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センター数学ⅡBで65点だった僕が、東大文系数学本番でなんとか67点までもっていった方法について

お久しぶりです。
通信制高校出身東大生でおなじみの、UTFR代表ンダーカ(本名:神田直樹)です。

いきなりですが、僕の東大入試の開示得点を見てください(露出狂系イキリ)

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…いい点数ですねぇ(恍惚)

外国語や日本史など、オリジナリティ溢れる点数配分の中でも、センター試験の点数が、2次試験の得点に比べて低いことが目に付くと思います。

センター試験大ゴケ

これは僕がセンター試験の科目を1つ寝坊したとかではありません。
そう、僕はセンター試験がめちゃめちゃ苦手だったんです。
忘れもしない2018年の1月中旬、僕は東京大学本郷キャンパスの大教室(よくテレビとかに映るあの教室です)でセンター試験を受けていました。

東大本郷キャンパスにほど近い某超名門高校の生徒が「数学1問ミスったわ人生\(^o^)/オワタ」とかいってるのをみつつ、顔面蒼白で帰宅した覚えがあります。感触的には、730点くらいで、足切りがちらつきました。

中でも失敗したのは、数学。数ⅠAは85点、数ⅡBは64点でした。
数ⅡBは、微分積分の2つ目の穴埋めで躓き、焦っていたらいつの間にか試験時間が終わっていました。確かにここまでのやらかしは計算外ではありましたが、とはいえもともとセンター数学が苦手な私、正直起こるべくして起こった事件だったと思います。

原因を分析すると、その要因には
⑴異常な計算の遅さ
⑵その割に計算を間違えまくる
⑶結果としてテンパる

の3つがあることに思い至りました。

2次試験本番まであと40日程度、このままだと本当にやばいぞということで、何とかして数学の点数安定を図り始めました。

どんな感じで点数を取るか

僕の開示得点を見ていただければわかるように、数学で大コケしなければ合格点は取れる自信がありました(2次試験で合計260点ほど取ればだいたい合格です)。具体的には、「2完2半」(文系数学4問のうち、2問を完答、残り2問を何とか手を付ける)で、80点満点中50点を目指しました。

達成方法として、
⑴計算が遅いことはもうどうしようもないので、⑵の計算ミスをしないこと、⑶のテンパらないことを何とか達成することを至上命題に掲げました。

つまり、試験本番の運用において、「2問解き終わって、20分程度残す」を目標にしました。今まで、全ての問題を解こうとして(なんと無謀な事でしょう)、あれもこれも解けずに、焦りだけが積もっていた状態だったことが、目標の下方修正によって、徐々に冷静さを取り戻し始めました。

「2問解ければいい」、頭ではずっとわかってたものの、実際の運用に落とし込もうとすることは実は容易ではありません。なぜなら
「じゃあどの2問を解けばいいんだよ?」
という壁にぶち当たるからです。

分野によって決めてしまう(例えば微積や整数を先にやってしまうとか)ということも考えたのですが、毎年微積や整数が容易な問題であるわけでなく、確実に解ける2問を選ぶという確度は高くありませんでした。
ここで発想を転換し、「じゃあ最初の20分は問題選定にあてればいいんじゃないか?」と思ったわけです。

この発想が一大転換のきっかけで、この考えを拡張すると、試験時間100分は、様々なフェーズに分けて細分化できる、ということに気づきました。

本番のフェーズ化

実際に僕が運用したフェーズは以下のような感じです。

フェーズ1(2分間):解答用紙を2分割する線を引く
フェーズ2(4分間×4):当該問題を解決しうる手法をいくつも羅列する(まだ全然解き進めない)
フェーズ3(2分間×4):どの手法が最も確度高そうかを判断し、その問題の難易度をA⁺~C⁻の6段階でランク付け(まだ全然解き進めない)
フェーズ4(15分×4):フェーズ2、3と基に、頑張って解き進めまくる
フェーズ5(残り時間):あらゆる数を代入したりして検算をしまくる


つまり、ポイントは、時間を綿密に区切ったことで、今しなければいけない課題にフォーカスすることが可能になり、焦りがなくなったことだと思います。
最初の4分はアイデアを出しまくる時間
次の2分は妥当性の最も高そうな解答方法を選択し、その問題の難易度を計る時間
その後の18分は、思い描いたフローチャートを、計算などに気を付けて忠実に再現する時間
そして最後の2分は検算をしまくる時間、というように。
今解いている以外の問題、今取り掛かっている以外の作業を頭から消すことができたことで、圧倒的集中力をうむことに成功したのです。


