレス問題、メンタルヘルス、薬物使用の非犯罪化などといった深刻な課題も抱えています。

写真提供@Aさん

──大学はどのように選びましたか?

高校一年生の時にバンクーバーで短期の語学留学をした経験があったため、大学留学するのであればバンクーバーに戻りたいと考えていました。

短期留学中にブリティッシュコロンビア大学(UBC)のキャンパスツアーに参加して、その時に見たキャンパスが本当に美しくて、「どうせ海外大学を目指すならUBCを目指そう」と思いUBCを志望していました。巨大なキャンパスの中に美しい建築が何ヵ所もあり、なんとそのうち図書館は10個、大量の学生寮、飲み屋街、ジム、森、ビーチまであり「なんだここは!こんなところで大学生活を送ってみたい!!」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。

また、大学卒業後は北米に残ることも視野に入れておきたかったため、移民政策が比較的寛容(カナダでは大学卒業後に3年間の就労ビザを取得可能、アメリカ大学卒では文系は就労ビザが1年間のみで就職・永住権取得はかなり難しい)かつ、日本での就職も考慮してある程度規模が大きくネームバリューのある大学を選んだ結果UBCになりました。

高校卒業後、すぐにUBCに入学できればベストだったのですが、英語力が足りなかったので、まずはCommunity College(通称コミカレ)に進学しました。コミカレとは准学士号や専門職業コースを開講している大学のことで、四年制大学に比べ入学基準(英語力・成績・エッセイなどが問われる)が緩く、学費が安いため、まずはコミカレから留学生活を開始しました。
大学進学あたってお世話になったエージェントの提携校の中から、編入実績と留学生のサポートが最も充実している大学を選び進学しました。コミカレにて英語の勉強と1年次の講義を履修し、2年生からUBCに編入しました。

──学費や費用について教えてください

UBCの学費: 約500万円/年間
  ・1クラス(3単位)50万円程で、年間10クラス履修
  ・単位数によって学費が変わる
  ・落単するとその分さらに学費がかかる
  ・一般的に卒業には40クラス(120単位)の履修が必要

Community College: およそ100万円/年間
  ・学費システムはUBCと同様

バンクーバー市内での生活費(カナダドル)$500〜$1,000/年間
  ・
キッチンが無い寮などでは、大学内のレストランで食事を取ることになるため食費がかなり高額になる

市内のマンション家賃:$1,200ドル〜$2,000ドルほど

※※切り詰めれば$400〜$500 + 家賃$900ほどでやりくりは可能

Aさんの経験に基づいて算出

──受験は具体的にどのような感じでしたか?

コミカレ受験は高校の成績証明書・TOEFLスコア・エッセイ・推薦書の提出が求められました。コミカレは出願すれば基本的に合格するので、提出書類に不備がなければ問題ありませんでした。推薦書は高校三年生の担任の先生と部活の顧問の先生にお願いをしました。
UBCの受験は日本のAO入試をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。受験に必要だったのは、以下です。

  • UBCでの1年次必修科目をコミカレで履修したとの証明書

  • コミカレでの成績証明書

  • TOEFLスコア

  • 推薦書(3枚)

  • エッセイ

  • オンライン面接

編入出願までに履修が必要な単位があり、それらを在籍するコミカレで履修します。無事編入試験に合格すれば、それらが一年生で履修した講義として認められ単位が移行されます。学部にもよりますが、僕の進学したビジネス学部では経済学入門、数学、会計学入門、英語のライティングの単位が求められました。

コミカレの入学基準がTOEFL61で、ギリギリ基準値を超えて63。文法は大学受験の勉強をしていたのである程度はできました。
ただ問題はコミュニケーションを取ること。渡米当初は楽しさもあってノリと勢いでなんとか友達を作り、そこで仲良くなった友達とルームシェアをして四六時中一緒に勉強して一緒に遊んでいると、いつの間にか話せるようになりました。留学開始時は皆友達を探しており、そこで知り合った人とは長い付き合いになるので、積極的に声をかけてよかったなと思います。

──1人で渡加されていますが、来た当初の精神的な不安はなかったですか?あったとすればどう乗り越えましたか?

