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【東大生就活体験記② 人生を考える就職活動】

こんにちは、東京大学ピアサポートルームのキャリアチームです。
キャリアチームでは東大生が自分のキャリアについて考える際の参考にしていただくため、東大生の就活や進学選択に関する体験談を投稿しています。
今回は東大生就活体験記シリーズ第2弾です!

学際情報学府修士2年、メーカー・鉄道内定(職種:事務系総合職)
主に見ていた業界:メーカー、インフラ(鉄道、電力)、総合商社

#東大生就活体験記 #文系院生 #グローバル

【東大生就活体験記② 人生を考える就職活動】

○どんなスケジュールで就活をしましたか?
 大学院に入学し、6月頃から就活を開始しました。最初は、選考が早い外資系のコンサルや金融を見ていましたが、夏のインターン選考に通過できませんでした。秋以降、改めて何をしたいのかを考えるために、自己分析と業界研究に力を入れ始めました。
 自己分析では、就活に関する本で自分の強みを深堀り、さらに生まれたときからの自分史を作成し、モチベーションが高まる状況を探りました。業界研究では、できるだけ多くの企業の説明会に参加し、興味を持った企業とそうでなかった企業を比較することで、就活の軸を精緻にしていきました。
 冬のインターンの募集が始まる12月ごろ、自己分析と就活の軸をもとに企業を選び、エントリーシートを提出しました。また、1月から就活仲間と週1回の面接練習をはじめました。その後、3月から本格的に選考が始まり、5月末に1社目、6月の1週目に2社目の内定を貰い、就職活動を終えました。

○就活の軸は何でしたか?
 就活の軸は3つありました。
 1つ目は、「ビジネスから新興国に関わることができる」です。学部時代、カンボジアの孤児に対して衛生教育に取り組んだことがきっかけで、新興国の人の生活を改善することに興味を持ち始めました。しかし、学生が主体となって行う国際協力は、経済的にも、能力的にも限界があると感じていました。より影響力があり、安定した国際協力を学びたいと思い、タイの国際機関で1年間インターンをしました。そこで、ASEAN域内の水産業の安定に取り組み、新興国支援のやりがいを改めて感じました。しかし、国が予算を出して行う国際協力は、当事者の気持ちに寄り添うものではなく、国(私の場合は日本国)の存在を意識したものであり、その点に違和感を抱くようになりました。この経験から、ビジネスから新興国の人々の生活を支えることで、現地の人の目線に立った国際協力ができるのではないかと考え、就職活動を進めていました。
 2つ目は、「プレーヤーとして働くことができる」です。私は高校時代、ラグビー部にプレーヤーとして所属し、さらに学部時代も空手道部で選手として活動しました。1つ目の軸で触れた国際協力の経験も含めて、自分自身がプレーヤーとしてなにかに取り組むことが好きだと分かり、将来もアドバイザーなどの立場ではなく、自分で事業を動かせる立場から社会に貢献していきたいと考えています。
 3つ目は、「自分の目標に向かって取り組んでいる熱い人と一緒に働く」です。これまで所属してきたコミュニティーのなかで「積極的に取り組むことができ、この人たちと一緒でよかった」と思えるものの特徴を考えると、「個々のメンバーが成し遂げたいことを考え、それに向かって取り組んでいる」ことが共通点としてありました。熱量高く働くことができる企業を選ぶために、会社のために働くだけでなく、自身が考える理想状態のために会社というフィールドで何を成し遂げられるかを考えている社員が多いかどうかを、OB訪問など社員の方と話す機会のある場で見ていました。
 就職先を最終的に決定するときも、この3点を主軸に「自分がやりたいことができるかどうか」と「どのような人がいるか」を強く意識しました。就職先では、東南アジアをはじめとした新興国でビジネスを展開しており、現地で商品を売ることで経済活動や人々の生活を支えられると考えました。さらに、就職先で悩んでいるときに出会った社員の方が「僕はこのインドの店舗で働きながら、この国特有の社会構造を見直すきっかけを作りたい」と熱く語っており、希望を持ちながら働きたいという想いを具現化するロールモデルを見つけられたのも決め手となりました。最終的には、新興国で働くイメージが強く持てた企業を選びました。

○研究と就活をどのように両立しましたか?

 月一の研究室のミーティングや研究科の発表を目標に、発表直前1~2週間は研究に注力し、その他は就活に重点を置いていました。オンラインの合同説明会などは研究の作業をしながら聞き流すことができたので、うまく時間を使うようにしていました。また、東大の一つ上の先輩が就活メンターとしてサポートしてくださっていたので、その先輩が1年前の同じ時期にどのように過ごされていたのかアドバイスをいただいていました。

○文系院生の就活はどのようなものなのでしょうか?

 文系院生は、研究職や専門職につく可能性もある理系院生とは違い、文系職種(事務系総合職)を志望するのが一般的です。そのため、一緒に面接を受ける就活生には学部生も多く見られました。しかし、院生という属性上、「どんな研究をしているのか」「なぜそのテーマを選んだのか」「アカデミアに進まず、企業に就職するのはなぜか」など研究についての深堀りはしばしばありました。

○辛かったことはありましたか?

 私が一番辛かった時期は、3月から5月です。というのも、周囲は終活宣言をしている中、私は内定を一つも持っておらず、焦りと悲壮感でいっぱいでした。行きたい企業からも、滑り止め感覚で受けていた企業からも落とされ、「社会に必要とされていない」「私は社会から認められない」という負の感情が生まれ始めました。このような状況を見た友人からの「精神弱いよね」という一言で、心が折れました。私は、社会に必要とされていない存在だと感じ、メンタルの弱さを痛感し、就活をやめてしまいたいと思いました。

○その困難をどのように乗り越えましたか?

 この時期を乗り越えられたのは、信頼できる人の存在があったからです。世界で活躍していて、尊敬している同期に会いに行きました。すると、その人は私の頑張りを認めてくれる言葉をかけてくれ、その人が一番辛かった時の話をしてくれました。尊敬に値する努力家でも、同じように苦しみ、辛抱していたと知り、もう少し頑張ってみようと鼓舞されました。このほかにも部活や大学の先輩など、私のこれまでの歩みを知っている人と話し、悩みを打ち明けました。みんな、私の存在を否定せず、頑張りを認めてくれ、私に合ったアドバイスをくれました。話をしているうちに徐々に負の感情が和らぎ、アドバイス通り面接に向かうと通過するようになりました。最終的には内定をいただくことができ、就職活動を終えることができました。
 この経験を踏まえ、本当に辛いときは誰かが助けてくれるというのを強く感じました。就職活動も、その他のことでも、うまくいかず苦しいときは、これまで一緒に歩んできた人たちに助けを求めてみると救われるかもしれません。

○最後に後輩へのメッセージをお願いします。

 就活中、私は正解が何かわからないことで悩みました。多くの皆さんがこの状況に直面すると思います。そのようなとき、これまでの自分に目を向け、信頼のおける人たちに力を借りることで少しずつ前進していくのではないでしょうか。少しでも納得のいくキャリアに出会えるよう、応援しています。

○執筆日

2021年11月15日

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