また、フェーズ2とフェーズ3はそれぞれ工夫の賜物です。

フェーズ2に関して


例えば、図形問題にしても、幾何で解く、座標を設定する、三角関数を設定する、など様々なアプローチが試せるわけで、この時間ではそういうことを羅列します。
最近の例だと、2016年文系数学第1問でも、三角形の3つの角が鋭角になる条件をとらえるために、内積の利用、辺の長さで不等式、円周角の定理の利用など、いろいろな手法があると思います。

では、なぜ羅列するのか。
一般論として、東大入試は「ああ聞かれたらこう答える」という単純な図式で問題を解こうとする「パブロフの犬型」受験生をあの手この手で落とそうとしてくるわけですが、良さそうな手法が見つかっても、解き進めないことで、「それ以外の手段」を考えることができるだけで、「第一印象の飛びつき」を防げます。
2016年東大数学第1問では、個人的には内積の利用が一番やりやすいと思いますが、辺の長さで不等式を最初に思いついてしまい、それで解き進めたらなかなか苦労しました。

また、羅列のメリットは「第一印象での飛びつき」を防げることにとどまりません。
それは、仮にフェーズ3で選択したアプローチで詰まった場合、その他の手法がすでに羅列されているので、落ち着いて他のアプローチを試せることです。圧倒的にテンパりが少なくなります。また、もし当該問題を途中であきらめ、他の問題に着手したとしても、最後に戻ってきて、構造を素早く理解することができます。
なので、ここでの羅列は、頭の中でなく、活字化してちゃんとメモしておくことが必要です。

フェーズ3について


ここで一番工夫した点は、問題文の難易度を6段階に分けたうえ、ちゃんと文字を割り当てていること、です。
そして、何より重要なのは、普段の過去問演習でも、ブレずに同じ指標を用いる事、です。得てして本番では全ての問題が難しく見えてしまいます。そんな時、実際に問題を普段と全く同じ指標で評価することで、本当に今年は難しいのか、簡単なのかが見えやすくなると思います。
フェーズ2でも言いましたが、焦りから脱出する一番の方法は「可視化」です。
もし、本当にその年が難化してたとしても、それは普段の指標を適用してのことでしょうから、「真実」と受け止めていいと思います。そのうえで、拾える点を拾っていく。
「難しく見えているが、実は簡単なのでは…」と頭にちらつく悪魔の疑念が、焦りへの第一歩です。悪魔の打破のために、問題にお札を貼ってしまいましょう。

(以下5月21日に加筆)

実際に東大入試本番でどのようなメモをしていたのかを掲載します!!正直本番は、それでも多少はテンパっていて、練習に比べて羅列数がかなり少なくなってしまってますね。実際に時間をしっかり区切って羅列に集中する重要性がよくわかります。

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まとめ


なんやかんやで、駒場キャンパスで2次試験を受けた僕は、とても落ち着き、3完1半を達成し、なんと2次試験の数学は80点満点にもかかわらず、センター数ⅡBの点数を上回りました(笑)

数学の試験は1日目の午後、解けたかどうかの感触も実感しやすいために、2日目に臨むテンションを左右する科目でもあります。落ち着いて入試を受けるために、課題の「可視化」、心がけていきましょう。
質問等ありましたら、UTFRのTwitter( https://twitter.com/UTFR_official )まで。

ンダーカ(神田直樹)の過去記事はこちら

通信制高校卒東大生が考える「スターバックスの成長戦略と東大受験戦略は大体同じ」( https://note.com/utfr/n/n5bd70de10aa0 )

高校に行かない東大生が小中学生時代をどう過ごしたか-神田直樹(文科Ⅰ類→法学部 2年)( https://note.com/utfr/n/nd56882590bd6 )

神田直樹(文科一類2年)-体験記Ⅱ(有料)( https://note.com/utfr/n/nca0afad19da4 )

石垣島×UTFRイベントレポ( https://note.com/utfr/n/n2b0500e88e1b )

2020年2月 UTFR×石垣島・小浜島・竹富島レポ( https://note.com/utfr/n/neda435a3a85e )

『非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと』の感想noteを読んで、出版して良かったと思った話( https://note.com/utfr/n/nb60c720292ef )

『あまり第二外国語に時間を取られたくない』東大新入生に特化した言語選択ガイド ( https://note.com/utfr/n/n243b53248b25 )


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