来た当初は不安全くなく、念願のUBCだ!と毎日楽しんでいました。三年生の後半から就活や周りの学生との学力の差に不安を感じていました。まだ乗り越えていませんが、やはり自分の弱さを認めることとそこからコツコツ努力することに限ると思います。

授業や周りの生徒の雰囲気

UBC教室の写真提供@Aさん

──授業はどんな雰囲気・形式で行われますか?

UBCでは、1,2年生で履修する入門レベルの授業は大講義室でのレクチャー形式が多かったです。学年が上がるにつれ少人数での講義となり、グループワークでの討論やリサーチ、プレゼンが増えました。年次が上がると同じ教室に日本人がいることはまずないので、自分を追い込むには良い環境だと思います!

コミカレは規模が小さいため、入門レベルの講義も30名ほどの規模で行われるため教授との距離が近く、英語力が低かった自分には最適な環境だったと思います。

──どのように友達を作りましたか?

コミカレでは授業中にハイチュウを配りました。またサークル活動に積極的に参加することで同じ趣味を持った人と出会うことができます。

──想像していた海外での大学生活と実際のギャップはありましたか?

想像していた勉強内容と大きくは違わないですが、自分との戦いがこんなにもきついとは思っていなかったです。アウトプット型の課題とグループワークが多く、学生生活のほとんどを勉強が占めることになります。なので明確な目標を持って勉強に取り組まなければ、なんのために勉強しているのかがわからなくなります。

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その結果、課題に手がつけられない & グループワークで貢献できないので、自己肯定感を保つことが難しくなり、モチベーションが無くなり、バンクーバーの厳しい冬の気候にやられてメンタルが折れます。

──海外の学生にとって大学とはどんな場所だと感じますか?

学部によっても変わりますが、僕の在学するビジネス学部では職業訓練校のような役割も担っているので、「とりあえず大学くらい出とくか」ではなく、将来のキャリアプランに沿った目的を持ち、それを達成する手段として勉強をするために大学に進学している人が多いと思います。

──学業とアルバイトの両立は可能ですか?

可能だと思うし、両立すべきだと思います。勉強の良い息抜きにもなりますし、職場での出会いも留学生活を充実させる重要な要素だと思います。

海外での大学生活が気づかせてくれたこと

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──海外に来てみて感じた日本もしくは日本人の良さは何かありますか?

僕が現地で日本人と一緒にいて思うのは、やはり同じ文化を共有しているため分かり合い易いことと、ホームパーティー後の後片付けやイベントでの荷物の出し入れといった面倒臭いタスクを率先して行うことです。現地では平気で他人の机の上に土足で足をのせている人をよく見ますが、僕はそれがマナー違反の日本文化が好きです。

また、自分自身が日本人であるということだけで信用度が上がり家探しが楽になったり、アニメや寿司などといった海外でも人気な日本文化を通して友人ができることも良さだと思います。

──人種・文化の多様性の良さはありますか?

多様な価値観が混ざり合っているため、社会的なべき論や常識に捉われるのではなくて「自分がどう思うか」に価値があると感じます。自分の意思をしっかり持ってさえいればイキイキと暮らせるんではないでしょうか。

──海外へ進学して苦労したことを教えてください

モチベーションを保つことと、自分自身を認めるということです。
健康な食生活や運動などを過小評価していたのですが、日々のモチベーションや一日の充実度はそれらによって大きく左右されることを身をもって学びました。海外で日本のような娯楽が少ない分、毎日ストレスを溜めずに生活することが非常に難しかったのですが、答えは単純でしっかり運動して健康的な食生活と規則正しい生活を心がけることです。

