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東日本大震災から13年目|津波の脅威を知らしめる被災校舎をそのまま遺した気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館の夜を歩く|散策記

宮城県気仙沼市には、東北沿岸部の中でも特に大規模な震災遺構が遺されている。

気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館
住所:宮城県気仙沼市波路上瀬向9-1
電話番号:0226-28-9671
開館時間:
4月-9月:9:30~17:00(最終受付16:00)
10月-3月:9:30~16:00(最終受付15:00)
休館日:毎週月曜日、年末年始
料金:200円〜600円
※電子決済利用可能

気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館

三陸復興国立公園岩井崎の近くに遺された建物は、旧気仙沼向洋水産高等学校の建物そのものであり、東日本大震災当時の光景を部分的に遺したものである。

つまり高等学校の校舎に入り、当時の被災状況を目の当たりにできる。気軽に入って内部を見られる被災学校を利用した震災遺構としては、現状陸前高田市の旧気仙中学校を併せてもそう多くない。

2024年3月10日、通常開放していない夜間の開放が行われた。気仙沼東日本大震災遺構・伝承館にはこれまで何度か訪れているが、夜間訪れた経験はない。そこで夜間開放が行われた午後6時、陽が沈むかどうかの宵闇が辺りを覆う時分、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館へと足を踏み入れた。

東日本大震災から13年目-2024年3月10日の夜間に開放された気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館の景色

ここからは、主に写真を掲載する形で、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館の内部を紹介しようと思う。

上記の記事と見比べながら読むと、昼の様子と夜の様子を対比しながら内部を知られると思う。

吹きさらしになった窓からイルミネーションが見える教室風景
夜の学校というだけで独特の雰囲気がある
観覧用に整備はされているが、やはり震災の爪痕のようなものは窺える
上階に行くほど闇が濃くなる
当時は何ら光がない中、波によって車が押し寄せていたと考えるだけで怖気が走る
壁を破壊する波の勢いが感じられる
壊れていない物がない。夜の雰囲気が不気味さを醸し出す
塩を被ったPC
非常階段は整備されている。夜の学校というだけで雰囲気がある
2024.3.11にあわせてイルミネーションが用意されていた
屋上では、ガイドの話に聞き入れる人々の姿が見られた
屋上から見える景色①
屋上から見える景色②
屋上から見える景色③
砕けた屋上付近の壁。どれだけの高さまで津波が到達したかをまざまざと見せつけている
校舎と校舎の間に挟まった車の残骸
夜はがらんどうになった教室が一層胸を締め付ける風情を醸し出していた

夜間に開放された気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館の内部の様子

この日は、これまであまり見られなかった夜間開放であり、また東日本大震災から13年目を迎える節目でもあったためか、NHKの報道陣も訪れていた。というより、報道陣が多かったように思う。

夜間開放に伴いガイドも行われていたが、取材陣に加えて震災遺構関係者や3月11日にあわせて東日本大震災に思いを寄せる人々の集まりが見られた。施設内では、地元高校生による防災への取り組みの発表展示が行われているなど、追悼と未来の両方が内包された施設になっていたように思う。

繰り返しになるが、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館は、東北でも数少ない当時の被災校舎の姿を直接目の当たりにできる施設である。津波の脅威がどれほどのものか知る上で、一度は見ておいて好い施設だと考える。

まだ見た経験のない方々は、ぜひ一度気仙沼市を訪れ、津波の脅威を通じて防災への意識を高めて欲しい。震災遺構を通じて、未来の自然災害被害者が一人でも多く減ることを願ってやまない。


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