卯津羅泰生

デジタルヘルスの視点から新たなプロジェクトに挑戦しています。企画設計やビジネスモデルデ…

卯津羅泰生

デジタルヘルスの視点から新たなプロジェクトに挑戦しています。企画設計やビジネスモデルデザイン、各種連携、共創に係る調整、フィールド実証・評価・マネジメント、事業オペレーション等の際に感じた思いや考えを徒然なるままに綴っております。

最近の記事

リビングラボ研究(その5)

今回は、一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィスという組織を見つけました。 コンセプトは、「YOKOHAMAリビングラボサポートオフィスでは、「サーキュラーエコノミーplus」をビジョンに掲げ、「ローカル・フォー・ローカル」「ヘルスプロモーショ ン」「パラレルキャリア・ディーセントワーク」「サステナブルデベロップメント」という4つの活動領域を中心として公民連携によるオープンイノベーションを推進していきます。」となっています。 横浜市内にある6つのリビングラ

    • リビングラボ研究(その4)

      今回は、「大牟田未来共創センター」です。 ■所在地:福岡県大牟田市 ■URL:http://poniponi.or.jp/  ■主宰者:一般社団法人 大牟田未来共創センター ■主な参加機関(あくまで事例):大牟田市、NTT、NTT西日本、他 ■コンセプト:「認知症があっても住みやすいまち」をテーマにした組織「大牟田未来共創センター」が中心となり、パーソンセンタードを軸とした取り組みを行なっている。福祉をかなり広義に捉え、住民生活の課題や地域経営に関するシンクタンクな

      • リビングラボ研究(その3)

        今回は、「こまつしまリビングラボ 」です。 ■所在地:徳島県小松島市 小松島市は、徳島県の東部中央、紀伊水道沿岸に位置します。 人口:約3万8千人(平成30年6月現在) 面積:45.37㎢ ■URL:https://kll.itlab.org  ■主宰者:徳島大学 人と地域共創センター ■主な参加機関(あくまで事例):徳島大学、小松島市、JA東とくしま ■コンセプト・特徴:生活者目線で、市民、企業、起業家、大学、行政が集まり、化学反応を起こすことで、生活環境のイ

        • リビングラボ研究(その2)

          今回は、「スナバ」です。 ■所在地:長野県塩尻市 ■URL:https://www.sunaba.org/living-lab  ■主宰者:塩尻振興公社 ■主な参加機関(あくまで事例):ソフトバンク、リクルート、他 ■コンセプト・特徴:シティプロモーションと人材育成。シビックイノベーションに3つの視点からアプローチしています。①リビングラボ 、②子ワーキング、③アクセラレーター。 リビングラボ の主なメニューとしては、①アイデアソン、②テストマーケティングとしての

        リビングラボ研究(その5)

          リビングラボ研究(その1)

          今後、全国のリビングラボについてWebベースですが調査した情報を提供していきたいと思います。 今回は、「幸雲南塾(こううんなんじゅく)」です。 ■所在地:島根県雲南市 ■URL:https://www.co-unnanjyuku.com/ ホームページの更新も定期的にきちっとされているようで積極的に活動されているようです。 ■主宰者:雲南市/2011年〜活動開始(雲南市が主催する次世代育成事業「幸雲南塾~地域プロディーサー養成講座~」として開講。社会起業や地域貢献を志

          リビングラボ研究(その1)

          ウィズコロナ・ポストコロナ時代に対応した後期高齢者世代を対象としたリビングラボ

          後期高齢者(75歳)前後〜の高齢者世代を対象とした、ヘルスケアに焦点を当てたリビングラボを企画開発しています。これまでのように特定の場所に集ってもらいリビングラボを開催する手法のほか、在宅にいても簡単にリビングラボに参加していただけるモデルを地域で実証してみます。IT(Zoomやアプリ等)を活用するわけではありません。在宅にいる高齢者に上手くアプローチし、上手くコミュニケーションを取れるリビングラボを、まず大阪から開催していこうと考えております。 これからのリビングラボは、

          ウィズコロナ・ポストコロナ時代に対応した後期高齢者世代を対象としたリビングラボ

          新しい時代のリサーチホスピタルのあり方を考える(3)治験・在宅医療等のデジタル化

          3つめは新しい常体(ポストコロナにおける日常)における治験とか在宅医療(訪問看護等を含む)モデルに注目しています。 治験については、これまで病院等の実験的環境下で実施されるのがスタンダードモデルでした。また、創薬や医療機器開発については、これからもそうであると思います。 ただ、ここで注目する治験とは、デジタル治験というか、まち臨床と言うか、そういったものです。いわゆる暮らしビッグデータ(RWD)を集めて、医学的事象を導出(RWE)を構築するモデルに近いです。 また、鬱と

          新しい時代のリサーチホスピタルのあり方を考える(3)治験・在宅医療等のデジタル化

          新しい時代のリサーチホスピタルのあり方を考える(2)病院設備・環境のデジタル化

          (1)では診療・治療・看護等、まさにメディカルのフロントヤードの視点からリサーチホスピタルのあり方について言及しましたが、もう一つは、病院設備や環境、バックヤード業務のデジタル化・ソリューションに焦点を当ててみるアプローチです。 病院はまさに1つの町・村です。そのバックヤードには搬送とか清掃・消毒、給食、設備維持・管理等、実にさまざまな業務が存在します。しかしながら、意外とそうしたバックヤード業務をソリューションして事業を開拓しようという企業がまだまだ少ないのが現状です。

