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2020年の振り返り〜映画編

僕は収集癖があるらしい。ムビチケカードと呼ばれる映画の前売券をファイリングして集めている。半券は手帳に貼るし、印象的だった映画についてはフライヤーも保存する。おかげさまで年の瀬には手帳は単行本くらい分厚くなるし、机の引出しに教科書や参考書をしまうスペースがなくなる。ミーハーなのか予告編で興味を持った映画はすぐに前売券を買ってしまうので、事前に口コミをチェックすることが出来ない。閃光ライオットでGalileo GalileiやSHE'S、緑黄色社会を見つけた時よろしく、そこで選んだ映画があたった時は嬉しいが、当然ながらハズレ、無駄な出費も多くなる。コロナ禍の今年は一人で映画館に行くことも多かったので、例年に増してお金をはたいてしまった。今家計簿アプリをぱぱっと振り返っただけで、5万円以上を費やしている。月々のサブスク料金なんかを合わせたら本当に馬鹿にならない。コロナは個人の財布にまで影響を及ぼしている。驚き。

今年観た映画を振り返ろうと映画情報サービスFilmarksの個人ページを開いてみた。その年に見た作品数が分かるよう、レビュー時に「#100」というように連番を必ず記載することにしているのだが、現時点での数字が「#156」だった。閏年の今年は年間が366日だったので、このままいくと1週間あたり3作品を見ている計算になる。林暇かよと思われても仕方がない。仕事はそれなりにやっていたんだけれど。

今年はNetflixパーティーというグループの立ち上げメンバーになったり、配信ショートフィルムの選考に関わらせてもらったりと、もちろん単なる趣味であるのは変わりないけれど、映画との関わり方が例年とは若干変化した年だった。活動の中で関わった人はやっぱり話の引き出しが多くて、好きなものに対する熱量や知識が半端なかった。彼らと同じことをしていても二番煎じなので、自分なりのやり方で、来年も映画とは関わっていきたいと思う。

さて、今年公開の映画(昨年末ギリギリ公開作も含む)の中で、例によってベスト5を作ろうと思ったのだけれど、今年は母数が多いからかとても5つには絞りきれなかった。うんうん唸りながらどうにか6作品にまで絞ったので、今年は2020年映画ベスト6ということにする。あらすじとかは今更僕が書く必要はないと想うので割愛。すべておすすめ。

①기생충 / パラサイト 半地下の家族

この映画がきっかけで、韓国語を覚えようと思い立ち、おうち時間を利用してさわりだけ勉強してみた。Netflixで韓ドラを観始めたのもこれのおかげ。

②のぼる小寺さん

事件は起こしてしまったけれど、やっぱり伊藤健太郎はすごく才能溢れるし、恋愛どうこうじゃない青春の甘酸っぱさみたいなのが素敵。

③君が世界のはじまり

今年一番良かったのはこの映画。爽やかで甘酸っぱい「のぼる小寺さん」とは正反対の映画で、青春の無力感と混沌の世界を描いた作品。死は誰にでも平等にやってくるという言説に対して、死に方は選べないしタイミングも選べないだろと三行半を叩きつけるようなそんな映画。綺麗な景色、陰鬱とした雰囲気、世の中の不平等。そんなキーワードに惹かれる人と、テアトル新宿が好きな人は是非見てほしい。ブルーハーツは結局どの時代どの世代にも響くんだよな。

④宇宙でいちばんあかるい屋根

なんでもない夜景とバンジョーのメロディが心地良くて10分で引き込まれる。バンジョーって高いのかな。清原果耶も桃井かおりも伊藤健太郎も魅力的すぎる。役柄とはいえ清原果耶の会話のテンポが心地よい。

⑤糸

北海道で育ちたかった。加藤と西村が羨ましい。「優しい時間」とか、北海道の作品は悠長な時間と雄大な自然、みたいな鉄板のテーマが存在してしまうけれど、それでもやっぱり良い。菅田将暉、小松菜奈カップルと中島みゆきの「糸」で変な作品になるわけがない。「平成を振り返る」というテーマが広すぎて映画尺に色々詰め込みすぎてしまった感はあるけれど大好き。

⑥劇場版 鬼滅の刃 無限列車編

言わずもがなの作品。周りの友人たちは口を揃えて号泣だったと教えてくれた。ある人は炭治郎に泣かされ、ある人は煉獄さんに泣かされ。自分は猪頭くんに泣かされた。興行収入も千と千尋を抜いたようで、ほんの少しの複雑さはあるけれど非常にめでたい。今年の映画産業を救ってくれた間違いなく救世主。鬼滅がなければ潰れていた映画館ももう少しあったんじゃないかな。。ありがとう。炎と炭治郎の歌もいいよね。

来年もいろんな作品に出会って、今年以上にそれを共有できたらいい。映画談義ってやっぱり楽しいし、さほどその人のことを知らなくても話が盛り上がる便利なツールのような気がしているから。

<番外編>公開は今年ではないが今年見た中で良かったもの三選


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