ぶらうん太郎

関西出身、温泉がある田舎町に住む一児の母。旅とゲストハウスとローカル線と産直とおいしい…

ぶらうん太郎

関西出身、温泉がある田舎町に住む一児の母。旅とゲストハウスとローカル線と産直とおいしい食べ物と文章を書くことが好き。エッセイテイストの文が多いです。

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「心疾患」という身体ガチャを持ちながら、私は目一杯生き切りたい

誰しも、見た目にはわからない身体のいろんな事情というのがあると思う。 乗り物酔いしやすいとか、胃腸が弱いとか、頭痛持ちだとか、他にもいろいろ。 もちろん身体への様々なケアでそれらが改善することはたくさんあるけれど、しばしば体質や遺伝として片付けられるもの。やれやれ全くしょうがないなあ、と付き合っているもの。 私にとってはそのひとつが、生まれつきの心臓の疾患だ。 いや、それとこれとは質が違うだろ、とツッコむ人が多いと思う。生まれつきの心疾患なんて、食や生活リズムを見直し、根気

    • 息子のサイン

      最近、とにかく息子は自分の右手の親指をよくしゃぶっている。 指しゃぶりの行為自体は、かなり月齢の低い時期から寝入るためのツールとして用いられてきて、眠い時やお腹が空いたときにちゅぱちゅぱ。動くようになってからは、拗ねると決まって寝室に敷きっぱなしになっている自分の布団にどてっと寝転がって、いじけたように指をちゅぱちゅぱ。そのうち指以外のものに注意がいって自然になくなるかな、と都合よく考えてさほど声掛けはしていなかったが、最近、端から見れば機嫌よく遊んでいるときでも指しゃぶりが

      • 月~金で有休を取る勇気

        我が家では今、密やかに壮大な計画が持ち上がっている。 この夏、土曜日~翌週の金曜日までの6泊7日、旅に出たい。 私と夫は生粋の(?)旅好きである。何を隠そう出会いはゲストハウスなのだから。旅が私の人生を動かしてくれたと言っても全くもって過言ではない。 現住所も、どちらかというと「人が住む」というよりは「旅先」のイメージが強めな田舎の観光地である。お互いの地元でないこともあって、住み始めて5年以上が経過した今でも超長期の旅人気分がもしかしたら抜けていないかもしれない。多分抜

        • 好きがてんこ盛り

          梅雨の合間の真夏日だった土曜日、子どもを夫に預けてイベントに参加してきた。 まちなかから車で20分少々の、田畑が広がる静かな里山にある古民家で、梅仕事に勤しむというイベント。開催される場所といい、内容といい、案内を見た瞬間に素敵だなぁと一目惚れして申し込みし、楽しみにしていた。 イベント会場となった古民家に行くのは、今回が2回目。初めて行ったのは昨年の夏、小さな夏祭りが開催されるということで息子を連れて参加した。当時は息子の場所見知りが今よりだいぶ激しくて、知らない場所で知

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        「心疾患」という身体ガチャを持ちながら、私は目一杯生き切りたい

          あめさんぽとプラレール

          雨の日に、しとしとぱらぱらさーさーざざざとその時々で趣を変えて響く雨音を聞くのは決して嫌いではない。けれど、ひとたび2歳児を伴うと、子を満足させる遊びの選択肢がその空からの滴によって少しばかり減ってしまうように感じる、というのは多くの親御さんにとってあるあるではないだろうか。 公園の遊具はびしょびしょで使いたいとは思えないし、皆考えることは同じなので児童館やショッピングセンターのキッズスペースなど無料の屋内施設はとにかく混んでいる。そんな施設があるだけでとてもありがたいのだけ

          あめさんぽとプラレール

          夏至の日と父からのLINEと生命の誕生と

          一年で一番陽が長いのが夏至(短いのが冬至)。 夏至って聞くとめっちゃ夏のイメージだけれども、実際はまだ真夏という感じはない。むしろ夏の盛りはもう幾分陽が短くて、夏って儚いなぁといつも思う。(冬至も同じで、めっちゃ寒くなる前にもう冬至があって、実際に雪が降ったり寒さの底だったりする時期は幾分陽が長くなっている。) これが私の今までの夏至(と冬至)のイメージで、陽の長さという点以外にフォーカスすることはなかった。 しかし、どうやらこの夏至というもの、なんかものすごいエネルギー(

          夏至の日と父からのLINEと生命の誕生と

          じじばばまたいこうね

          GWに亡くなった夫の祖母の四十九日法要が行われるということで、週末は久々に隣県の夫の実家でお泊まりしていた。 夫の妹さん家族には4歳と2歳の甥っ子と姪っ子がいて、うちの息子も加えるとチビちゃんが3人。息子が1歳になる前には2回ほど皆で集えていたけれど、ここ1年半ほどは、計画する度に誰かが風邪をひいたり、我が家が全員元流行り病にかかったり、実に4回連続で計画が中止になっていた。その度に、残念だなぁと思いながら、どこもそんなもんよなぁ、といつも思うことを毎回つぶやくばかりだった。

          じじばばまたいこうね

          息子が久々に風邪を引いた

          息子、38.8℃で早退しました。明日仕事休めますか? その日、平日休みだった夫からのLINEを見て、「そっか。息子大丈夫かな。でも仕事休みたかったし、いいや。」と思った私は、1年前と比べていろいろなものの見方が変わったのだろうか。 2日ほど前から息子は朝方に声がかすれたり、咳をしたりしていたから、そろそろかな、と予感はあったところの発熱。でも、4月頭に体調を崩して以来、2ヶ月ほどはほぼ保育園を休まなかったことになる。昨年度は、鼻水はデフォルト、お腹がゆるくなると決まって熱