あとは、自分が長年目標としていた大学の最難関学部に英語力ゼロから進学できたので天狗になっていたのですが、やはりなかなか大学の授業では発言できないしグループワークでは思ったように貢献できない。クラスで最低点も取りました。本当に情けなかったのですが、僕のいけなかったことはそれを英語力や文化の差などといった環境のせいにしていたことです。

本当に必要だったことは自分よりはるかに優秀な人はごまんといることに早く気づくこと、自分の現在地を認めそこから目標に向かって一歩一歩努力することの大切さに気づくことでした

これはいまだに苦労していますが、さっさと無駄なプライドは捨てて自分の弱さを認めないと取り返しがつかないことになるぞと心底焦っています。

──この経験から自信がついたことを教えてください

まだ卒業前なので、まずはしっかり卒業をして、そうすれば自信がつくかなと思います。(現在は卒業済)

大学生活を通して学んだことは、本当に優秀な人は本当に優秀なので、自分と彼らを比べて嘆くことはさっさとやめて自分のペースで自分がなりたい自分に近づくよう努力するしかないことを学びました。

また、自分の価値観に沿って生きることの大切さと、プロセスを楽しむ重要さを学ぶこともできました。多様な価値観に触れる機会に恵まれたことと「お前はどう思うんだ?」と意見を求められることが多かったため、おのずと自分の人生をどう生きたいのかを考えることが多くなりました

人間として全く成熟していない時期に海外に来たため、文化や常識の差に苦しみ自分を見失いましたが、その経験は自己を形成するかけがえのない財産だと思っています。

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プロセスを楽しむ重要さに関して、大学での専攻を決める際にバンクーバーでの日本人起業家の方数人とお会いした際に、全員が不動産業界で成功されていたので、「バンクーバーで成功するには不動産しかない!」と思い込んでいました。なので大学ではビジネス学部で不動産ファイナンス・経済について専攻するという、非常にゲスい動機で専攻を決めてしまいました。

加えて、大学を卒業した際に日本でいう宅建資格が取得できるため、移民として就職するのに有利だろうと思い不動産を学ぶことにしたというのもあります。ただ実際に学んでいることを100%楽しんでいるわけでは無いため、このまま卒業後は不動産業界で働きたいとは考えてはおらず、他業界他職種も視野に入れて就活をする予定です。

この経験で学んだことは、自分の将来の肩書きや可能性よりも大切なことは自分は目の前のことを楽しむことができるかという視点だということだと思います。周りの学生を見ているとやはり勉強内容を心から楽しんでいる学生は成績も良く成長度も段違いです。最も効率的に思えるような人生の選択肢であっても、自分が成長し学ぶのはそのプロセスの中です。この専攻なら将来成功できる(かも)、やこの専攻なら将来就活で楽できる(かも)といった軸で人生を選択することは大きな間違いであったと思っています。

これは今後の就職活動でも同じことが言えるので、反省を活かして今後の選択をしたいと思っています。

海外留学を経て、そこからどのように生きるか

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──夢はありますか?

「大好きなバンクーバーの街並みの一部を不動産デベロッパーとして自分自身で作り上げる」と壮大な夢を語っていました。ただその夢は毎日の大学生活に半ば無理矢理に理由付けをして「自分は正しい方向に進んでいる」と自分自身を納得させるため、そして周りの人からどう思われるかを気にして立てた空っぽな夢だったと思います。

なので今は夢はありませんが、今の目標は毎日寝る前に「あ〜〜今日もいい1日だったな。」と思ってベッドに入ることです。

──卒業後はどうされますか?

東南アジアかアフリカで2ヶ月ほどバックパッカーとして放浪して、その後のことはそれから考えます。小学生の頃から自転車で世界一周を果たした坂本達さんに憧れていて、いつか彼のような生き方をしたいと思っていたので、ほんの少しですが似たような経験ができればと思っています。

──もし自分が高校生に戻れるなら、海外への留学・進学をより有意義なものにするためにどんな準備をしますか?

