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『花束みたいな恋をした』とサブカルワナビー。

サブカルワナビー。 サブカルが好きな自分が好き。人よりサブカルを知っているという理由でマウントを取りたいという承認欲求。そう聞くと卑しいもののように聞こえるけれど、結局みんなサブカルワナビーだと思う。かくいう僕も若干サブカルかぶれを自認しているので、ちょっとグサグサくるというか、イタかった頃の自分を思い出すようで見ていられないシーンもあった。 3月になってシワひとつないスーツを着た大学生を街なかで見かけるようになった。今年もこの季節がやってきたなと思う。今ではリモート面接

    • 2020年の振り返り〜映画編

      僕は収集癖があるらしい。ムビチケカードと呼ばれる映画の前売券をファイリングして集めている。半券は手帳に貼るし、印象的だった映画についてはフライヤーも保存する。おかげさまで年の瀬には手帳は単行本くらい分厚くなるし、机の引出しに教科書や参考書をしまうスペースがなくなる。ミーハーなのか予告編で興味を持った映画はすぐに前売券を買ってしまうので、事前に口コミをチェックすることが出来ない。閃光ライオットでGalileo GalileiやSHE'S、緑黄色社会を見つけた時よろしく、そこで選

      • ルート66の旅 Day3 ヴィクターヴィルからベガスへ

        3日目の目的地はラスベガス。ルート66はラスベガスを通っていないため完全に寄り道となるのだが、一度はVegas Nightを経験したい男子大学生の総意により、ラスベガスを目指すことになった。アナハイムからラスベガスまでは道なり450キロほど。直行すれば4時間かからずに到着できる距離ではあるが、ディズニー疲れもあったので、大いに寄り道を楽しむことにした。 アナハイムから北東へ120キロほど進むと、ヴィクターヴィルに到着した。モハーヴェ砂漠の南端に位置する都市で、昼と夜の寒暖差

        • ルート66の旅 Day2 アナハイム

          僕たちはロサンゼルスから南東におよそ50キロほど進んだ街を訪れていた。1857年にサンフランシスコから入植してきたドイツ系の人々は、この地をアナハイムと名付けた。近くを流れていたカリフォルニア州南部で最大の川、Santa Ana Riverと、家を意味するドイツ語のheimを組み合わせてAnaheim。いかにもドイツらしい地名になっているが、人口比を見てみると白人とヒスパニック系が1:1で暮らすバランスのとれた街である。当初はぶどう農園を拓きワイン作りを主要産業としていたそう

        『花束みたいな恋をした』とサブカルワナビー。

          ルート66の旅 Day1 LAとサンタモニカ

          2016年に大学の同期二人と旅をした。その旅行記を今、思い出せる範囲でメモ書き的に文書化しようと思う。本当は文章を校正したりして「読み物」にした方が良いのだろうが、思いつきでだらだらと書いているだけなので今の所はラフな日記である。旅行記の体裁になるのはまだまだ先だと思う。 2016年9月12日の午前6時、留学先のオレゴン州モンマスからバスが出発した。飛行機とバスとを乗りつぎ、14時を少し回った頃、ロサンゼルスの市街地に到着する。前日に到着し、すでに車を借りてくれていた友人た

          ルート66の旅 Day1 LAとサンタモニカ

          映画「ステップ」と愛、父子家庭であること

          中学生の頃、初めて彼女ができた。身長が高くすらっとしていて、周囲と比べても大人びた子だった。目立つようなタイプではなくて、どちらかというと地味。中学生だったので気遣いとかはよくわからなかったけれど、面倒見が良くてそこに惹かれた。「マザコン」という揶揄を顔を真っ赤にしながら否定し続けていた当時の自分が懐かしいが、昔から、好きになる人はいわゆる「お母さんタイプ」の人が多かった。真っ先に仲良くなるのはどちらかというと子供っぽい人が多いけれど、付き合う相手となると年上だったり姉御肌な

          映画「ステップ」と愛、父子家庭であること

          カルトと「野蛮」ということについて〜「ミッドサマー」考察〜

          今から3年前、学部生だった私が卒論のテーマに選んだのは「ハリウッド映画における人種ステレオタイプの表象」でした。今振り返ると、もっとかっこいいタイトルの付け方は無かったのかと思います。今も昔も、文才が無いながら精一杯背伸びをした結果です。論文の趣旨は、ハリウッド映画では日本人はメガネにスーツの出で立ちで描かれがちで、アフリカ系の人々は「豪快」とか「野蛮」を表象されがちな気がするけれど、そのようなステレオタイプって何に由来するの?というもので、書き出しはこんな感じ。 日本人は

          カルトと「野蛮」ということについて〜「ミッドサマー」考察〜

          パラサイトに関する考察まとめ

          「パラサイト 半地下の家族」がアカデミー賞作品賞を受賞しました! 同賞の受賞はアジア映画初の快挙だそうです。おめでとうございます! この映画を語るメインキーワードは「半地下」だと思いますが、他にもいくつもの切り口から考察ができそうです。階段、運転手食堂、台湾カステラ、カーセックス。計画と無計画、夢への挫折、そしてパラサイト。カメラワークや台詞回しからも様々な考察ができそうです。これらの観点からのレビューは、また時間のできたときに書ければいいな。 というnoteを投稿したの

          パラサイトに関する考察まとめ

          CATSを映画に持ち込むことについて

          お化け屋敷は怖いです。四川料理は辛いです。にもかかわらず皆さんはお化け屋敷に行ってキャーキャー叫んだり、四川料理屋に入って辛さに涙を流すんでしょうね。どうしてわざわざ怖いとわかっている場所に出向くんですか。どうしてわざわざ辛いとわかっているものにお金を払うんですか。全く人間というものは理解できません。 そういうわけで、CATSを見に行ってきました。様々な媒体でとんでもなく酷評されていた映画です。ビジュアルがあまりにも気持ち悪いと話題を呼び、上映開始後に映像の差し替えが決まる

          CATSを映画に持ち込むことについて

          映画パラサイトと格差社会

          韓国映画と聞くと少し身構えてしまうのですが、前年にPalme d'Orを受賞した「万引き家族」が大変自分好みだったことも手伝って劇場に足を運びました。前評判通り、観に行ってよかったとつくづく感じる素晴らしさ。スマートフォンからチケットを購入する際、「6ポイントで1本無料」を選択することもできたのですが、あえてお金を払うことを選択した過去の自分を褒めたい。素晴らしい判断だったぞ! 背景となる韓国の格差社会半地下で暮らす、全員失業中の貧しい家族。身分を偽り訪れた先は、社長一家が

          映画パラサイトと格差社会

          強い女性ってなに?-アラジン①-

          月の締め日前日にもかかわらず振休を取得させてもらったので、電車に揺られ名前も知らない赤の他人と立ち位置を争う日々から離れ、実写版の映画「アラジン」を観てきた。本編上映前の予告で「ライオン・キング」の実写版が近日中に公開されることを知り、まったくなんでもかんでも実写化すればいいってもんじゃないよと天邪鬼を発揮する僕だったが、二時間後には何事もなかったかのように手のひら返し。アラブの青年と王女を描いたこの実写映画は、果たして大成功であった。帰り道、映画記録アプリFilmarksを

          強い女性ってなに?-アラジン①-