          息子が久々に風邪を引いた

          とにかくぎりぎりを生きている その②

          5分前まで保育園で息子にまとわりつかれていたのに、今はいつも通り職場の少し澱んだ空気を吸っている。この差、どこでもドア出勤とでもいうべきか。 それができるのは本当に助かるのだけれど(だからこそギリギリになるともいえる)、唯一デメリットを挙げるとすると、「小さい子を持つ家庭の母モード」から「働く人モード」へのスイッチの切り替えが遅れがちになってしまうことだ。 復職してすぐは、育休時代の時間にそこまで追われない、というか毎日授乳や朝寝、昼寝、その日の機嫌の具合によってどんなスケ

          とにかくぎりぎりを生きている その②

          とにかくぎりぎりを生きている その①

          珍しく早めに(といっても10分くらいの話だけれど)朝ごはんを食べ終えた。 今朝は夫が息子の相手をしながら洗濯物を干してくれるから、自分の身支度に集中できる。 きっと出発時間より少し早めに準備を終えられる。 …はずもなく。 今日はとーちゃんはお仕事でないと察した息子は、全力でとーちゃん構ってモード。そして夫は仕事ではないけれど健康診断を受診するために、保育園に行くよりも早く家を出なければならない。 結果。行ってらっしゃい♪と息子を抱っこして夫を見送った私の背後には、あえな

          とにかくぎりぎりを生きている その①

          動き始めた、5月

          3月頃から、エッセイ的なものをいろいろ書いてみたいという思いがあった。 小学生の頃から、とにかく文章を書くのが好きだったから。 でも長らくそんなことを忘れていたし、思い出してからも、書く時間を取ることへの優先順位を、なかなか上げられなかった。 平日は仕事、隙間時間はご飯の作り置きをはじめ家事をしたい。 子どもが寝た後は、早く寝ないと。(というか眠すぎてもたない) 所属しているオンラインサロンは、楽しいしいつも学びがあるから外したくない。この活動で私の文章書きたい欲が出てきた

          動き始めた、5月

          満たされること

          普段、夫との会話は、どうしても息子が中心である。 こんなことができるようになったとか、保育園でこんな様子らしいとか、これが困るとか。夫は息子と遊ぶのが本当に大好きなので、私が気付いていないような「これ、こんな反応するようになったよ。」といったことも報告してくれて、本当にありがたいと思う。 でも、ふと「子どもが生まれる前ってどんな会話してたっけ??」と思い出すのに時間がかかることがある。どちらかというと私がしゃべるのを聞いてもらっていることが多かったけれど、何を話題にしていたの

          満たされること

          【妄想エッセイ】の古民家のモデルのゲストハウスは、多分人生を終えるときの走馬灯にも出てくるだろう

          ここ数年、ずっと「いつか古民家に住みたい」と思い続けている。 耐震基準がどうとか、建付けが悪いとか、とにかく寒くて寒くて寒いとか、リノベーションなんてしたら新築よりお金がかかるとか、住むのに向かない理由を探せばきりがないけれど、何を言われても好きなのだ。懐かしいあの感じが。外の世界との境目が曖昧で、家にいても自然と一体となっているような、あの感じが。 でもやっぱりそんなことを言うと変な人認定されるのではないか、住めない理由を並べたてられて凹むんじゃないか(多分9割5分被害妄想

          【妄想エッセイ】の古民家のモデルのゲストハウスは、多分人生を終えるときの走馬灯にも出てくるだろう

          息子と二人の日

          職場を出ると、雨が降った跡がたくさんあって、自転車も屋根からはみ出していた部分はすっかり濡れてしまっていたけれど、その時は降っていなかった。 ラッキー、そのまま自転車で保育園のお迎えに行ける。 夫が久々に友達とおでんを食べに遠出をしたから、今日は息子と二人。 お土産に、その地の名産のお菓子をお願いしておいた。 行きつけの居酒屋さんでお気に入りのご当地メニュー、いいなぁ。遠方でも行きつけがあるって素敵だなぁと思う。夫はガツガツと新規開拓!というよりは、安定のお店や宿でほっと一

          息子と二人の日

          パンと聞くと飛び起きる息子のおやつは愛のズボラパン

          2週間前に、息子と参加した講演会の昼休み。参加者の一人の方が、愛たっぷりのおいしパンを差し入れてくれた。 一体、これだけ準備するのにどれだけかかったんだろう??と思うような量と種類で、パン作りなんて小さい頃に母親と専用の材料キットを使って作った覚えがあるくらいの私には、その行程すらあまり想像ができなかった。パン屋さんというのはとってもテンションの上がるところだけれど、パン作りは手間のかかるもの、センスがいるもの、特別な材料がいるもの、ホームベーカリーがいるもの、そんなイメー

          パンと聞くと飛び起きる息子のおやつは愛のズボラパン

          もういっかいよんで、と言ったから

          ぎゅうぎゅうねばねばぎゅうぎゅうねばねばぎゅうぎゅうねばねば この独特な言葉のリズミカルな響きが、息子の声と舌っ足らずな言葉たちとともに、最近私の頭の中を駆け巡っている。 2週間ほど前、息子が保育園から1冊の絵本を借りてきた。 息子が自分で選んだんだって。担任の先生が言ってたよ。その日お迎えを任せた夫から報告を受け、専用の袋に入れて持って帰ってきたその絵本は、息子が好きな乗り物でもアンパンマンでもきかんしゃトーマスでもなく、表紙には笑顔の納豆さんたちが描かれていた。なるほ

          もういっかいよんで、と言ったから