          新しい時代のリサーチホスピタルのあり方を考える(2)病院設備・環境のデジタル化

          新しい時代のリサーチホスピタルのあり方を考える(1)診療・治療・看護等のデジタル化

          現状、AIリサーチホスピタルをテーマに多くの大学・研究機関で附属病院のリサーチホスピタル化に取り組まれているようですが、そのほとんどが医療情報・診療情報の研究2次利用を中心としたAI開発やビッグデータの集積とデータシェアリング機能の構築のように見受けられます。(間違っていたらごめんなさい!) 個人的には、もっと現場の課題に即した解決を実践する場(取り敢えずやってみる場)が必要のように思います。データサイエンスは非常に重要ですが、もっとモノづくりやコトづくりで解決できる課題が

          新しい時代のリサーチホスピタルのあり方を考える(1)診療・治療・看護等のデジタル化

          あったらいいな、健康くらしバイオ情報基盤を軸としたデータ連携基盤

          この図はあくまで個人の妄想です。関西で日々事業化支援に携わる身としては、神戸(神戸医療産業都市)や大阪(うめきた、健都等)が連携・共創してデータ連携基盤を構築できればといつも思っています。 しかしながら、以外と自治体間の競争意識は高く、変な意味で「競争の場」となってしまっています。骨太の方針2021では、都市OSを核として多核連携を推進し、データ連携・流通基盤を整備する方向性が書かれていますが、実際の現場ではそれほど連携意識が高くないのは寂しい限りです。 クラスターも連携

          あったらいいな、健康くらしバイオ情報基盤を軸としたデータ連携基盤

          これからの医科学研究に求められるあり方

          これまでの大学医学部における医科学研究においては、みなさんも良くご存知のように、[臨床・研究・教育]がその3本柱となっています。これからも、この根幹は揺るぎないでしょう。 ただ、デジタルヘルス、DX、データ駆動型社会、分散型国造り、多核連携等の視点からイノベーション創出を見出す時、もう少し拡大解釈して取り組みたいと考えています。 「臨床」の世界はこれまでアカデミア(学内)のクローズドな世界が中心でしたが、これからは『まち臨床』となるでしょう。キーワードは、在宅、地域、遠隔

          これからの医科学研究に求められるあり方

          ヘルスケア実証&実装支援プラットフォームがなぜ必要か

          ヘルスケア分野においても、様々なヘルステックを核としたスタートアップの登場や、既存企業による新規事業創出が注目されていますが、その事業創出の根幹を支えるフィールド実証支援や事業化を見据えた実装支援等についてあまり話題になることは少ないです。 そうした支援や共創等は、各自治体の産業支援部門や産業支援機関(多くは外郭団体化)、大学の産学連携部門等が担っているというのがこれまでの一般的な考え方でした。 ただ、そうした支援セクターが下記のような様々な課題に対応できているかといえば

          ヘルスケア実証&実装支援プラットフォームがなぜ必要か

          大阪のヘルスケア・スタートアップ事情

          数日前、関西の某産業支援機関の仲間と話をしましたが、10年前に比べ、大阪圏におけるヘルスケア・スタートアップは格段に減少しているそうです。京阪神でのスタートアップを対象としたピッチでも、だいたいいつも登場人物が似通ってきており、東京圏との差は大きくなるばかりとのことでした。いろんな機関でさまざなイベントやピッチ等が開催されていますが、見栄えは良くても、その足下は非常に脆弱なのが実情です。ひどい場合には、ピッチに後援する大企業がスタートアップのアイデアをパクるような事もあったと

          大阪のヘルスケア・スタートアップ事情

          従来からの領域に魅力は無いのか?注目したい「福祉」領域

           ヘルスケア分野の中でもデジタルヘルスの領域ではありませんが、従来からの領域として注目したいのは「福祉」領域であると考えています。私は、この領域に詳しくはありませんが、データ駆動型社会、Society5.0、エリアマネジメント、コンパクトシティ等といった言葉がバズワード化している現在、なぜか福祉領域に切り込んだDX※ビジネスがほとんど見受けられないのが不思議であり、不安でもあります。  これまで、福祉はビジネスにしてはいけない、福祉で儲けてはいけないといったステレオタイプ的

          従来からの領域に魅力は無いのか?注目したい「福祉」領域

          ヘルスケア分野における「デジタルヘルス」領域の位置づけ

           前章で言葉の定義をしました。「ヘルスケア分野」を1つの産業分野として位置づけ、自動車産業や住宅産業、家電産業、食品産業等と並列するものとしてヘルスケア分野(ヘルスケア産業)を定義づけしました。なお、ヘルスケアは横串コンセプトでもあり、自動車産業や住宅産業、家電産業、食品産業等においてもヘルスケアというコンセプトは随所に取り入れられるようになってきています(いわゆる横串コンセプト)。なので、ヘルスケア分野は他の産業分野に比較すると非常に多種・多様・多層・多軸構造の産業分野だと

          ヘルスケア分野における「デジタルヘルス」領域の位置づけ

          健康・医療分野、ヘルスケア分野等の定義・領域を考える

           新たなヘルスケア分野の産学連携・産業支援のあり方を考える前に言葉の定義をきっちりと整理しておく必要があります。10数年以上前から健康・医療・福祉分野、ヘルスケア分野、eヘルスケア分野、医療・介護分野、健康・医療分野、メディカル・ヘルスケア分野等々さまざまな言葉によって当産業分野が呼ばれてきましたが、各種マスコミやコンサルティングファーム、シンクタンクでさえ明確な定義をせずにレポートをしているのが多い場合が実状です。  例えば、最近、デジタルヘルス・スタートアップ・グローバ

          健康・医療分野、ヘルスケア分野等の定義・領域を考える