海外大学に来て後悔は全くありませんが、もう一度行けと言われれば絶対に行きたくないので、高校生には絶対に戻りたくありません。が、もし準備するとすれば英書(できればフィクション)を楽しく読むこと。僕のようにトラディショナルな公立中高の英語教育を通して英語の勉強をすると、長文を読む小手先のテクニックを教わるのみで、もっと本質的なところ、例えば読み物を楽しむことや作者の意図を理解することなどがすっぽり抜け落ちています。

これは留学をする全ての人に知ってほしんですが、センター試験の長文やTOEICの問題などでは、わざとわかりにくく書かれた文章から情報を効率的に拾い出して問題に答える能力が問われるため、あまりそれの練習をしていても意味がなかったなと思います。大学に進学すると膨大な量の読み物があるので、それらを日本で習った方法で読破していくのは苦痛でしかないです。

──海外生活、学業を頑張るにあたり、ご家族があなたのためにできるサポートは何だと思いますか?

留学生はアルバイトの時間・場所等が規制されるため、日々のお金の管理能力には十分気を遣って欲しいです。僕は家族からの仕送りに頼っているため、お金の価値を理解するのに時間が掛かってしまいました。

海外留学・海外進学を考えているあなたへ

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──未成年の親御さんに伝えたいメッセージはありますか?

難しいですが、僕は自分の自己中心的な目標に対して背中を押してくれた両親を心の底から尊敬していますし、将来自分に子供ができた際は同じようにしてあげたいと思っています。

──生徒さん自身に伝えたいメッセージはありますか?

今から海外大学を目指す人は、あまり難しいことを考えずにチャレンジすべきだと思うし、周りの人はぜひ背中を押してあげて欲しいです。

唯一アドバイスするとすれば、物事を選択するときの選択基準として前の話にもありましたが「目の前のタスクに目的意識を持ってプロセスを楽しむことができるか」という視点を持つこと。

海外大学進学は意外と簡単にできます。また、海外での卒業生向けの選考があるなど、就活を有利に進めることができますし、日本の友達からは羨ましがられるかもしれません。ただその肩書きや将来自分が得られる周りからの評価に囚われることなく、慣れない海外で一人で暮らしや鬼のような課題に対処しながら、課外活動や就職活動もしなければいけない、そしてそれらは日本の大学生が過ごすようなバラ色大学生活とは完全にかけ離れたものであるという現実にも目を向けてください。

そして、それらのプロセスを楽しむことができるか、それは自分の人生のとって必要な経験なのか、という判断軸を念頭に置いて進路を決めていただければと思います。

編集後記

まとめnoteでもたびたび触れてきましたが、海外生活や留学というのは夢や希望に溢れている反面もあると私は思っています。海外大学への進学をゴールとし、どのように4年間を過ごすかイメージしている方もしくは実現できている方はどのくらいいらっしゃるのでしょう。

Aさんとは1年ほど前に知り合ってその頃から大学生活についてお話を聞かせてくれていたのですが、ある日ふと会話の中でAさんの本音というか見栄のないありのままの後悔、葛藤や将来への不安を話してくれました。その話を聞いた時から、Aさんの経験したことや考えというのは、日本にいて留学を考えている生徒さんやその親御さんに発信しなくてはいけないと強く感じましたし、その時に溢れた言葉が必ずこれから海外に来る人たちに多くの気づきをくれるきっかけになると確信していました。

最初インタビューをオファーした際、無理に美談にしないでくださいとお願いしました。あなたの等身大でリアルな経験と言葉だからこそ届く思いがきっとあるはずなので、と。このインタビューを通して、Aさんもキラキラしていない本音を出すことで、自分自身と向き合うきっかけにもなったと話してくださいました。思っているだけでなく言葉や文字にするのは、やはり刺さりますし苦しいプロセスであったかもしれません。それでも最後まで協力してくださり、本当にありがとうございました。


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