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フランス語学修士。主にフランス語学習,フランス映画,小説について投稿していく予定です。…

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フランス語学修士。主にフランス語学習,フランス映画,小説について投稿していく予定です。ゆくゆくは言語学の論文の和訳や、内容をまとめたものを載せたいと思っています。2022年4月からケベックに住みます。

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  • フランス語の成句表現

最近の記事

フランス語の回文

フランス語で回文は palindrome 回文とは、上から読んでも下から読んでも同じになる言葉のこと。 (横書きだと、左から読んでも右から読んでもか。) 日本語だと「新聞紙」、「トマト」、「安い椅子屋」など。 名詞や人の名前、動詞、文など、いろんな回文があり、また作ろうと思えば頑張って作ることも可能。 今読んでいる本 "Un bonbon sur la langue" に書かれていたものから、いくつか紹介。なお、アクサンは無視できる。まずは単語。 été, rada

    • フランス語の成句表現 n°12

      【 à bride abattu 】 ・手綱を緩める ・全速力で ・全く抑制されていない bride ※馬勒(ばろく) bride で手綱のことも指しますが、一般に手綱は rêne といいます。 ※馬の頭や口元に付けられていて手綱と繋ぐ馬具 手綱を緩めると馬はひっぱられないので前進できます。手綱を引くと馬は止まり、緩めると走ります。そこからこの表現が生まれました。 同じ意味で à toute bride という表現もあります。

      • フランス語の成句表現 n° 11

        【 ça me botte !! 】 ・自分にぴったり合う ・とても気に入る botte 長靴、ブーツ botter 長靴をはかせる、靴屋が靴を作る、靴が足に合う ça me plaît beaucoup, ça me va très bien, ça me convient parfaitement などと同じ意味ですが、より話し言葉的、俗語的です。 オーダーメイドの靴は自分の足にぴったりと合うので、そこからこの表現が生まれました。ギュスターヴ・フローベールの "C

        • フランス語の成句表現 n° 10

          【bon an mal an】 ・(良い年と、悪い年と)平均して ・年によって この表現は、少なくとも17世紀からあったそうです。元々は、ある長い期間に何度も繰り返される動作や活動に対して使われる表現です。最近は、より幅広く使われています。 例えば、ブドウ農家がワインをつくるとき、その質や量は年によって変わってしまいます。つまり、「良い年」と「悪い年」があります。 フランス語の an は、ラテン語の annus からきていますが、この単語には「年」だけでなく「収穫」と

        フランス語の回文

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        • フランス語の成句表現
          12本

        記事

          フランス語の成句表現 n° 9

          【dans le plus simple appareil】 ・裸で、裸同然で simple 単純な、素朴な appareil 盛装、華美な身なり appareil といえば「器具」や「機械」がまず思い浮かびますが、「身なり、支度、壮麗、華美」という意味もあります。 appareiller は「(出航の)準備をする」という動詞ですが、勿論これと語源は同じです。 「しっかりと支度をする、丁寧に準備して着飾る」という意味合いから、appareil は「盛装、華美な身なり

          フランス語の成句表現 n° 9

          フランス語の成句表現 n° 8

          【être comme l'âne de Buridan】 ・非常に悩み、選択をためらう ・優柔不断である âne ロバ âne de Buridan ブリダンのロバ(※ビュリダンとも表記される) この表現は、14世期のスコラ哲学者ジャン・ブリダン(Jean Buridan)の寓話に由来します。寓話の内容は、大体以下の通りです。 家畜小屋にいたロバは、飢え、かつ喉が渇いていました。小屋の一辺には干し草が、もう一辺には水の入った桶がありましたが、どちらをとるかを選択でき

          フランス語の成句表現 n° 8

          フランス語の成句表現 n ° 7

          【La perfide Albion】 ・英国の異名(非難していった表現)、「不実のアルビオン」 perfide 不実の、裏切り者の この表現は、フランス革命後の1793年に使われはじめ、19世紀に普及しました。昔からイギリスとフランスはライバル意識が強く、いじわるな呼称や表現があります。 なぜ「アルビオン」というのかは、2つの説があります。 フランスからイギリスへドーバー海峡を渡ってゆくと、その沿岸に白い崖が見えます。ラテン語で「白い」を意味する albus から

          フランス語の成句表現 n ° 7

          フランス語の成句表現 n° 6

          【passer l'arme à gauche】 ・死ぬ arme 武器 gauche 左の、左側の この表現の起源は諸説あるのですが、そのひとつによると、19世紀はじめに使われるようになった表現です。 剣術の場面では、お互いに右手で剣を持って向かい合い、自分から見て左側(相手の右手側)を狙います。剣を握っている方を狙った方が相手を倒し易いからです。 また他に、sénestre, senestre(左の、左側の)という言葉は、sinistre(不吉な、縁起の悪い)と

          フランス語の成句表現 n° 6

          フランス語の成句表現 n° 5

          【rire / rigoler / se marrer comme une baleine】 ・大口を開けて笑う ・大笑いする rire, rigoler, se marrer 笑う comme 〜のように baleine クジラ 直訳すると「クジラのように笑う」です。単純に,クジラが大きな口を開けたときのイメージからきています。また,「クジラひげ」が笑っている人の歯のように見えるからという理由もあるそうです。 rire は広く一般に「笑う」と言うのに用いられる言葉で

          フランス語の成句表現 n° 5

          フランス語の成句表現 n° 4

          【compter pour du beurre】・無視される,除け者にされる ・全く重要でない compter 数える,お金を払う beurre バター beurre はしばしば「豊かさ」や「富」のイメージと結び付けられます。 例) ・faire son beurre 財をなす,お金持ちになる ・mettre du beurre dans les épinards 収入を増やす,暮らしを楽にする しかし,昔は「無価値なもの」というイメージと結び付けられていました。それ

          フランス語の成句表現 n° 4

          フランス語の成句表現 n° 3

          【manger le morceau / se mettre à table】 ・すっかり白状する ・泥を吐く いずれも隠語的表現で,同じ意味です。 manger 食べる morceau 破片,かけら,少量 se mettre à table 食卓につく 18世紀の終わりには,既にこれらの表現は使われていたそうです。由来としては,警察が捕らえた犯罪者に口を割らせたいとき,白状するまで食事を取りあげていた(白状すれば食事を与えていた)ということから来ています。 lâch

          フランス語の成句表現 n° 3

          フランス語の成句表現 n° 2

          【un pétard mouillé】 ・実際には大したことないが,話題となる出来事 ・人騒がせな誤報 pétard 爆竹/ (話) ピストル mouillé(e) 濡れた,湿った 濡れた爆竹は爆発しないということから,なんとなく連想できそうです。 また,pétard という言葉自体が大ニュースという意味で使われることもあります。話し言葉ですが。 例として,以下のような表現があげられます。 lancer un pétard センセーショナルなニュースを流す モン・

          フランス語の成句表現 n° 2

          フランス語の成句表現 n° 1

          【numéroter ses abattis】①闘う準備,心構えをする ②乱闘,激戦,転落,事故などの後に,手足の状態を確認する numéroter 番号をつける abattis 倒されたものの堆積 /(俗)人間の手足 (= membre) 喧嘩の前の威嚇,または事故の後で無事を確認させる文句として Numérote tes abattis ! と命令形で言ったりするようです。直訳すると「手足の数を確かめろ!」というような感じです。主に話し言葉で用いられます。 "Le

          フランス語の成句表現 n° 1